眠りが浅くて心がザワザワ…熟睡したい!【専門家監修】「安眠」のための簡単ストレッチ&呼吸法

コクハク編集部
更新日:2025-01-16 06:00
投稿日:2025-01-16 06:00

3. ぐっすり眠りたい人は、コレを試して!

 良質な睡眠には、自律神経を整えることが大切です。

 ストレスなどで自律神経が乱れて交感神経が優位に働くと、からだが興奮状態になってしまって寝付きが悪くなるので、副交感神経を優位に働かせることが大切です。

 具体的な対処方法を3つご紹介します。

3-1. ストレッチ

(1)姿勢を正して、いすに座る。
(2)ゆっくり息を吐きながら下腹をへこませる。
(3)下腹をへこませたまま30秒程度キープする。呼吸が止まらないよう自然な呼吸を繰り返す。
(4)おなかを緩ませる。

(2)~(4)を数回繰り返す。

 ポイントは、副交感神経を優位にさせやすい「腹式呼吸」を行うことです。座るときは「足の裏全体をしっかり床につける」「ひざと腰の角度は90度」「あごを引いて肩の力を抜く」を意識します。

 このポイントをしっかり抑えることで、重心が偏らずに真っ直ぐ保てます。立ったままでもできるので、通勤電車の中やちょっとしたスキマ時間でも実践してみてください。

3-2. 睡眠環境を整える

 ストレッチ以外にも、下記のような方法が効果的だといわれています。

・就寝の90分ほど前に38~40℃のぬるめのお風呂にゆっくり浸かる。寝る直前に体温を上げすぎると、かえって寝付きが悪くなる可能性があるので注意しましょう。

・自分のからだにフィットする寝具を使用する。

・部屋は真っ暗、もしくは間接照明程度の明るさにする。

・スマホの使用は寝る2時間前までにとどめる。

3-3. 漢方薬の服用

 良質な睡眠をとるには、ストレッチをしたり就寝環境を変えたりするのに加えて、漢方薬の服用もおすすめです。漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく根本からの体質改善が目指せるので、不眠になりにくいからだへと導いてくれます。

 不眠には「自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善する」「いらだちや興奮を鎮めて寝付きをよくする」「消化・吸収機能を改善してからだに栄養を届け、心を元気にする」「血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く」などの働きのある漢方薬を選びましょう。

 決められた量を飲むだけなので、忙しい日常にも取り入れやすいのがメリットですよ。

<不眠におすすめの漢方薬>

・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):エネルギーの巡りをよくしてからだにこもっている熱を冷ますことで気分を落ち着かせるため、不眠症や不安などさまざまな精神症状に用いられます。
・加味帰脾湯(かみきひとう):からだの熱を冷まして精神を安定させることで、ストレスや不眠、貧血に用いられます。血色が悪く、虚弱体質の人におすすめです。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。

 お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 良質な睡眠で健康ライフを

「えりのさん、今日はありがとうございました! 帰ったらさっそく教えてもらった方法を試してみます!」

「睡眠は本当に大事だからね。カエデさんがぐっすり寝られることを祈っているわ。また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていくカエデさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

ヨガインストラクター・ライター 高橋 かなこ(たかはし・さなえ)

 2021年よりRYT200(全米ヨガアライアンス認定)修了インストラクターとしてオンラインを中心に幅広い年齢層へのヨガレッスンを担当。企業での事務経験から、デスクワークで疲れた部位や崩れた姿勢のためのレッスン組み立てを得意とする。自身のダイエット成功経験から、美しい体を作るためには食の大切さや思考も大切だと痛感。同じように悩む人に向けて精力的にメディアでの情報発信を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ライフスタイル 新着一覧


女性の「更年期と老化の受け止め」に3パターン。休むのはわがまま? 更年期休暇も求む!
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
【備蓄の日】うまっ…!無印良品級の「レトルト専門店」でごちそうを見つけた♪ ストックしたいオススメ3つ
 東京都では、11月19日を「備蓄の日」としているそうです。「1年に1度は、びち(1)く(9)の確認」なのでこの機会に保...
「乾燥対策」に使うべきベスト・オブ・アロマオイルは?【フェロモンジャッジ調香師が解説】
 女性ホルモンのバランスがよく、フェロモンが溢れる女性の共通点に「肌のみずみずしさとツヤ」があります。これは、体の内側か...
「やば、出ちゃった…」の強い味方!『吸水ショーツ』日仏対決。実際の履き心地、吸水させてみたら…
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
芸術の秋、散歩の秋!「緑と道の美術展 in黒川2024」の楽しみ方
 今年で9回目となる野外で楽しむ美術展覧会「黒川黒山アートプロジェクト 緑と道の美術展 in黒川2024」が開催中です(...
Z世代界隈に多い!? 「静かな退職」を選ぶ心理と、先輩として上手な接し方
「仕事には熱を持って取り組むべし!」アラフォー世代以降はこのように思っている人が多いですよね。その一方で、Z世代の若者は...
ひろゆき氏に言いたい! 48歳まで処女だった私は、本当に魅力がなかったのか?
 パートナーなしの50歳独女ライター、mirae.(みれ)です。48歳で処女を卒業し、現在はフリーで自分の時間を楽しんで...
3年ぶりのご登場! 超個性的なうし柄“たまたま”は今日も元気です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「姿」の部首は何? イメージにとらわれてはダメ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
週末だ、包丁も火も使わん!正義の炭水化物“爆速レシピ”5選【爆速レシピクリエイター・およねさんの自信作】
 SNSで話題の「爆速レシピクリエイター」およねさんが考案する《ひとり分の分量で》《最小限の工程で》《最低限の洗い物で》...
打倒、借りパク民!「貸したもの返して」催促LINEの“角が立たない”お手本はこれだよ~
 人に貸したものを返してくれなかった時、催促するのは気まずいと感じる人が多いですよね。  どうしたら角が立たない伝...
げっ困った! 超苦手なカラオケに誘われたら…場の空気を壊さずに切り抜ける方法
 冬が近づいてきて、そろそろ忘年会のシーズン。忘年会の二次会といえば、カラオケが定番ですよね。でも、「カラオケ、苦手だか...
秋の京阪神「穴場あり」グルメ旅。外国人観光客にバレていない!? 胃で溶けるカツレツ、会館飲み…
 何もかも揃っているような東京に住みながら、関西でいただく食事はなんであんなにうまいのか。そんな気持ちにかられて、先日、...
「う、うまい…」秋の京都で“当たりだけ”グルメ! コッペパン天国から地元民太鼓判の街中華・餃子まで
 先日、遅めの夏休みとして京都を中心に旅行へ出かけました。京都は「ここが私のアナザースカイ!」と両腕を広げたいほど、大好...
ツンデレorガチ避け? つれない“たまたま”太郎についてゆきます!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
年末年始に増えるご不幸と葬儀。花屋が心底思う「後悔しない直葬」とは?
 寒くなり、アノ不思議現象がボチボチ起こり始めております。それは、年末から年明けにかけて頻発する「お亡くなり現象」。...