ゲッ…まだ「mixi」見てるの? 独身女2人の即レスに“意地悪な幸せ”を感じる上から目線の主婦

ミドリマチ 作家・ライター
更新日:2025-03-08 06:00
投稿日:2025-03-08 06:00

私は「ある下心」から養成所に入った

 ママ友間でよくある、夫や子供をダシにしながら、決定権をキャッチボールして結局立ち消えるような、ゆるふわなラリーに慣れてしまっていたせいで、この独身2人の前のめりでテキパキとした反応が逆に怖かった。
 
 ――まぁ、翠は、当時からそういうところあったか。

 早稲田卒の翠は、飲み会の幹事からライブハウスの予約、日程調整などを率先して請け負ってくれる、まさに仕事の出来る女って感じだった。

 mixiプロフィールには「某丸の内商社勤務」となっていたが、それも納得だ。そんな彼女が芸人の専門学校の同期だったなんて。というか、当時からなぜそこにいるのか謎だった。

 すみれはなんとなくわかる。センスがあって、純朴なお笑い好きが溢れていたから。

 …私? 私の理由は簡単。出待ちをするほどの芸人マニアだった。あわよくば彼らの彼女になれるかもという下心で入った。結局、狙っていた芸人さんには会うこともできなかったけど。

「意地悪な幸せ」を噛みしめる理由は…

 世界に足を踏み入れて分かったのは、芸人の男の子は、芸人の女の子を恋愛の視界に入れていないということ。戦友や飲み友から交際に至った芸人カップルはいれど、芸人の男の子と芸人の女の子同士の合コンなんてなかった。

 同期の友人に合コンを頼んでも、その芸人の地元の同級生やバイトの友人とばかり合コンをさせられた。

 …ただ、そのうちの1つで出会ったのが1歳年下の今の夫なのだけれど。

『了解。ひさびさに会えるのたのしみ』

 スマホを手にしてニヤニヤしていると、夫が私の顔を訝しげ見ていることに気づいた。愛が溢れる不安げなその視線――大丈夫、そんなんじゃないから。

 子どもたちの笑い声の中で、私は意地悪な幸せを嚙みしめた。

#2へつづく:早稲田卒、商社OLの私は「貧乏な夢追い人」とは違うの。誰よりも高い“現在地”は私だよね?】

ミドリマチ
記事一覧
作家・ライター
静岡県生まれ。大手損害保険会社勤務を経て作家業に転身。女子SPA!、文春オンライン、東京カレンダーwebなどに小説や記事を寄稿する。
好きな作家は林真理子、西村賢太、花村萬月など。休日は中央線沿線を徘徊している。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


白髪じゃないよグレイヘア 染める・染めないより大切なこと
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
有能でも「ママ」の肩書きに埋もれる現実。“報われない世代”が後輩ママにウザがられても助言するわけ
 タワーマンションが立ち並ぶ街・東戸塚に暮らす麗菜。現在は育休中であるが、復帰後もバリバリ働く予定だ。年収2000万超え...
バリキャリ→量産型主婦への変貌に愕然「仕事も結婚も…なんて無理だよ」心配ぶった“呪い”はもうウンザリ
 タワーマンションが立ち並ぶ街・東戸塚に暮らす麗菜。現在は0歳児の長女の育休中で、第二子を妊娠中である。先々を見据えてラ...
「専業主婦は文句ばかり」戦略的バリキャリママの主張。家庭と仕事、手に入らないのは“努力不足”でしょ?
 山森麗菜はタワーマンションが林立する街に暮らしている。  と、いっても豊洲や有明などの湾岸エリアでもなく、武蔵小...
そうそう、これが欲しかった。『リンネル』付録が大容量で使い勝手も良き♡ バッグは軽いほどいいですからね
『リンネル』2025年5月号の付録は、人気アウトドアブランド「コールマンの収納ポーチ付きバッグ」です。  大容量な...
「ただで済むと思うなよ」にゾッ! 距離を置きたくなるママ友の怖い言動
 今回は、距離を置きたくなった“ママ友の怖い言動”をピックアップしました。明るいママ友だと思っていたのに裏があったり、嫌...
タイプロ候補生で話題に…“歯ブラシ1時間”は有意義か?【歯科医監修】40代女性「正しい歯磨き」の方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
「ミルキー味の胡麻どうふ」はおやつかおかずか。誤解が生んだ美味コラボ、無限の可能性に震える!
 もっちり食感と香ばしさが魅力の胡麻どうふ。何となくとっつきにくい食材だと思っていませんか? 個人的にはちょっといい和食...
40代、このままでいいの? アラフォー女性が抱える漠然とした5つの不安
 40代になって「このままでいいの?」と悩みを抱える女性は少なくない様子。すでにプレ更年期に突入している30代後半の女性...
猫島の特設ステージにようこそ! “たまたま”の華麗な見返りに惚れぼれ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
雑草対策にもなるよ! ほっぽらかし園芸の超絶おすすめ草花は?【春植え付け編】
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋の仕事には、歩道や公園の脇に造成された花壇への草花納入もあります。その中には近隣も含まれ...
性悪“ルッキズム女子”嫌われる人あるある6選。見た目も大事だけど心がズキズキする…
 最近何かと話題になる「ルッキズム」。近年、美容医療が芸能人だけでなく一般の女性にとっても身近な存在になったせいなのか、...
渋谷はちょっと苦手になった更年期おばさん。着実に老化現象が進む予感!
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
自称・丁寧な暮らし派のいい嫁アピールLINE6連発!梅仕事に針仕事、新聞に毎朝アイロンがけまで…
 SNSを覗いてみると、「丁寧なくらしをする私はいい嫁アピール」が激しい投稿をよく見かけます。  そりゃあ、日々の生活...
Amazonで☆4つの高評価!「激落ちくん」お手軽価格&耐久性バツグンの神モップ“唯一”の弱点は?
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
気高きプリンスが降臨! 黒豹“たまたま”のお手入れは今日も完璧
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...