「アンパンマン」から山ちゃん降臨! あの挨拶が聞けたのは“子どもの日”のサプライズですか?

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-05-05 12:06
投稿日:2025-05-05 11:22

第6週「くるしむのか愛するのか」#26

 東京高等芸術学校に入学した嵩(北村匠海)は、受験の際に出会った健太郎(高橋文哉)と再会する。担任の座間(山寺宏一)から銀座に行って世の中を感じてこいと命じられた嵩たちは、さっそく銀座を散策。洗練された街並みと人々に心が躍る。

 一方、女子師範学校の2年生になったのぶ(今田美桜)は、指導に一層力が入る黒井(瀧内公美)から愛国心を叩たたき込まれるが、どこか腑に落ちない。そんなのぶに、嵩から手紙が届く。

【こちらもどうぞ】「あんぱん」一瞬のヤムおんちゃんに嵩は気づいたか? 寛の名言が“友蔵の俳句”並みに楽しみな件

【本日のツボ】

アニメ「アンパンマン」から、ヤマちゃん(山寺宏一)、降臨!

 ※※以下、ネタバレあります※※

 東京高等芸術学校の制服、かなり強烈です。東京ディズニーランドとかユニバーサルスタジオジャパンのキャストが着用するコスチュームかと思ったら、どこからか現れた健太郎が「ここの制服、スゴかね。殺し屋みたいっちゃもん…ばってん、俺が来たら大道芸人みたいに見えん?」と嵩に話し掛けていて、思わず笑ってしまいました。

 健太郎、補欠合格できてよかったですが、嵩にせよ、健太郎にせよ、京都の学校は落ちたのに、その何倍も難しいといっていた東京高等芸術学校に合格したというのはどういうことなのでしょう。京都の学校、見る目無さ過ぎでは!?
 
 嵩たちが学ぶ図案科の教師・座間晴斗として、ヤマちゃんこと山寺宏一が「おーはー」と登場しました。この挨拶にもクスッ。山ちゃんは「おはスタ」(テレビ東京)の初代MCでしたね。

「君らの将来は真っ白だ。何色に染まるかは君ら次第だ。デザインの学校に入ったからって、デザイナーになる必要なんてない。小説家でも、タップダンサーでもいいんだ…机で学ぶことは何もない。お前ら、銀座に行け! 世の中を、心と体で感じてこい。話はそれからだ」

 東京と高知、芸術学校と師範学校という違いはありますが、同じ教師でも黒井とは180度違う座間によって、自由を満喫する嵩と、軍国主義に洗脳されていくのぶ。同じ時代でもこんなにも違うものか、と。

 ところで、山ちゃんは、アニメ「アンパンマン」では、ジャムおじさん、チーズ、カバおくん、かまめしどんなど、さまざまなキャラの声を担当する大活躍ぶりです。そんな山ちゃんの登場、アンパンマンファンにとっては嬉しい限り。「子どもの日」のサプライズプレゼントとなりました。

どうみても嵩からのラブレター

 嵩が嵩子名義で出したのぶへの手紙に「のぶちゃん、いつか東京においで。ここには自由があるんだ。のぶちゃんと、銀座の景色を見たい」とありました。

 これって、どうみても嵩からのラブレターのように思いますが、のぶはまったく気づいていない様子です。いずれ夫婦になるというのがわかっていても、嵩の想いが早く成就しますように、と願わずにはいられません。

