ジョブズもニーチェも散歩好き 64歳プロ童貞が「毎日同じルート」を歩くワケ

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2025-05-10 06:00
投稿日:2025-05-10 06:00
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳の時に仕事中心で働く生き方をドロップアウト。現在は悠々自適な老後(?)を送りながら、還暦過ぎの童貞としてメディアに登場して注目を集めています。今回のテーマは散歩の効能についてーー。

認知症の母と散歩した思い出

 Hello、本日も童貞なり。

 数年前、まだ母親と実家に住んでいた頃、毎日親子で1時間以上も散歩をしていた時期がある。

 当時の母は認知症を発症したばかりで、目を離すと勝手に家を出て徘徊してしまうもんだから、さすがに長時間歩かせれば疲れて徘徊をやめてくれるんじゃないかって思ったんだ。 

 期待通りにはいかず、しばらくひとり歩きは続いて、その母ももう施設にいるんだけど、なんだか習慣だけが残って、今も毎日ひとりで散歩をしている。56歳でデザインの仕事を完全にやめてから時間だけはあるから、午前と午後に散歩することもある。

 ところで、アメリカ国立がん研究所が65万人の10年間のデータを調べたところ、毎日25分間の「散歩に相当する運動」をする人は、運動不足の人より4年近くも長生きするんだとか。毎日10分のウォーキングでさえ寿命に2年の差が見られたそうだから、それくらい散歩の健康効果は絶大なんだね。

 ちなみに母は今、94歳でもうオレの顔も名前もわからないんだけど、やっぱり足腰だけはいまだにしっかりしているよ(笑)。

【読まれています】人生64年ずっと実家暮らしですが何か? 介護に看取り…「子ども部屋おじいさん」が至った境地

散歩とターンテーブルの共通点

 この連載の内容も散歩しているときに思い付くことが多い。宇宙からインスピレーションをキャッチしている…とか言うと胡散臭いけど、ひらめきとして降りてくる感じがするんだ。

 これまで生きてきた人生で吸収した、大量の情報や無駄な知識の断片が散歩中に頭の中で混じり合って、ある瞬間にひとつの文脈に気づく――これってDJやヒップポップのアーティストがさまざまなレコードの断片をリミックスして新しい音楽をつくり出す手法に似てない?

 だとしたら、オレにとっての散歩はDJのターンテーブルやミキサーみたいな、ナニカとナニカを掛け合わせるための「装置」みたいな存在なのかもね。

 ちなみに、毎日だいたい決まったコースを歩くようにしている。

 ときおり行ったことのない道を歩くと、知らないお店があったりして新鮮で楽しいんだけど、そんな日はなぜかインスピレーションが降りてこないんだよね~。見慣れない景色の中を歩くと、新しい情報を処理することに脳が忙しくなるからかな。

 そんなわけで、毎日のように飽きもせず同じ道を歩き続けながら、頭の中では布施明がカバーした「マイ・ウェイ」って曲の「信じたこの道を私は行くだけ」の一節が流れているんだ。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


コロナ禍で対応分かれた子どもの「付き添い入院」、骨身に沁みたのは…
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
見上げたら、ガラスの谷間の底にいて… 2023.5.15(月)
 深くて暗い地下からやっと地上に上がった頃には、じんわり汗をかいていた。 「ずいぶん来たな」と思って空を見上げたら...
テレビの音量は8、トイレ掃除は素手…理解不能な夫の実家の謎ルール!
 どんな家庭にも「我が家独自のルール」があるものですよね! 中には、他人には理解できない謎ルールもあるでしょう。でも、嫁...
すいかばかのレシピ~'23年<1>生産量ワーストの地で昆虫性のすいか作り
 4月の山梨県北杜市白州町。この地でひとり、こだわりのすいかを作る男がいる。通称「すいかばか」こと寿風土(ことぶきふうど...
心の中に「気が強い美女」を飼う効果 2023.5.14(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
自分を「幸せじゃない」と思う人に62歳の童貞が伝えたいこと
 キミは「プロ童貞」を知っているか──。コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん...
62歳の童貞・山口明が語る二刀流時代「大谷君より早かった」
 キミは「プロ童貞」を知っているか──。コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん...
ひとり旅のメリットとデメリット 正しく天秤にかけて楽しい時を!
 家族や友人、恋人など誰かと一緒に旅行をするというのは、経験したことがありますよね。でも、ひとり旅って経験したことありま...
子アリ夫婦のつかの間デートに“夜パフェ” 2023.5.13(土)
 GWはみなさん、どこかにお出かけしましたか? 我が家は遠方から義母が飛行機に乗って遊びに来てくれたんですが、連休前日に...
親切の押し売り問題どう乗り切る? しても・されても凹む人への処方箋
 相手の親切心を受け取らないって、すごく苦しいですよね。たとえそれが自分にとってありがたくないものだとしても、受け取らな...
誰も歩かない小道、誰もいない海 2023.5.12(金)
 誰も歩かない小道を進んで、誰もいない海を眺める。  プライベートビーチっていうとちょっと違う気もするけど、このひ...
千葉で震度5強 3.11から12年「まだ終わっていない地震」と専門家指摘
 東京近郊の人は11日早朝の「緊急地震速報」にヒヤリとしただろう。同日午前4時16分、千葉県南部を震源とした最大震度5強...
花咲く庭で発見! モテランキング1位“たまたま”をパチリ☆
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「友達の夫が正直嫌い」女の友情を壊さない付き合い方のコツ
 大好きな女友達の結婚を喜んでお祝いしたのも束の間、「どうしても友達の夫が好きになれない」と悩んでいる女性は意外と多いよ...
ヤバ、膀胱が緊急事態…知らぬは“地獄”行き!トイレを我慢する方法5つ
 誰しも一度は、トイレに行けない状態で今にも漏れてしまいそうになった経験はあるはず……。バスや電車、会議中やトイレのない...
買い物って「小さな判断」の連続なんだ 2023.5.10(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...