「R-1」さや香・新山や吉住らベテラン勢はなぜ負けた? 売れっ子は予選で有利、決勝で不利な理由

帽子田 芸人、ライター
更新日:2025-04-09 09:48
投稿日:2025-04-08 06:00

芸歴3年目の友田オレが優勝

 最もおもしろいピン芸人を決める「R-1グランプリ2025」(フジテレビ系)が3月8日に開催された。決勝常連組やベテラン芸人、既に他大会で成績を残している強者たちを抑えて、芸歴3年目の友田オレが王者に輝いた。

 今回のR-1グランプリを現役のお笑い芸人はどうみるか。かつて年間100本以上のライブに出演し、自身もライブ主催者の経験もあるという帽子田(仮名)は以下のように考察する。

【関連記事】審査員・粗品とM-1審査員の決定的な違いは? 忖度しない芸人ゆえの「ブレない目線」と「ムカつかれる覚悟」

売れっ子芸人が並んだ今年の「R-1」

 今年のR-1決勝進出者は、お笑い好きから見ると「バランスがよい」という感想だった。若手からベテランまで、漫談や一人コント、映像を使ったものなどネタ幅も広いメンバーが揃っていた。友田オレの優勝は文句なしで、ネタも面白かったし、平場も堂々としていて眩しいくらいだった。

 友田オレは今をときめく「早稲田大学お笑い工房LUDO」という学生お笑いサークル出身だ。今後お笑い芸人になりたければ勉強して強豪お笑いサークルがある大学に入る、というルートが正統派になるかもしれない。なにはともあれ、素晴らしい優勝っぷりだった。

 僕はもちろんR-1も毎年楽しみにしているが、一般の友人からは「R-1には知っている人が出ないから興味が持てない」との声も聞いたことがある。

 だが今回は、テレビでの露出も多いさや香・新山やチャンス大城、決勝常連組ながらも人気の高い吉住もいたので、お笑いファンでなくてもちょっと興味を引かれるようなメンバーだったのではないかと思う。

 しかし、ふたを開けるとさや香・新山や吉住などの売れっ子芸人たちの評価が思ったより振るわなかった。僕が思うに、今回は「売れている」ことが最大のデメリットになる大会だった。

さや香・新山、吉住らベテラン勢は不利?

 そもそも二人のネタがどうだったのかというと、個人的にはとても面白かったし、他の出場者と比べて明らかに劣っていたということは全然なかった。

 ただ、審査員が二人のネタを評価する時に、「想像を超えてこなかった」というようなニュアンスの発言をしていて、残酷な言葉だなと思ってしまった。

 すでに売れていて、テレビで普段のネタやキャラクターがばれており、面白いのに「想像を超えない」という理由で評価が下げられるなんて、そりゃ友田オレのように若い初登場の芸人がかなり有利になってしまう。

 同じく最近露出が多いチャンス大城さんはネタのイメージがないので、その点で「想像を超えない」という評価にはつながらなかったのだろう。実際「想像もできない」ネタだったというのもある。

