36歳女医「婚外恋愛のきっかけは父の不倫疑惑です」ナンパで出会った年下男子は救世主か極悪人か?#1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-03-03 19:12
投稿日:2024-12-27 06:00

父との話し合いは決裂

 真正面から反対する久美さんに、父も不満をぶちまけてきた。

「父は『久美はサラさんに嫉妬してるのか? 遺産狙いだなんてあり得ない。それを言うなら、お前の夫だって遺産狙いじゃないか? 以前から医師と結婚しろと言っていたのに、久美は俺に反抗してあんな男と…』と、怒りの矛先を私の夫に向けてきたんです。

 もちろん反抗しました。私が『母さんへの裏切りは許せない。とにかく、サラさんとの再婚は認めないから!』と言えば、『じゃあ、こちらは勝手にやらせてもらう。その代わり遺産もこの家もお前には一切やらん!』と怒鳴られて…」

 久美さんは、母の思い出が詰まったこの家だけはあの女にくれてやるもんか! と激怒した。

「私は職場である大学病院近くの賃貸マンションに住んでいました。いずれは実家の病院で、開業医として第二の人生を歩もうと決めていたのですが、突然未来が遮断されてしまって…。

 夫に相談するのはためらわれました。普段から父を良く思わない夫を、家族のもめ事に巻き込みたくなかった…」

突然の出会い

 そんな時、久美さんにある出会いがあった。

「最寄り駅の前で若い男性に声をかけられました。『この辺りにおススメのカフェはありませんか?』って。キャリーケースを引いた長身の青年で、笑顔が可愛らしい素朴な印象でした。その時の私には、彼の笑顔がとてもまぶしくて…。

 お気に入りのカフェを数軒教えてあげると、『ありがとうございます。良かったら、一緒にお茶しません?』って。私、ナンパされたんです(笑)」

 結局、久美さんは案内がてら青年とカフェに入った。

「席に着いてコーヒーを飲みながら互いのことを話しました。彼は四国の大学に通う卓也くん(21歳大学3年/独身)。若いうちに都会の生活を体験したいと、1年間休学して東京に来たようです。

 上京して1週間、都内を巡りながら職を探していた時に私に声をかけたそうです。私が医師だというと『すごいな。久美さんて優秀なんですね』と無邪気に笑って…。これまでの鬱屈した気持ちが少しだけほぐれました」

 2人はLINEのIDを交換し、頻繁に連絡を取るようになった。

神様がくれた出会い?

「卓也くんは私より15歳も年下なのに、妙に肝が据わっているところがあって、どんどん惹かれていきましたね。職場の大学病院はまだまだ男性優位の世界で、女医がパワハラを受けることは当たり前です。

 夫とは疎遠ですし、父とは再婚問題で大モメ。『人生最悪と言ってもいいタイミングで神様がこの出会いをくれたのかしら』と思うほど心が温かなものに包まれて…。

 明るく行動的な彼は、出会って3回目には『仕事が見つかりました。法人相手にスマホを売る会社の営業です』と明るい声で報(し)らせてくれました。彼と会う時だけは、仕事の大変さも家庭内のモメ事も忘れられる…。

