【おむすびのモヤっと】面接で敬語使えず、パラパラ? NHK制作陣、ギャルへの愛はあるんか

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-12-10 12:20
投稿日:2024-12-10 11:45

第11週「就職って何なん?」#52

 結(橋本環奈)は専門学校の2年生になり、本格的に就職活動を始める。社会人野球をやっている翔也(佐野勇斗)を支えるために、スポーツ栄養に関われる会社を希望する結。

 沙智(山本舞香)は陸上競技が強い食品会社が第一志望で、佳純(平祐奈)は東京の病院の試験を受けるという。ただ森川(小手伸也)は、まだ慎重に吟味していた。


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【本日のモヤっと】

ブレブレ!? 結のギャルマインド

 ※※以下、ネタバレあります※※

 早いものでもう就活…ですか。結の学校生活を振り返ると、さっちん(山本舞香)が班替えを要求した際の献立作りと、先週の大量調理の献立作り、おもな調理に関わる描写はこの2つのみでした。

 ヒロインが栄養士を目指す物語というふれこみでしたので、このドラマをきっかけに栄養士が脚光を浴び、志望者が急増するかも!? と一瞬たりとも思った自分を恥じます。逆に、栄養士専門学校はこんなにお気楽じゃないと抗議が来ないことを祈ります。

 それにしても、結です。就職活動をするために、髪を黒く染め直し、リクルートスーツに身を包むというのは「どうなん?」です。

 ギャルの掟その2の「他人の目は気にしない 自分が好きなことは貫け」はどこへ行ってしまったのでしょう。あまりにもあっさりと髪を黒くし、リクルートスーツを着ていたので、肩透かしでした。

そこに愛はあるんか?

 百歩譲って、それだけ結もオトナになったのだと解釈しましょう。と思った矢先、今度は面接で「パラパラ」を踊ってしまうという失態を。

 緊張のあまりに言葉づかいがヘンになる場面もありました。これって、笑わせようという意図なのでしょうが、ちっとも笑えません。なぜかといえば、そこに制作者たちのギャル愛を感じられないから。

 結局のところ、彼らにとってのギャルは、面接でパラパラを踊り、敬語もまともに使えない非常識なヤツ、でしかないのか、と。ギャルを持ち上げているかのようでいて、その実はバカにしているのでは、とさえ思えてしまうのが残念です。

「そこに愛はあるんか?」某CMの大地真央扮する“おかみさん”になり代わって、制作者に問います。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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