フジテレビ問題で物議…【弁護士解説】職場や取引先との飲み会、部下や後輩とトラブルにならない誘い方は?

コクハク編集部
更新日:2025-01-31 06:00
投稿日:2025-01-31 06:00

フジテレビの歴史的会見で注目された“接待要員常態化”の実態

 芸能界を引退した中居正広氏(52)の女性トラブルを巡って、幹部社員の関与が疑われているフジテレビ。トラブルが発生していた当日は、幹部社員ではなく「中居氏が女性を誘っていた」というが、そこに至るまでのフジの接待文化や女性が被害を報告後、1年半も“問題を放置”していた責任は問われている。

 1月27日に同局が開いた記者会見では、アナウンサーや女性社員を接待に同行させてきた歴史にも注目が集まった。フジテレビの遠藤龍之介副会長が、「女性を一人で差し出すケースは少ない」「男性もしくは年寄りの女性を同伴させるケースが多い」と話したように、接待の場に女性社員が参加するケースは常態化していた可能性が取り沙汰されている。

【こちらもどうぞ】《「年寄りの女性社員」って言葉引っかかるわ》 フジテレビ会見からにじみ出る“女性蔑視”の企業体質

接待文化に疑問の声

 だが、これはフジだけの問題ではない。記者会見を見た多くの人が接待文化に疑問の声を寄せている。

 SNSでは、

《お金に見合わない面倒とセクハラを受けるだけなので女性を接待の道具に使うのやめて》

《安全配慮義務違反もそうだけど、接待に駆り出された人たちはその時間分きちんと残業手当がついていたのか気になる #フジテレビ会見》

《時間外業務として飲み会の接待要員を社員にやらせてる時点でコンプラ言われる時代だよ》といった具合だ。

接待も通常勤務時間外の業務

 今後、取引先の会食などで部下や後輩を誘うときは、上司ならリスクが伴なうことも考える時代になった。民事訴訟に詳しい弁護士の山口宏氏が言う。

「2006年の会社法の大改正で、コンプライアンスという言葉が生まれ、以降は会社の法令遵守が厳しくなりました。接待も通常勤務時間外の業務ですから、本人が拒否すればハラスメントに当たります。性別は関係なく、本人が同意していても、本心は分かりませんし、上司や先輩に誘われたら断れないでしょうから…」

 山口弁護士によると、一部企業の対策として取引先が“昭和気質”の場合、宴会コンパニオンサービスを利用したり、会場をスナックにするなど、プロの女性に依頼し、女性社員を誘わないケースがあるという。

「料理は取り分けの必要がないコースにし、お酌はさせない。会社の方針を理由に、事前に『一次会で解散』を伝えておくなどコンプラを意識しています」

会食後に「嫌な思いをした」と相談されたら?

 それでも、会食後に部下や後輩から「嫌な思いをした」と相談されたらどうすべきか。

「問題の性質によりますが、刑事事件に発展してもおかしくない性的な相談なら、コンプライアンス部は当然、社内弁護士(社外弁護士から通報する制度を導入する企業もある)に繋ぎましょう。

 判断の難しい言動によるハラスメント事案であれば、言い分を聞いて受け止める。人事部などに報告を上げた上で、部内でしばらくは当事者もしくは部下や後輩を誘う宴会(取引先の接待を含む)を中止するなど対処が必要になります」(山口弁護士)

 昭和・平成・令和の文化が入り混じる現在、ハラスメントは論外だが、交流が難しい時代だ。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ライフスタイル 新着一覧


大谷の“一平ちゃん騒動”で不安 友人との金銭トラブルQ&A~弁護士解説
 ドジャースの大谷翔平(29)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したとして球団から今月20日、電...
【スナック超入門編】どんな場所?若葉印のホステスが実感する5大特徴
 みなさんは、そもそも「スナック」がどんなところかご存知でしょうか?  キャバクラやガールズバーとは何が違うの?...
高級クラブのホステス→ギャラ飲み嬢に 面識なしで突然10万円ギフトが…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「正しくないこと」が「美しくない」とは限らないと知った
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
松田聖子まさかの中大法学部を卒業! 通信制の学び直しで成功する人は?
 先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び...
瞬き厳禁! 春到来の歓びを表現する黒“たまたま”を見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スタレビの名曲が聞きたい!仏教と深い関係のある「木蓮」とその仲間たち
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ただいま卒業式や送別など春特有のイベント仕事で、いつにも増して花まみれの毎日...
“炎上常連”麻生さん級の「ルッキズム失言」していませんか?
 最近、よく耳にするのが「ルッキズム」という言葉です。政治家や芸能人が、何気なく言った一言で「ルッキズム発言だ」と叩かれ...
女の敵は女だから?忘れた頃にぼっ発する「専業主婦論争」をガチで考える
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  X(旧Twi...
職場の同僚ランチが苦痛すぎる…一人の時間を確保する4つの冴えた処世術
 業務内容へのストレスより、職場でのランチタイムが苦痛という人は多いですよね。正直、仕事で疲れているのに、休憩時間まで同...
離婚→シンママになり、心底よかったこと4つ 我慢は美徳っていつの話?
 世間では、離婚してシンママになった女性に対して「かわいそう」「大変そう」といったイメージがあるかもしれません。  で...
春まであと少し?
 残雪の甲斐駒ヶ岳を背にすっかり葉も落ちた葡萄畑  春まであと少しが意外と長い
春のお花と記念撮影にゃ! ウサギみたいなしっぽの“たまたま”
 きょうは、ウサギ君みたい! しっぽの短いにゃんたま君に出逢いました。  しっぽが短い猫は長い猫と比べると、臆病で...
ほっこり癒し漫画/第70回「すぷりんぐファミリー」
【連載第70回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
男と女の物語、だからこそ「娚」の当て字が使われた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「場所代は200円いただくわ」堅実というかケチ!名目別に徴収するママ友
 ママ友と仲が良いといっても、子どもありきの関係。価値観や金銭感覚など、すべてが合うとは限りませんよね。  中には、マ...