なぜ人は酒に酔うのか?【薬剤師監修】さらば泥酔! 酒好きのための「上手な飲み方」完全ガイド

コクハク編集部
更新日:2024-12-25 13:52
投稿日:2024-12-19 06:00

3. 泥酔&二日酔いを防ぐ4つの秘策

 楽しい飲み会なのに酔いすぎて台無しになったり、二日酔いになって翌日に響いたりしにくい方法を4つ紹介します。

3-1. 胃が空っぽの状態で飲み会を始めない

 胃が空っぽの状態でお酒を飲むと、アルコールが胃腸で急速に吸収されて血中アルコール濃度が急上昇。悪酔いや二日酔いをする原因になりかねません。

 飲み会の前に、食べ物でも飲み物でもいいので胃に入れておくと、このような事態を防げるでしょう。お昼を多めに食べておいたり、時間がない場合はコップ一杯の水を飲んだりするだけでも構いません。

3-2. 意識的に水分を摂る

 飲み会のときはお酒だけではなく、お茶や水などのチェイサーも意識的に飲むようにしてください。それによって胃の中のアルコール濃度が薄まるだけではなく、お酒を飲むペースもゆるやかになるでしょう。

3-3. おつまみでタンパク質、ビタミンB群を摂る

 おつまみはタンパク質やビタミンB群を多く含んでいるものを選ぶのがおすすめ。タンパク質は肝臓やアルコールの分解酵素の働きをサポートします。低カロリーの枝豆やチーズがおすすめですよ。

 ビタミンB群は豚肉やブリ、生ハムに多く含まれ、アルコールの代謝を助けます。これらのおつまみを食べることで、泥酔や二日酔いの防止効果が期待できるでしょう。

3-4. 薬の服用

 泥酔や二日酔いを予防するためには、薬の服用もおすすめ。

 胃のむかつきが気になる場合は、胃酸の分泌量を抑えるファモチジン、ラニチジンが含まれた胃薬を服用するといいでしょう。アルコールの代謝をサポートするウコンは、飲み会前だけではなく二日酔いの際に飲んでも効果が期待できます。

 二日酔い対策には漢方薬もおすすめです。「アルコールによる胃の不調や頭痛を和らげる」「飲酒による水分バランスの乱れを整えて吐き気やむくみを改善する」といった働きを持つ漢方薬を選んでください。

二日酔いにおすすめの漢方薬

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう):からだの余計な熱をとって胃の炎症を抑え、アルコールのような刺激物による胃の不調や二日酔いを緩和します。

・五苓散(ごれいさん):体内の水分代謝を整えることで、むくみや頭痛、吐き気などを改善し、二日酔いにも用いられます。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 飲み会の対策をして楽しく飲もう!

「泥酔対策っていろいろあるんですね。二日酔いもしがちなので、対策を聞けて参考になりました!」

「お酒は飲んでいる間だけではなく、飲んだ後も楽しいことが大切よ。飲み方に気をつけて飲み会を楽しんでちょうだい」

 えりのボスの言葉に、嬉しそうにうなずくナギサさん。

「ありがとうございます! これからの飲み会ラッシュ、しっかり対策をして無理せず楽しみます!」

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくナギサさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


熱狂する韓国コスメブームに違和感。顔につけるのに、低価格、パケ買い、なんとなく…だけで買って大丈夫?
 つい先日、資生堂の最終赤字が100億円超との報道がありました。主な理由は中国での事業不振にあるそうですが、実際のところ...
急に夜が淡白になり、枯れてしまった彼氏…【薬剤師監修】浮気以外で考えられる原因は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代で「実年齢+5歳老け見え」は絶対回避したい!【美容家激推し】お助けアイテム3選
 40代を迎えると、ちょっとした老け見えにも落ち込みますよね。「43歳なのに、48歳くらいに見られた…」なんてしょんぼり...
お肌のシミはなぜできる?【美容外科医が解説】薬局で購入可能なおすすめの薬と美容クリニックの威力
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容医療11年目の美...
腹痛だけと思ったら大間違い!本当は怖~い「便秘」の5つの影響【薬剤師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
冬でもテカる! 厄介な「油田肌」3つの原因と対策3カ条。逆効果のケアしていませんか?
「夏はまだしも、真冬の今でも肌がテカるのなんでなの!?」とキレている女性の皆さま、必見!  今回は冬でも肌がテカる原因...
40代に高額な美容液は必要なの? 愛すべきプチプラではなく、全力で投資すべきデイリーコスメは…
 40代半ばを過ぎてくると「高価な美容液に変えるべき?」の疑問が湧いてくる人も多いよう。実際に私のもとへも、「プチプラ美...
脱ネガティブ! マインドフルネスって何?【専門家監修】1日5分から始める簡単メソッドを解説
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
美容家熱弁!40代以上に大人気のプチプラで“買い”な最新作(UV対策、ポイントメイク、ヘアアレンジ)は?
 ここ数年で「プチプラ」と呼ばれるコスメのレベルが、格段に上がっていますよね!  大人世代が使っても納得と満足の両方を...
噂の美容法「タオルで顔拭きはNG」って嘘でしょ!? 医師3人の回答は/専門家監修【美容のウソ・ホント】
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
洋服でお金を浪費する人の特徴4つと回避策。通販サイトは“鬼門”かも?
 お金は稼いでいても、なかなか貯金が貯まらない人に多い特徴が「洋服でお金を浪費している」ケースです。なかには、洋服はたく...
お風呂から出てもすぐに足先が冷えるのはなぜ?【専門家監修】温活で全身ポカポカにする秘訣とコツ
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
20代が実例チェック! アラフォー女性がハマる“逆パンダ”アイメイクの罠
 アラフォー世代のみなさ~ん。若々しさを意識して華やかなメイクをしたつもりなのに、気づけば目元が浮き上がり、さながら“逆...
夫がハゲてきた…プライドも頭皮も傷つけない伝え方と妻にできること3つ
 夫婦の間でも、デリケートで伝えにくいのが「夫のハゲ問題」です。ハゲてきたと感じても正しい伝え方をしない場合、夫を傷つけ...
ダイエット成功の秘訣は「楽痩せ」【薬剤師監修】過去の失敗は“宝”。本当に好相性な超簡単ダイエットは?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
「なんだかキマらない…」【美容家厳選】“メイク下手”40代こそ使いたい! 優秀プチプラ3選
 40代以上の自称「メイク下手」女性の多くが悩む「昔と同じようにメイクをしても、なんだかキマらない」問題。きちんとメイク...