 一点、気になったのは、室長になったうさ子が新入生に対して、モジモジしていたこと。そこは黒井そっくりな口調で厳しく言ったほうが、1年前のうさ子ちゃんが、軍国教育であんなにも変わってしまったのか、とそのギャップがみえてよかったか、と。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」蘭子と豪の秘めたる恋に“過去の名作”を思い出す。河合優実は百恵ちゃんによく似ている
 縁談の返事をしに出掛けた蘭子(河合優実)を連れ戻したのぶ(今田美桜)に、蘭子は本心を明かす。季節は巡って秋になり、うさ...
桧山珠美 2025-05-01 19:16 エンタメ
なにわ男子・道枝駿佑は“肉食女子”から守られたのか?「キャスター」男性俳優陣が気になるよ
 芸能界広しといえども清純派と呼べるのは芦田愛菜だけ。長年、そう訴えてきましたが、今回の一件が図らずともそれを証明したの...
共亜事件は「虎に翼」のオマージュか。あんぱん、ブギウギの3人が同時代を生きている
 昭和11年、家族や嵩(北村匠海)に見送られ、のぶ(今田美桜)は女子師範学校の寮に入る。軍国主義の担任・黒井雪子(瀧内公...
桧山珠美 2025-04-28 18:40 エンタメ
「あんぱん」最後まで毒親だった登美子(松嶋菜々子)。去っていく彼女に問うてみたいこと
 受験したのぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)の明暗が分かれる。静まり返った柳井家で、寛(竹野内豊)たちに頭を下げる嵩。そこ...
桧山珠美 2025-04-26 12:50 エンタメ
春ドラマの評判を調査!『最後から二番目の恋』は令和の鬼渡?『あんぱん』『対岸の家事』の感想は
 2025年4月期も話題のドラマが続々スタート! 多すぎてどれを見るのか迷ってしまう…。そんな人のために忖度なしでドラマ...
「あんぱん」千尋(中沢元紀)は本当に良い子…史実どおりの展開なのか。しょくぱんまんのようなイケメンだ
 けんかした嵩(北村匠海)と千尋(中沢元紀)に、寛(竹野内豊)は改めて後継ぎはいらないと告げる。そして、何をしながら生き...
桧山珠美 2025-04-23 17:51 エンタメ
こうでなくちゃ! 志尊淳の正解を「恋は闇」で見た。いい人よりも“妖しい姿”に妄想が駆り立てられる
 新ドラマ「恋は闇」(日本テレビ系)の志尊淳が良きです。  前クールの「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった...
「あんぱん」なんて贅沢!今が旬、河合優実の“目で語る”表現力と色気に驚く。俳優・ソニンのEE JUMP感を消した演技も見事
 なりたい夢を見つけたのぶ(今田美桜)は、女子師範学校合格に向けて猛勉強をし始めるが、成績が思わしくなく頭を抱える。同じ...
桧山珠美 2025-04-21 14:23 エンタメ
怪演・市原隼人に「ヤバい超大物」2人が熱烈ラブコール。迫真すぎる“ガンギマリ”の演技がモテる理由か
 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)にて、盲目の大富豪にしてゾクッとする異様な雰囲気を放つ鳥山検校を怪演...
堺屋大地 2025-04-21 06:00 エンタメ
ラランド・サーヤは「名誉男性」なのか? お笑い界の“女すぎる”という悪口に思うこと
 ラランド・サーヤが参加するバンド「礼賛」が大阪で行ったライブで、痴漢行為が発生。被害女性がSNSで被害を訴えたことで発...
帽子田 2025-04-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」松嶋菜々子の“毒”さえチャーミングにする厄介な美しさ。ドキンちゃんにも見えてしまった
 8年間音沙汰のなかった登美子(松嶋菜々子)が突然帰ってくる。登美子に対してわだかまりが残ってはいるものの、自分の漫画を...
桧山珠美 2025-04-19 06:00 エンタメ
「あんぱん」登美子(松嶋菜々子)の登場が不穏…色っぽいけど。貴島中尉(市川知宏)は“あのキャラ”を意識?
 新聞社に出した漫画で賞金をもらい、ご機嫌の嵩(北村匠海)。一方のぶ(今田美桜)は、パン食い競走で転びそうになったところ...
桧山珠美 2025-04-17 16:02 エンタメ
カトパンへの嫌味に物議…新井恵理那は承認欲求のカタマリか、悪役を演じる聖人か?
 昨年3月、8年間出演して総合司会も務めていたテレビ朝日系の朝の情報番組『グッド!モーニング』を降板したフリーアナウンサ...
堺屋大地 2025-04-17 06:00 エンタメ
【募集】春ドラマ何見る? 面白かった&ガッカリを教えて!『最後から二番目の恋』『あんぱん』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「期待している」「面白...
笠松将、柳楽優弥を超えなければと思っていた。俳優業の“わからなさ”は「自分自身にビビッている感覚」『ガンニバル』シーズン2インタビュー
“この村では、人が喰われているらしい……”    2022年の年末にディズニープラス スターにて独占配信がスタートす...
望月ふみ 2025-04-15 06:00 エンタメ