「地獄に堕ちてもいい」45歳主婦が不倫をする覚悟。義弟と決めた“愛し合うため”の3つのルール #3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-05-09 06:00
投稿日:2025-05-09 06:00

地獄に堕ちてもいい

ーー旅行はやっぱり無理かな? 伊豆あたりなら一泊で楽しめるよ。

ーーそうね…でも、今の家庭の状況を考えると旅行は厳しいの…ごめんなさい。

ーー僕は直美さんが好きだ…おそらく、アニキよりも愛してる。

ーー私も好き…ずっと一緒にいたい。

ーー直美さんと一緒なら、地獄に堕ちてもいい。

ーー地獄…?

ーーああ、時々思うんだ。全てを捨てて、2人だけでどこかの田舎町で生きていけたら、どんなに幸せだろうって。

ーーダメよ。娘さんだってお孫さんを産んだばかりなんだから…。

ーー娘には夫もいるし、近所にはアニキやオヤジたちもいる。認知症が進んでも、不動産収入は入るし、資産だってアニキが守ってくれている。僕らがいなくなっても、ちゃんと生きていけるさ」

 しみじみと告げる浩介さんを見ながら、直美さんは「この人と一緒に生きられたら、どんなに批難されても、地獄に堕ちてもいい」と思ったそうだ。

まとまったらお金を手にしたら…

 直美さんは語る。

「今、浩介さんと将来のことを真剣に考えているんです。まずお義父さんが死んだら遺産が入る。私は長男の嫁であるとともに、お義父さんの養女としての手続きもとっています。そして、浩介さんにも財産が入る…。

 まとまったお金を手にしたら、夫に離婚を切り出すか、何も言わず浩介さんと2人で見知らぬ土地に駆け落ちしたいなって…。

 私はパートでも何でも働くつもりですし、浩介さんには水道修理の技術がある。家族にとっては最悪の事態でしょうが、毒を食らわば皿まで。とことん地獄に堕ちる覚悟で不倫を続けています。

 明日のことなどわかりません。だからこそ今、浩介さんとの愛を貫きたいんです。私にとって、おそらく最後の恋愛になるでしょうね。どんな試練にも立ち向かうつもりです」

 そこまで言うと、直美さんは切なげに、しかし、幸せを滲ませながら微笑んだ。

 その表情には女の覚悟が宿っている。

「彼となら地獄に堕ちてもいい」と言える男性と巡り合った直美さん。

 筆者は、彼女の幸せを祈るばかりだ。

(了)

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


ねっちょりなぶりっこよりも強い? ドライな女性がなぜか男にモテるワケ
 サバサバしている男性よりも“漢前”でドライな女性は、周りの女性から「カッコいい!」と憧れられることが多いですが、実は男...
恋バナ調査隊 2023-10-24 06:00 ラブ
老後まで面倒見切れません!偏食に運動不足…健康管理できない夫にモヤッ
 子育てを終えた後の人生を考えると、夫婦で旅行したり、趣味を楽しんだり、有意義な老後を過ごしたいと考える人は多いですよね...
恋バナ調査隊 2023-10-23 06:00 ラブ
恋愛とキャリア、どっちも身の丈で両立させるにはどうする?
 仕事が大好きで、キャリアアップすることが何よりも楽しいと感じるバリキャリ女子。でも、恋愛面においては「どう仕事と両立し...
恋バナ調査隊 2023-10-23 06:00 ラブ
疲れたから寝るLINEを送ってきた彼と道ですれ違う?最悪な恋愛の思い出
 恋愛で得られるのは幸せだけではありませんよね。好きな人と付き合えたとしても、最悪な出来事に見舞われるケースもあるはずで...
恋バナ調査隊 2023-10-22 06:00 ラブ
整形美女との結婚話を破談にしたい37歳男、老いるほどいじるでしょ?
「冷酷と激情のあいだvol.165〜女性編〜」では、結婚の話が出ながらも、なかなか具体的な行動に進んでいかない恋人に悩む...
並木まき 2023-10-21 06:00 ラブ
美意識高い系40女、婚約者とのシラけた夜の生活に努力してるのになぜ?
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-10-21 06:00 ラブ
不倫沼に陥った女が失う「5つのモノ」友達 仕事 時間 自尊心そして…
 既婚者と不倫をすると、相手の家族を苦しめることになります。でもそれだけでなく、不倫をした当の本人たちが失ったものもたく...
恋バナ調査隊 2023-10-21 06:00 ラブ
遠野なぎこは食い逃げ被害2日後に新恋人…チャチャッと付き合う女って?
 女優の遠野なぎこ(43)が今月16日、自身のインスタグラムで《ルンッ♪が、ルンッ♪な事になりまして。 無事にアプリを退...
愚痴るの、待って!自分の恋愛相談を友達にしないほうが良い4つの理由
 好きな人とうまくいかないときや彼氏とケンカしたときは、つい友達に相談したくなりますよね。でも、相談することにはいくつか...
恋バナ調査隊 2023-10-20 06:00 ラブ
マッチングアプリの恋活要注意!「どこ住み?」は“ヤリモク男性”の手口
 コロナ禍以降、マッチングアプリで恋活や婚活をする女性が増加傾向にあります。真剣な出会いを求める男性ばかりならいいのです...
内藤みか 2023-10-19 06:00 ラブ
えっと、女の武器ってなんですか?さりげなくモテる人の4つのテクに学ぶ
 昔から女の武器を使ってモテる女子には、同性からも「ずるい」と批判の目が向けられてきました。でも、同性から好かれようとし...
恋バナ調査隊 2023-10-19 06:00 ラブ
マジ羨ましい…神のように優しい「神彼氏」の作り方とは?
 友達の彼氏がレストランで毎回ご飯を奢ってくれるって聞いて、「うちの彼、全然そんなことしないよな」と思った経験はありませ...
若林杏樹 2023-10-18 06:00 ラブ
付き合ってもソッコーで破局の謎…恋愛が短期間で終わるタイプの問題点
「好きな人と結ばれてもすぐに別れてしまう」。そんな悩みを抱えている女性もいるのではないでしょうか? 短命な恋愛ばかりだと...
恋バナ調査隊 2023-10-18 06:00 ラブ
貴女はどのディズニープリンセス気分?フェロモンジャッジ愛され香り術
 素敵な女性はいい香りがする――。  そう感じるのは、肌から放たれるフェロモンの効果。フェロモンが高まると色気だけ...
太田奈月 2023-10-17 06:00 ラブ
脳内で美化されてない? 元彼と復縁→後悔した女性とそのトラブル
 別れた彼に未練がある女性は復縁を望むでしょう。ただ、復縁しないほうが幸せになれるケースもあります。  元彼に復縁を迫...
恋バナ調査隊 2023-10-17 06:00 ラブ
夫の過去の嘘許せますか?交際人数盛り申告からマジで笑えない婚姻歴まで
 信用している夫に嘘をつかれるのは嫌ですよね。たとえ結婚前の過去の話だとしても、内容によっては不信感を持つでしょう。 ...
恋バナ調査隊 2023-10-16 06:00 ラブ