天童よしみ似“銀座おばば”の人生訓。頑固オヤジたちとの付き合い方&「商店会の街路灯」が示すもの

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2025-01-16 19:43
投稿日:2024-12-11 06:00
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女一匹の“ほぼリアタイ”ドタバタルポです。
 商店会は末端社会の縮図。次から次へと巻き起こるトラブルや人間関係は、どこぞの職場や家庭で見たような光景ばかり…。

商店会の懐具合は「街路灯」でわかる

 商店会のメインストリートにある街路灯、⾓さん(床屋)・助さん(元酒屋)とのミーティングでも、区役所との会話でも、何かにつけ「街路灯」という言葉が登場する。大体、なぜ街灯ではなく、街路灯なんじゃろか?

 商店会の仕事をするようになって、街路灯が商店会所有のものであり、維持管理は個々の商店会が行っていることを知った。電気代に関しては、地元行政が補助する仕組み。

 街路灯なんて、これまで気にしたことがなかったが、意識してよその商店会の街路灯を見ると、様々な形がある。

 しょぼめの商店会は昭和レトロなスタイルのまま、お金持ちそうな商店会はおしゃれ系のモダンな街路灯が設置されている。商店会の懐具合って、街路灯を見ると結構わかっちゃう。


【初回からどうぞ】“幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!

「商店会活動の師・銀座おばば」初登場

「この前、まじまじと銀座で街路灯見てみたんだけど、みんなおしゃれねー。お金かかってる感じー」と、久しぶりに会った銀座育ちのシニアマダム、通称「銀座おばば」に話す私。

 このコラムに初登場の銀座おばばは、元は銀座、赤坂などで飲食店を営んでいた敏腕経営者。現在は悠々自適のお気楽ライフ。羨ましいかぎり。

「銀座だもん、当然おしゃれじゃなきゃー。商店街はみんな銀座を真似して始まったんだからね。なんとか銀座って商店街、いろんなとこにいっぱいあるでしょ。街路灯や並木は商店街の顔なのよ」と銀座おばばは銀座自慢に余念がない。

「ヴィ〇ンとかエ〇メスとかも、商店会にみんな入ってるの?」と私。

「どーかしらねー。でも和光や百貨店、老舗の飲食店は昔から入ってるわよー」

「うちの商店会とは違って、銀座の商店会って金持ちそう…。もはや別次元だよね」

「お金持ちに決まってるじゃないの一、商店会の預金は国家予算くらいあるわよ!」と、この銀座おばば、平気な顔していつも大ボラを吹く。さすがに国家予算は大袈裟だろ一。

ゆるっと、ちゃらっと、ガツっと…はて?

 この銀座おばばは、私が商店会会長になった際も、なかなかにいいアドバイスをくれた。

「おっさんたちに、ただ気を遣うんじゃダメなのよ。どうせ絡むなら、こ機嫌になるまで気を遣いまくらなきゃ。半端な気遣いは無駄、だったら最初から気を遣わない。どっちかよ」

 なるほどね。なんだか「やるかやられるか」みたいなアドバイスだったけれど、半端にやってもうまくいかない、ということだったと解釈している。

 銀座おばばは、商店会組織や商店主たちの心理にも詳しく、頑固オヤジやわがまま爺さんには、「ゆるっと、ちゃらっと、ガツっといきなさい」という意味不明な教えをいただいた。

 多分、適当にいなして、いくときはいけ、みたいなことか?

 こんな風に銀座おばばについて語ると、ほとんどの人が岩下志麻とか、高島礼子とか、そういう綺麗系の極妻な女性を思い浮かべるようだが、銀座おばばは、どちらかといえば天童よしみ系www

 全体的に丸い。でも、この丸さが、妙な説得力を生む気がしている。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


選ばなかった人生を歩む「もう1人の自分」と話してみたい
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
魅惑の“たまたま”の横から…モデル!? に立候補した茶トラ君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
“刺身のツマ”じゃございません! 存在感爆上がりの「かすみ草」最新事情
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、神奈川の片田舎にあります。  大企業の研究所が多数点在しているせいか、他民...
同僚A「昨夜、課長と歩いてました?」同僚B「私も見ました」って…。職場グループLINE公開処刑!!
 グループLINEは、仕事上でもとても便利な連絡ツールですが、時に意地の悪い人がいるのも現実…。  職場での公開処...
ギャラ飲み収入だけで年400万円の貯金達成!元キャバ嬢が浪費しないワケ
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
【求む2期生!】頑張るシンママの収入UPをサポート☆応募して豪華プレゼントGET!
 日刊ゲンダイが運営する女性webメディア「コクハク」では、メディア制作に協力してくださる「コクハクリーダーズ第2期生」...
雪解けの水とハミングと。
 雪解けの水がすごい勢いで山からくだってくる。  流れの音に耳をすませば春の訪れを知る。  澄んだ空気を感じ...
ぽかぽか陽気♪ ノスタルジーな小道で見つけた“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「立ちんぼ女子」は売春行為や街娼を指すことばではなかった
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
朝立ち、オマン湖、チンチン!普通の会話なのに下ネタかました的なLINE
 普通に会話しているだけなのに、相手からしたらどう考えても下ネタにしか聞こえない言葉ってありますよね。引きつった相手の表...
大谷の“一平ちゃん騒動”で不安 友人との金銭トラブルQ&A~弁護士解説
 ドジャースの大谷翔平(29)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したとして球団から今月20日、電...
【スナック超入門編】どんな場所?若葉印のホステスが実感する5大特徴
 みなさんは、そもそも「スナック」がどんなところかご存知でしょうか?  キャバクラやガールズバーとは何が違うの?...
高級クラブのホステス→ギャラ飲み嬢に 面識なしで突然10万円ギフトが…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「正しくないこと」が「美しくない」とは限らないと知った
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
松田聖子まさかの中大法学部を卒業! 通信制の学び直しで成功する人は?
 先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び...
瞬き厳禁! 春到来の歓びを表現する黒“たまたま”を見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...