おばさん、「ストロング系」缶チューハイを初体験。悪い予感は的中…若者世代に人気でも中年は敵わない

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-05-07 10:17
投稿日:2025-05-07 06:00

飲みやすさの裏に隠れた危険

 とはいえ、タダでもらった物はきっちり試したいおばさんスピリッツ。メーカーでいただいた4本の缶チューハイは、冷蔵庫で今か今かと出番を待ち構えていた。とある日「そろそろ飲んでみようか」と自宅で夕食を取る際にプシュリ。氷の入ったグラスに注いで、ゴクリ。

(あ、意外と飲みやすい…)

 チューハイはいわゆる柑橘系。味蕾が覚醒されたのか、20代によく飲んでいた味を思い出した。パッケージも味に合わせたのか爽やかで、ストロング=力強さなんぞ、微塵も感じさせなかった。そのまま立て続けに3本を飲み干して、気持ちよくなったところで寝室に向かった。

 翌朝。目覚めると二日酔いの感覚に襲われた。体が妙に熱く、頭がぐわんぐわんと回っている。

(…???)

ちくしょう、ストロング系め

 なんとか起き上がってアミノ酸アプリと、水をカブ飲みする。はて…私、昨日、どこかへ飲みに行ったっけ?? 気持ち悪さと戦いながら記憶を反芻すると、脳裏に3本のチューハイがホワンと浮かんできた。ああ、あれだ。ストロング系。やっぱり奴らは強かった。飲みやすさについ乗じてしまったけれど、アルコール9%はおばさんには適さなかった。

 そのまま期せずして、水を飲んで…横になってを繰り返す、二日酔いの1日に突入。たまたまこの日はデスクワークがメインだったので良かったけれど、もしコミュニケーションの仕事だったら…と思うと、背筋が凍る。とても平常で何かを話せる状態ではない。個人事業主にはあるまじき失態を犯していたかもしれない。ちくしょう、ストロング系め。

 たかが3本でも、缶ビールのアルコール度数が、平均すると1本あたり5%前後らしいので、ストロング系チューハイは単純に倍の破壊力を持つ。中高年にはどうしたって向かないので、もし飲むのなら1本まで。缶タイプの酒はアルコール度数のチェックを忘れずに。うっかりすると私のように貴重な1日を苦しんで過ごすことになりますぞ。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


仕事ができないけど愛される人の特徴5つ。ポンコツなのになんで?
 あなたの職場にも仕事ができないポンコツなのになぜか周りに愛されている人、いませんか? 今回は、仕事ができないけど愛され...
気は優しくて力持ちってこんな感じかな
 そして、  思わずほっこりしてしまうのはなぜ?  
ダークヒーロー参上! 木の上から睨みを利かせるアウトロー“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
息抜きは絶対必要!忙しいワーママが自分時間を確保する4つのアイディア
 世の中のワーママは、仕事や家事、育児と朝から夜まで大忙し! 自分の時間なんてほとんどありませんよね。しかし、人には息抜...
「糟糠の妻」の意味は? 出世しても〇〇してはいけないんだゾ
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
ほっこり癒し漫画/第85回「食べる! 食べるでござるーッ!」
【連載第85回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
酔っ払い同士の胸熱&ちょっと恥ずいLINE3選。きのこたけのこ戦争の和解にもおすすめ?
 人はお酒を飲むと日頃心に秘めている本音が出てきますよね。酔っ払い同士のLINEをのぞいてみると、本音同士の面白い会話が...
お互いの「子どもの共通点」に愕然。平凡になったのは元彼と私、どっち?
 新川崎の大規模マンションに暮らす真央。「量産型主婦」を自覚しているが、かつての真央はバリバリの個性派女子だった。そこで...
言われたくない! ただのオジサンになった「元彼からの一言」に怒りが…
 新川崎の大規模マンションに暮らす真央。量産型主婦を自覚しているが、かつての真央はバリバリの個性派女子だった。20年前の...
「浜崎あゆみみたい」って褒め言葉? サブカル女からママ友への小さな抵抗
 かつて京浜工業地帯を支えた巨大な貨物列車ターミナルだった新川崎は、今や「品川から3駅に住まう」などというまやかしのよう...
「奢る代わりに…」急に見せた“男”にドン引き! 仲良かった友達が苦手になった瞬間【LINE編】
 仲良くしていた友達と、LINEがきっかけで疎遠になった経験はないでしょうか? 「こんな人だったの?」という違和感から、...
「センスが悪い」ってモラハラじゃないの? かつての「センスがいい人」はどこに…
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
これは盲点…!カラオケ苦手な人が乗り切る必勝法。カギは「地元」にあり
 気づけばもう2024年も残すところあと少し…。なんか今年早くないですか?? こうやって時間は過ぎていくのかと思うと、本...
総額いくらなの!? 美的の「スキンケア大充実セット版」は韓国コスメの現物も入ってお得感100点満点でしょ
 毎回、付録違いのVer.を発売している美的。12月号は「スキンケア大充実セット版」を購入してみました。  話題の...
40代、職場で地雷女に?「ソフト老害」流行語大賞候補入り、“10のこじらせ言動”に要注意
 職場に一人でも老害と思われる人がいると、雰囲気が悪くなってしまいますよね。2024年の「新語・流行語大賞」の候補には「...
「嫌われる話し方」5選。無意識にやらかしがちだけど、みーんなイライラしているかもよ?
「この人と話を聞くとなんかストレス溜まるんだよな」「会話していてなぜかイライラするの何で?」こんな風に、話していてモヤモ...