女性の「更年期と老化の受け止め」に3パターン。休むのはわがまま? 更年期休暇も求む!

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2024-11-20 06:00
投稿日:2024-11-20 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第6話は「求む、更年期休暇」。

老化を認められない、50代

「あの~、私も40代になったのでそろそろ更年期が気になっているんですが。Aさん、更年期はどんな症状だったのか教えてもらえないでしょうか?」

「私? 私ね…全然なかったんですよ! 更年期。みんな大変みたいだけどねえ」

「症状なしですか。それは良かったですよね。じゃあ、閉経もすんなりと…?」

「うーん、周期は乱れているけど、まだ…ありますよ!」

 40代に入って“更年期障害”のワードが脳裏に散らつき出した頃。とある50代の先輩との会話を思い出した。更年期とはどんなものか、情報収集を始めていたのである。

 当時Aさんは猛暑でもないのにやけに汗をかき、カーディガンを脱ぎ着していたので「のぼせですか」と質問してみると、笑顔でかわされてしまった。どうもあの回答は真実ではなかったような気がして、いまだに解せない。

 人生の諸先輩方から、更年期に関する話を聞くうちに、老化に関する受け止め方が3パターンに分かれると仮定した。まずは「更年期を認めない、会話を逸らす」系。実はこれが圧倒的に多かった。

 同じように女優の斉藤慶子もかつてのインタビューでこう話している。

「私、こんなふうに何も(健康に)気にしてこなかったけど、毎年受ける人間ドックの血液検査は全てA評価。しかもHDL(善玉)コレステロールが高いと褒められます。更年期も一切なかったし、病気もしたことがなくて、体と肌は強いけど、色黒です(笑)。」(「美ST」2021年8月号)


【こちらもどうぞ】更年期、それはある日突然に…45歳女の体が『倦怠感で満タン』になった【日日更年期好日 #1】

「更年期症状がない」発言を深読み

 でも更年期障害の症状がないというのは、現在ドンズバ世代で悩んでいる私の立場からすると、腑に落ちない。わずかな惨めささえ感じる。めちゃくちゃスタイルの良い女性に「大食いだから!」と、言われる気持ちに近い。

「更年期のない女性はいませんよ。更年期は女性ホルモンが衰退していくことですから、全女性誰にでもあることです。一生、出産できるわけではないです。ただ症状は人によって全く違いますから、小林さんのようにつらい人もいれば、感じない人もいます。それだけです」

 そう言うのはかかりつけの婦人科医。

 私の推測だけど「更年期症状がない」と言う女性の一部は老化を認められないのでは? と思う。誰でも老けて見られたくはないけれど、芸能人みたいに若々しさは保てない。自分が更年期だとさらしてしまうと、おばさんレッテルを貼られることになる。女ですもの、最後の最後まで足掻きたい。ポジティブな意味での虚栄心だ。

かすり傷で更年期を終えたキャリアウーマン

 そして「本当に仕事が忙しくて、更年期なんかに構っていられなかった」系。

 かつての女性上司にも前述と同じような質問をしてみた。彼女は出版社の社員で、現在は定年退職をしている。

「更年期? あったかなあ? 50代なんて編集長の仕事が忙しくて、それどこじゃなかったんだよね。怒りっぽいみたいなことはあったかもしれないけど、生理もいつの間にか終わっていたかな。もし(更年期の症状に)気づいたら、そればかり気になっていそうだけど」

 元上司の怒りっぽさは更年期以前からだったと記憶しているので、彼女の話してくれたことが更年期の症状とは限らない。

 先日小泉今日子さんこと、キョンキョンが『あさイチ』(NHK総合)にゲスト出演した時も「ちょっと暑いな、とは思ったけれど、仕事が忙しくて更年期どころではなかった」と話していた。

 他も脚本家や文筆家など、忙しそうな女性に聞くと同じような返答だった。仕事が薬とは、幸せなことなのかもしれない。私もそうなりたい。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


3大加工アプリ有料版比較!K-POPアイドル“名指しフィルター”の実力は…
 SNSで写真を投稿するのが当たり前になった今、プリクラ並みに盛れる加工アプリも続々と登場しています。無料でも十分ハイレ...
無重力空間みたい! クネクネころんな“たまたま”君をパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
夕暮れ時に浮かび上がる曲線美
 夕暮れ時に浮かび上がる曲線美――。  それに気づく人はあまりいないようだ。  あなたはどうですか?
【難解女ことば】「御御御付」はなんて読む? ヒントは日本食
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
毎月誰かに「誕生日おめでとう」義家族グループLINEは面倒くさいの極み
 結婚した夫の母親から、ある日突然「家族のLINEグループを作ったんだけど、入ってくれるわよね?」と言われたら、あなたは...
梅雨に負けるな! ラブリー「たまたま7選」で元気チャージ♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 6月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまた...
海外旅行と整形手術、そして私。
 久しぶりの海外旅行だ。まだ「コロナ」といえばメキシコのビールでしかなかった頃に、友人と台湾へ茶を飲みに行って以来である...
酒癖悪い夫の最悪エピ集「口臭いんですけどいつも歯磨きしてます?」
 酒癖の悪い夫を持つと、女性は苦労するもの。場合によっては周りに迷惑をかけてしまうため、夫の代わりに謝罪したり止めに入っ...
本当に防災対策してますか? 大切な人を守るために家庭でできること
 2024年元旦の石川県能登地方の地震は、まだ記憶に新しいですよね。日本のどこかで災害が起こると、一時的に防災意識が高ま...
【3COINS】梅雨シーズン突入! 全身汗ベタ40女を救う神アイテム3選
 6月21日、とうとう関東地方も梅雨入りしました。汗かき民としてはつらい季節の到来です。  代謝がいいのか、年齢的なも...
去勢手術直前! 驚きを隠せない少年“たまたま”キュートな瞳
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
きたきたきた遅刻常習犯の言い訳。お仕置きだべ!笑面虎な返信LINE3選
 世の中には、集合時間や出勤時間にいつも遅れてくる「遅刻常習犯」がいます。彼らは、反省している顔を見せながらも、何度も遅...
義母「昼ご飯何入れた?」嫁姑戦線!陰湿系から誤爆まで壮絶LINE10選
 嫁姑の関係は、昔から多くの人が悩んできた課題でもありますよね。大切な息子を取られた姑が同居の嫁をいびるなんて話は、星の...
地方組が「東京人は冷たい」と感じる5つの理由、人間関係ドライすぎない?
「東京人は冷たい」という言葉を一度は聞いたことがありますよね。東京で生まれ育った人にはわからないかもしれませんが、地方か...
かわいい要素が大渋滞! 困り顔にゃん相がたまらない“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...