 私はますます卓也くんに惹かれていったんです。夫がいるにもかかわらず、15歳も年下の彼に…」

 続きは次回。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


「アプリの出会いってスゲエ!」バリキャリ女性に求婚した50男の楽観と根拠なき自信
「冷酷と激情のあいだvol.216〜女性編〜」では、交際半年の恋人・タカユキさん(50歳・仮名)からプロポーズをされたも...
並木まき 2024-10-12 06:00 ラブ
更年期突入を控え「稼げるときに稼いでおきたい」。45歳女性“再婚への戸惑い”は特別なのか
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-10-12 06:00 ラブ
「子供は誰の子だ?」うたた寝の悲劇、妊娠中の不倫がまさかの夫バレ 35歳英会話講師の不倫欲 #2
 由奈さん(仮名・35歳フリーランス英会話講師/既婚・子供アリ)は、異業種交流会で出会った宗太郎さん(仮名・35歳不動産...
蒼井凜花 2024-11-08 15:05 ラブ
年の差婚ならではの浮気のリスク。一生お姫様扱いされる? ないない!
「年上のイケおじと結婚したい♡」「10個下の若い男を捕まえて結婚に漕ぎ着けてやる!」このように、上下関係なく「年の差婚」...
恋バナ調査隊 2024-10-11 06:00 ラブ
増殖中の「男装コンカフェ(男装のコンセプトカフェ)」は、想像以上に居心地の良い空間だった!
 近頃、メンズコンカフェならぬ「男装コンカフェ」が増殖中なのをご存知でしょうか。東京だけでもすでに20店舗以上。  一...
内藤みか 2024-10-10 06:00 ラブ
“リアル恋愛話”5選。年下男子が40代女性からの誘いに「即OK」するデート先とは?
 ひと昔前の時代と比べると、最近はドラマや漫画のストーリーで年下男子との恋愛が描かれることが増えました。でも、オトナにな...
「社交辞令でも嬉しい…」“全国TOP5”の女風セラピストとDMで、甘いやり取りを楽しむ
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。48歳で意を決して女風を体験しセックスの気持ちよさを知っ...
mirae.(みれ) 2024-11-20 16:32 ラブ
俺の美学は高級店を「最低価格」で楽しむこと。自称“ひねくれ者”の57歳男の主張
「冷酷と激情のあいだvol.215〜女性編〜」では、高級志向なのにセコい振る舞いをする恋人トシオさん(57歳・仮名)との...
並木まき 2024-10-05 06:00 ラブ
直売所でも飲食店でも「最安価」しか選ばない。恋人のドケチっぷりに結婚前提交際をためらう47歳女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-10-05 06:00 ラブ
不倫は悪なのか。作家・鈴木涼美氏が提起する日本の結婚制度の限界…それでもなぜ結婚する?
『不倫論――この生きづらい世界で愛について考えるために』(平凡社)を刊行した作家・鈴木涼美氏とともに、現代女性における「...
ミクニシオリ 2024-10-06 17:31 ラブ
作家・鈴木涼美氏と考える 現代女性の不倫リスク「不倫って気づいたら巻き込まれているもの」
 朝スマホを開くと「またか」と思うくらい、1年に何度も芸能人の不倫ニュースを見かける。いくら有名人とはいえ、特に当人と面...
ミクニシオリ 2024-10-05 06:00 ラブ
“冬季五輪夫婦”上村愛子&皆川賢太郎離婚の衝撃。「円満離婚」するカップルは揉めてないのは本当か?
 フリースタイルスキー・モーグルで五輪5大会連続入賞の上村愛子(44)が2日、自身のインスタグラムを更新。アルペンスキー...
一児の母で現在妊娠中。「それでも抱かれたい…」35歳英会話講師の不倫欲 #1
 世の中の不倫などもはや珍しくもないが、それが「一児の母であり、現在妊娠中」の場合、人としていかがだろう? 今回、取材に...
蒼井凜花 2024-11-08 15:05 ラブ
【アラフィフ婚活】60男より58歳男がいいけど…オンラインデートでドン引き、老舗相談所にも疑心暗鬼
 アラフィフでの婚活は60代以上からの申し込みが多く、同世代とはなかなかマッチングしないとも言われています。  結婚相...
内藤みか 2024-10-03 06:00 ラブ
最強の愛され女性がやらないこと7選。彼から「追われる恋」希望なら試す価値あり
「彼に愛され続けたい」「追われる恋愛がしたい」と思う女性は要チェック! 今回は男性の意見を交えながら、愛され女性がやらな...
恋バナ調査隊 2024-10-03 06:00 ラブ
アリバイ写真で墓穴掘ってるよ。浮気する男のしょーもない弁解&ごまかしLINE6選
 LINEは浮気がバレてしまうきっかけとなることが多いようで…。今回はパートナーが浮気をごまかすために送りがちな、バレや...
恋バナ調査隊 2024-10-02 06:00 ラブ