正月の門松に「松」は絶対必要? 住職の言葉にヒントが…歳神様を招く際に本当に欠かせないもの

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-12-25 09:42
投稿日:2024-12-25 06:00
 元旦から大きな災害に見舞われた2024年、当たり前の日常や生活に大きな変化が起きてしまった方々が、少しでも心穏やかな年末が過ごせますことを祈るのみでございます。

正月には「歳神様」をお招きいただきたい

 個人的にも大変な1年でした。猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋を営む身、変な人と思われても困るのですが、「神様召喚」をこれほど叫んだ年はないかもしれません。

 全仕入れアイテムにおいて、カタログの修正が間に合わない速度で毎月ジリジリ値上がりしていき、月末の支払いのたびに「頼む! 神様!」を叫んでおりました。ワタクシの不屈のメンタルを保つための呪文みたいなもんですな。

 2025年も毎日元気に楽しく、強く生きていくため、心の平和を保つため、ぜひともお正月にはアナタの家に「歳神様」をお招きいただきたい! 今回は、2024年最後の開運のススメ「門松と花は神様の宿る依り代(よりしろ)でござんすよ」の解説です。

門松は神様が宿る依り代

 本コラムにて、お正月の花の解説は幾度となくしてきました。基本的に門松は家の門や入り口にかけるもので、歳神様が迷うことなく我が家にやってくるための目印であり、お正月の間に神様が宿る依り代でもあります。

 門松に使われる松の形や種類は地域によっても様々。実は“これが決まり”なんてものは曖昧で、一般的には枝に常緑の細かい葉がたくさんついている状態で、葉の隙間に神様が休憩されるものと考えられています。

 門松の飾り方は「陰陽和合」の考え方から左右違うもので一対が基本。玄関向かって左側に黒松(雄松)、右側に赤松(雌松)など左右違うものを一対とするものもあれば、略式で若松など同じ松で一対、一対どころか片側でだけ、あるいはシメ縄輪飾りだけでもOK? にしちゃうなど、地域性や住宅事情などもあり、在り方も需要も年々変わっております。

【読まれています】「旦那死ぬよ!」住職から叱られて以来、大事な“トイレのあれ”。運気アゲアゲ狙うなら「水回り」が狙い目

門松がなければ歳神様がこないの?

 毎年末に開催している門松飾り教室では、「松を入れたくないんです」という方が、1コマに必ず数名いらっしゃいます。理由はさまざまですが、「松ヤニ」「とげとげした葉っぱ」「臭い」が苦手だとおっしゃる。

 ナント! 有料の門松講習会に参加されながら、松を使いたくないとは…なぜここへきた!? 門松から松を抜いたら門しかないやんけ! と、最初のうちは笑って受け流していたのですが、あまりにも多くいらっしゃるので、これも時代なんだと理解しました。

 正月早々、嫌なことを無理してまで我慢することはないな、と。

門松を用意する際に最も大事なこと

 そんな方には門松風の生花アレンジメントをおすすめしています。出来れば生きた植物を使うのがポイント。生花は長持ちさせるために一定のお世話が必要、心を尽くすのがキーワードになると感じます。

 お正月に飾られる花や物には、縁起を担いだ決まりごとが多く、全てを集めると膨大です。ですが、ささやかでも心のこもった門松を用意すれば良いのでは? とご案内させていただいています。

 正直、松を入れようが入れまいが、大か小か、どれだけ豪華かなど、歳神様はそんな人間くさいことを気にするのだろうか。歳神様を思い、小さく可愛いフラワーアレンジメントや美しい菊の花が一輪でも玄関に飾ってあれば、それは立派に門松なんでしょうな、と思うところでございます。

ご住職の秀逸な一言

 以前、ワタクシの菩提寺の話のわかるご住職と「先祖累々のお骨が増え、墓から飛び出しそうだけど墓って必要?」の話で盛り上がったことがありました。その時のご住職の秀逸な一言が今でも忘れられません。