帽子田
記事一覧
芸人、ライター
別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


『あんぱん』津田健次郎に演技賞を差し上げたい。東海林の“最後”が完璧だった。ひとつだけ残念だったこと
 東海林(津田健次郎)の訪問からほどなくして、琴子(鳴海唯)から手紙が届く。そこには東海林が上京した本当の理由が書かれて...
桧山珠美 2025-09-13 11:30 エンタメ
『有吉の壁』ブーム期待も…人気キャラの“展開”に冷めた視線。番組の過剰な介入で萎えるファンの複雑心理
 日本テレビ・水曜7時からの人気番組『有吉の壁』(日本テレビ系)。なんとこの10月でレギュラー放送開始から5年半を越える...
『あんぱん』お色気や国民的アニメの時代、のぶの行為に子供は喜べるのだろうか
 のぶ(今田美桜)は八木(妻夫木聡)の会社で子どもたちに『あんぱんまん』の読み聞かせをすることに。だが、子どもたちは興味...
桧山珠美 2025-09-13 11:30 エンタメ
『あんぱん』あれっ、今“あんぱんまん”って言った? 開始2分で誕生。嵩の創作の苦悩が見たい
 嵩(北村匠海)は再び“おじさんあんぱんまん”の絵を描き始め、物語はほぼ完成する。原画を見つめながら、嵩の話に耳を傾ける...
桧山珠美 2025-09-13 11:35 エンタメ
【芸能クイズ】伊東市長で話題の東洋大学、フワちゃんは卒業済み。では同大学出身“ではない”有名人は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
中島裕翔がJUMP電撃卒業。退社か残留か…山下智久、赤西仁、中島健人らの活動から“今後”を考察する
 8月28日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下、SE社)は、Hey! Say! JUM...
こじらぶ 2025-09-07 11:45 エンタメ
『あんぱん』手嶋治虫をも魅了するのぶ、魔性の女では? ヤムおんちゃん「老けたな」が届かない若々しい美貌
 蘭子(河合優実)が柳井家に草吉(阿部サダヲ)を連れてくる。久々の再会に大喜びののぶ(今田美桜)たち。そのころ、手嶌(眞...
桧山珠美 2025-09-06 12:30 エンタメ
これぞロック! YOSHIKIのパクリ騒動、文句を言って何が悪い? “寛容”を強制する世間への反撃
 人気アニメ『ダンダダン』の劇中歌に対して、《何これ、XJAPANに聞こえない?》と自身のX(旧Twitter)に投稿し...
堺屋大地 2025-09-06 11:45 エンタメ
芸人の結婚で“ガチ恋”離れが加速中。非モテ「マユリカ」中谷は救世主となるか
 芸人の結婚ラッシュがやってきている。メイプル超合金・カズレーザーと二階堂ふみの結婚をはじめ、令和ロマン・松井ケムリやは...
帽子田 2025-09-04 11:45 エンタメ
「あんぱん」やなせ氏がいじけてないか心配になる。誕生秘話は史実なの?
 週刊誌の漫画コンクールのページを目にした嵩(北村匠海)は、のぶ(今田美桜)に勧められ、その懸賞に挑戦することに。 ...
桧山珠美 2025-09-03 18:26 エンタメ
福山雅治 騒動で見えた「イケメン」の賞味期限。木村拓哉のプレゼントは許されたのか
『女性セブン』<激震スクープ 福山雅治 女性アナ不適切会合 フジテレビ報告書 独占告白70分>には、驚きました。 ...
吉沢亮が「国宝」級に美しい…隠れた名作5選。伝説級漫画の実写化で見せた“危うい”笑顔にゾクッ
 歴代邦画実写史上第2位となる興行成績を叩き出している『国宝』。このままの勢いで、歴代最高成績さえも残してしまいそうな同...
zash 2025-09-22 13:26 エンタメ
「あんぱん」ヤムおんちゃん登場! “じいさん”呼ばわりがちょっと切ない…。のぶや嵩とはどう再会する?
 ラジオドラマ「やさしいライオン」は、たくさんの人の耳に届いていた。しかし、登美子(松嶋菜々子)の反応が気になる嵩(北村...
桧山珠美 2025-09-01 17:08 エンタメ
【芸能クイズ】山下美月は一級船舶免許。意外と多い“資格取得者”を検索できる事務所は?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
欅坂46から10年。平手友梨奈らの脱退・卒業、解散危機に改名…櫻坂46はいかに“最高地点”へ辿り着いたのか
 櫻坂46が8月24日、全国ツアー「5th TOUR 2025 “Addiction”」の千秋楽を終えた。愛知、福岡、広...
こじらぶ 2025-08-31 12:22 エンタメ
「あんぱん」羽多子の“夢”はヤムおんちゃんの影響ですか? 予告にチラリと映る姿にも歓喜!
 のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)は引っ越しをして羽多子(江口のりこ)と同居生活を始める。そんな中、電話に出た羽多子が、...
桧山珠美 2025-09-13 11:33 エンタメ