商店街で「縄張り荒らし」騒動が勃発! ムキムキお兄さんを近隣おじさまと奪い合う…顛末はいかに

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2025-04-30 06:00
投稿日:2025-04-30 06:00
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女一匹の“ほぼリアタイ”ドタバタルポです。
 商店会は末端社会の縮図。次から次へと巻き起こるトラブルや人間関係は、どこぞの職場や家庭で見たような光景ばかりで…。

お隣の大規模商店会、実は縄張り荒らしをしてました…

 春だ春だと思って浮かれていたら、あっという間に初夏。中年になると月日は秒で過ぎゆくものっぽい。ポンコツ商店会も再出発からもうすぐ1年。今ではいっぱしの商店会っぽくなってきており、イベントを開催したり、会員同土で交流(飲み会)したり、結構いい感じの組織になっている。近隣商店街とも交流し、みんな親切だなあとありがたく思っていたら、意外な事実が判明し…。

  ◇  ◇  ◇

 先週から、町内のジムに通い始めた。トレーナーは親切なムキムキのおに一さん。トレーニング前の世間話で、私がこの地域の商店会会長であること、このジムの隣人たちも商店会会員であることを話すと、

「うち、ついこの前、商店会はいったんですよー」とムキムキさん。
「え、このジムってうちの商店会エリアですけど、どこの商店会に入ったんですか??」と私。
「まじですか!? 駅前の商店会に入ったんですけど、あれ?ちがってました!?」

 ムキムキさんの話だと、申込の際、駅前商店会のおじさまから、エリアに関することを軽く言われたが、「正会員ではなく準会員であれば問題ない」と、入会に至ったそうだ。その際、こちらの商店会の存在は一言も聞かされなかったとのこと。

 駅前商店会のおじさま、結構えげつないなぁ……通常、近隣商店会では、暗黙の了解でエリア外の事業者の入会はお断りするもの。まぁこの時勢、どこの商店会も新規会員は貴重だから、黙って入会させる気持ちもわからないではないけど、隣の商店会って大規模なんだし、ここまでガッツかなくても――。

【初回はこちらから】“幽霊商店会”から「相談がある」と突然言われ、会合に出てみると…何!ナニ!!なにー!!!

お隣の商店会に入会してしまい、申し訳なさげなムキムキさん

 このムキムキさん、ボディービル的な大会でも優勝したりするレベルのビッグボディーなお方なんですが、性格はお優しく腰も低め。パーソナルトレーニングも丁寧で、地域でも評判の人気ジム。

「も、もしかして、入り直した方がいいですか?」ムキムキさん、焦ってる様子。

「実は、駅前の商店会施設を借りてイベントやらせてもらったりして、すでに結構お世話になっちゃってるんですけど一、やばいですかね?」ムキムキさん、真面目。

「いやいや、変に角を立てるのもよろしくないので、もうそちらの商店会はそのままの方がいいと思いますよ! うちの商店会には無理して入らなくても大丈夫ですからー」と私。

「そうですか…なんか知らなくてすみません」なぜか、ムキムキさんが謝る。

 この話って、謝るべきはムキムキさんじゃないよね。自分の商店会のエリア外だとわかって入会させた方に問題あるんだし。

この話、自分の胸に収めるか? 誰かに相談するか?

 ムキムキさんとのトレーニングが終わり、この話の今後の展開をシュミレーションしてみた。

【想定1】床屋の角さんと元酒屋の助さんに相談→二人ともマジギレ。近隣商店会との交流はやめるべきだと騒ぐ。
【想定2】近隣商店会をまとめるブロック長に話す(言いつける?)→ブロック長の話の持っていき方によっては、お隣商店会と気まずくなるかも。ブロック長次第。
【想定3】お隣商店会のおじさまと直接話す→話の流れ次第で、ムキムキさんが微妙な立場になる可能性がある。プラス「新参商店会のくせに生意気」と思われる確率高し。話の仕方がキモ。
【想定4】とりあえず、今回は黙認し何もしない。また同じことが起こったらその時に話す。

 商店会活動って、まさに社会の縮図。昔働いていた会社で揉め事が起こったとき、同じシュミレーションをしたつけなぁ。さて、上記4つのうちどれを選択するか。

【想定1】は絶対ないな、面倒が目に浮かぶ。【想定2】は所詮チクリと捉えられてしまうから、これもダメ。【想定3】は商店会活動には適しているけど、なかなか難しい。【想定4】を選びたいところだが、それでいいのか…。