「娘ちゃんね(ワタクシのこと)、ご先祖様はこれは私の骨だ!! なんて主張なんかしない。本来は土に返してあげることが自然なの。もしも会いに行きたいのなら、目印は粗末な石でもなんでもいいのよ。ご先祖様はいつも貴方を守ってくれているから、いたことは忘れちゃいけないの。立派なお墓は生きてる者の都合です」

 お正月にやってくる歳神様はアナタのご先祖様。五穀豊穣と富を連れて山から降りてくる、と言われています。アナタが心地良いと思える門松の在り方が、ご先祖様にとっても心地良い依り代になってくれるはず。ご先祖様はきっと寛大でござんすよ。お迎えしたい気持ちは通じますよ。お忘れなきように…。

 まもなく迎える2025年。たとえささやかな一輪の花であっても、アナタに幸せと平和を運んでくれますことを…遠いお空の向こうでお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


美人局の語源に「筒」と「陰茎」
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
結婚式前夜、娘の門出を祝う「親として最後の教え」の内容に涙腺崩壊!
 入学や卒業、就職による1人暮らしなど、門出は1つの節目。嬉しい反面、どこか寂しさや不安を感じる瞬間でもありますよね。 ...
占い好きな成功者と占い好きな非成功者の違い…占いライターで一攫千金も
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
豊洲の人生勝ち組妻でも幸せじゃない?彼女が裕福と引き換えに諦めた事
 独身時代は都心に暮らしていたが、結婚を機に武蔵境に暮らし始めた千佳。しかし、郊外のこの地を愛せない。そんな時、中学の同...
「夫の駐在時にね…」なぜあのコが?田舎の同級生“玉の輿婚”に心ざわつく
 独身時代は都心に暮らし、華やかな生活をしていた千佳。しかし、結婚を機に都内から離れ、武蔵境に住み始めた。しかし、妥協し...
メガバン妻が悟ったリーマンの限界値 吉祥寺より2駅下った中古マンション
 武蔵野の自然を携えそびえる瀟洒な白亜の建物は、まるでこの場所がヨーロッパの一都市であるかのような錯覚を与えてくれる。 ...
帰ったらお風呂に…夫「沸いてるよ!子供が入ってる」危機管理能力ゼロや
 子育て中のママにとって、子供の命と健康を守るのは一番大切な使命。だからこそ、危機管理能力は嫌でも高くなります。 ...
号泣しながら「愛の讃歌」を熱唱 なぜ人はスナックでダサい姿を晒すのか
 私はこれまで多くの夜の世界を見てきましたが、スナックは本当に不思議な場所です。  完全無欠のモテ人間ほど、なぜか...
大人は「さようなら」とハッキリ言わないけど…
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
春の行楽、御朱印集めはスタンプラリーと何が違う? 作法やタブーとは
 山形県東部にある山寺(山形市)で自らの行いについて考える出来事がありました。我よ、御朱印集めがスタンプラリーと化してい...
この勇姿もあとわずか…去勢手術予定“たまたま”を記念撮影!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「クリスマスローズ」で究極のほっぽらかし園芸!怠け者でも花いっぱい♡
 猫店長「さぶ」率いる我が花屋のある神奈川は地球温暖化の影響もあり、ここ近年の特徴は卒業式に桜咲くでしたが、今年は入学式...
人は「趣味が合わない相手」と恋に落ちることがある
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
結婚、出産、身分の違い…仲良かった友達に会いたくないのはダメな感情?
 学生時代を毎日一緒に過ごした親友。でも、年齢を重ねるに連れて「あんなに仲が良かった友達なのに、今ではもう会いたくない」...
かわいい“たまたま”が大集合!夕暮れの集会の議題はなあに?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
立ち止まっていても時間が進むのなら…
 立ち止まっていても時間が進むのなら、いっそのこと急がなくても良いのかも。  人は人、自分は自分。