「R-1グランプリ」史上最年少優勝 友田オレが“早熟の天才芸人”である理由

更新日:2025-03-09 17:03
投稿日:2025-03-09 17:00

 “ピン芸日本一決定戦”「R-1グランプリ2025」(関西テレビ)が8日放送され、エントリー数5511人(過去最高)の中から、友田オレ(23)が、霜降り明星の粗品(32)が持っていた最年少優勝記録(26歳)を破り、23代目王者の栄冠を手にした。

 決勝戦ファーストステージに挑んだのは、ヒロ・オクムラ(35)、チャンス大城(50)、田津原理音(31)、ハギノリザードマン(40)、ルシファー吉岡(45)、吉住(35)、さや香新山(33)、友田オレ(23)、マツモトクラブ(48)の9人。

 7人の審査員の採点により、1位=友田オレ(662点)、2位=ハギノリザードマン(655点)、3位=田津原理音(654点)、の上位3人がファイナルステージに進出。ファイナルステージでは、7人の審査員のうち、5人が友田オレに投票し、友田の圧勝だった。

 友田のネタは2本とも歌ネタで、1本目は「辛い食べ物節」。2本目は「ないない音頭」。

 1本目のネタに関して審査員も絶賛だった。

「シンプルイズベストで見やすい。ずっと面白く、抜け目がなかった」(佐久間一行)、「歌詞で大したこと言ってないのに笑ってしまう。構成が見事だと思う。かなり緻密に計算されている」(バカリズム)、「(96点をつけたが、それは他とのバランスで考えてのことで)笑った度合いでいうと98点くらい」(小籔)……。優勝後の寸評でも、審査員の陣内智則は「癖になる中毒性があった。新たな才能に期待したい」と称賛した。

■優勝しても涙はなし

 友田オレは、芸歴わずか3年目の超新星。早稲田大学のお笑いサークル出身で、在学中に「ABCお笑いグランプリ」で決勝進出。その後、友田が若手芸人所属第一号となる“非お笑い系”の芸能事務所「GATE」に所属となり、今回の栄冠を手にした。

 優勝が決定した瞬間の第一声は「ウソでしょ!」。

 しかしそこに涙はなかった。優勝後の会見でも、記者の質問に大喜利的回答を連発し、笑いを誘った。ベテラン芸人がお笑い賞レースで優勝した際に見せる歓喜の涙とは対象的に、会見の場をクールに笑いで支配していた印象だ。それは、「M-1」に2年連続優勝した「令和ロマン」に通じるものがあった。 

 目標にしている芸人を問われても、「これまでモデルがないような独自の道を行きたいですね。もうずっと逆張り逆張りで生きてきたんで。この人カッコいいなと思ってもぐーっと(そこから)ズレる生き方をしてきたんで」とケムに巻いた。

 お笑い評論家のラリー遠田氏はこう話す。

「盛り上がる学生お笑いに憧れて、その世界に入ってきた『学生お笑い第二世代』と言ってもいい存在です。品があって、歌も上手く、しっかりしたパッケージの中に、微妙に外したネタを入れる卓越したセンスがあります。こうしたネタは、外すポイントが少しでもズレるとスベってしまうものですが、サジ加減が絶妙なので、それがプロの審査員の目から見てもわかったのでしょう。粗品さんが『R-1』で優勝した時も似たものを感じましたが、早熟の天才、ニュータイプと言っていいと思います。今後の活躍が楽しみです」

 多士済々の実力派芸人を一気に破ったニューヒーローの誕生だ。

  ◇  ◇  ◇

 近年、活躍が続く「学生お笑い」の世界については、関連記事や写真をご参照ください。

エンタメ 新着一覧


小栗旬主演「人間失格」が描くデカダンスと女優3人の“艶技”
 甘美な欲望に貪欲かつ忠実なオトナ女子にオススメの作品を毎回紹介しています!
路線図を見て萌える 「腐鉄子」が楽しめる濃い演劇は超満員
 鉄子とは、鉄道好きな女子のこと。腐女子とは、BL好きな女子のこと。そしてこの2つの趣味が”合体”したのが腐鉄子という存...
内藤みか 2019-05-09 06:00 エンタメ
名脇役 故・佐々木すみ江さんが演じた“もう一つの母親像”
 さる2月17日、肺炎のため亡くなった女優・佐々木すみ江さんをしのんで、4月13日(土)から19日(金)まで東京都中野区...