 なんにせよ、ムキムキさんが恐縮している状態を解決し、彼にメリットのある形が望ましい。

結局、令和の時代も頼れるのは「酒の場」

 こちゃこちゃと考えてみたものの、商店会同士のなんちゃらは、会員の人には関係ないことで、最終的に「ムキムキさんのモヤモヤを解消してあげたい」を一番に考えようと思うに至った。であれば…自分の性格上、やはり、【想定3】の直接対決がベストだろう。しかし…なんとも切り出しにくい一(泣)

 そういえば。確かこの時期、総会があるはず! 総会後の懇親会、つまり飲みの場でゆる一く話をしてみよう! 角を立てず、ムキムキさんにも火の粉が飛ばず、でも今後は同じことが繰り返されないよう、やんわりじんわり釘をさそう。って、そんな上手いこといくかわからないけれど、こういうことは所詮「酒の場」で話す方が良き。

「飲みニュケーション」は古いと言われるこの時代だけど、商店会活動ではまだまだ健在。そしてものすこく有効。

 後日の結果報告、お楽しみに。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

ライフスタイル 新着一覧


3万のフレンチ? 1カ月の食費ですけどー!心で泣いた“女子飲み”の誘い
 仲良くしている友達や、恋愛対象として見ていた人との会話で「私とは住む世界が違う……」と感じた経験はありませんか? 今回...
【45歳からの歯科矯正】歯科矯正の洗礼か! 頬がこけ、そして便秘に…
 総費用160万円かけてワイヤー矯正(表側)に踏み切った“40代半ば婦人”の歯科矯正ほぼほぼリアタイ体験談です。  今...
男性用のレース下着って知ってる?トム・クルーズと極道の「色気」の正体
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
やっぱりハブられてる? 飲み会に自分だけ誘われない理由と3つの対処法
 自分は仲良しだと思っていたグループで、自分以外のメンバーが飲み会をしていた…… なんてことが発覚したら、かなりショック...
察知できないから危険でヤバい!「ステルス地雷系の競わせ屋」の罠こわっ
 みなさんの周りには、どんなヤバい人がいますか? あ、いると決めつけてすみません……。でも正直、「この人、ヤバいな」とす...
縦も横もななめも…直線だけで造られた街の違和感と落ち着き
「なんだか不思議な風景だな」とファインダーを覗いたら、その理由に気がついた。  縦も横もななめも、すべて直線だけで...
私は佳代だよ、レイちゃんってかすりもしねえ! 関係が終わった決定打!!
 仲良しの女友達や意中の彼からのLINEでも、幻滅したり、縁を切りたいと思ったりすることはありますよね。  今回は...
40女スーパー銭湯でととのえず、ぴーちくぱーちくな先客にモヤった話
 スーパー銭湯が好きです。週末のランニングがてら、あちこちの施設に出向いております。広い湯船にざっばーん! からの~、サ...
まるで御神体のよう! 美しく雄々しい“たまたま”に幸せを祈ります…
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
どれくらい実践してますか? 家でできる環境にいいこと「7つの習慣」
 子供たちに限りある資源を残すためには、私たちの日々の努力が欠かせません。今回は、みんなが普段心がけている環境にいいこと...
胡蝶蘭はお祝い専用? 寺の住職から聞いた「お悔やみ花」としての需要
「つかぬことをお伺いしますが……」  猫店長「さぶ」率いる愛すべき我が花屋には、お客様から毎日のように“ちょっと困...
台無しなんですけど!家族旅行なのに「夫のイライラ言動」と4つの予防策
 世の女性の中には、せっかくの家族旅行中、「夫のイライラする言動」によって、楽しい雰囲気が台無しになってしまうケースも…...
“頑張り屋のメンヘラ”が「セルフラブ」という人生の処方箋を知りました
「セルフラブ」という考え方は、確実に私の人生に大きな影響を及ぼしています。  セルフラブについて学び始めた時「世界...
【にわか呑み鉄】電車とビール好きにたまらない「流鉄BEER電車」に参戦
 さる9月2日(土)、千葉県流山市で「電車好き」と「ビール好き」垂涎の1日限りのイベントが開催されました。  通常は入...
かつて入り浸った店も 横丁の思い出も時代と共に変わってゆく
 昼間の細い路地を軽装の観光客が闊歩する。  誰かにとってはノスタルジーでも、また違う誰かにとっては新鮮に映るんだ...
にゃんたま写真の成立には“たまたま”への愛のピントがマスト
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...