鈴木拡樹「40歳ってもっと貫禄のある年齢だと思ってた」30代からの変化と“大人”として目指すもの

望月ふみ
更新日:2025-05-20 06:00
投稿日:2025-05-20 06:00

劇団☆新感線に約7年ぶりの参加。今回の挑戦は?

――アクションにも期待ですが、鈴木さんは、みなさんのなかでも多くのジャンルを経験されてきています。劇団☆新感線へも約7年ぶり、2度目の参加です。

 舞台を踏むたび、毎回いろんなことに挑戦しています。劇団☆新感線では、前回『髑髏城の七人 Season月≪下弦の月≫』に出させていただきました。そのときはダブルチームで劇団☆新感線を知ることができました。今回は、向き合う時間もさらに多いですし、演出のいのうえひでのりさんが、どういう思考でシーンを組み立てていきたいのかに、前回以上に注目して稽古に臨めたらと思っています。

――いのうえさんの思考を体現するのが、今回の最大の挑戦になりますか?

 始まる前はそれが一番の挑戦かなと考えていましたが、それだけではないなとも思っています。劇団☆新感線のことはもちろん知っていたけれど、観に行こうというその一歩を踏み出せなかった方もいらっしゃると思います。それが、これだけ多岐にわたるジャンルの方々が集まっているということが、「この機会に」という一歩にもつながるといいなと。

 45周年の舞台に参加させていただく身として、この公演が次の50周年につながっていったら最高に嬉しいですし、劇団☆新感線の方にお世話になっているからこそ、自分たちが参加して残せるものは何かということも考えています。

NBA観戦から受けた影響とは

――鈴木さんご自身についてもお聞かせください。鈴木さんはNBA観戦がとてもお好きだとか。

 はい、今も観ています。

――なかでもアレン・アイバーソンとジェイソン・ウイリアムズがお好きだと。読者には知らない人も多いと思いますが、ふたりともアグレッシブなタイプで、特にアイバーソンは「セルフィッシュ」とも言われることも多いスターでした。

 鈴木さんは常に穏やかな印象ですが、スポーツ観戦となると、ご自身と異なるタイプが好きなのか、それとも鈴木さんの中にあるアグレッシブな面を刺激されるのでしょうか。

 まず自分のなかで、チーム競技の観戦が好きというのがあります。みんなで成し遂げるスポーツのほうが、個人的には盛り上がるタイプです。そしてアイバーソンは確かにセルフィッシュと言われることもありましたが、ギリギリのところで見せる力、圧倒的なカリスマ性がすごかったですし、チームを覚えてもらう“花形”でもありました。

 76ersにいたころは特に、プレーでの貢献はもちろん、それ以外の部分での貢献度も高かったと思います。

――オーラや華が素晴らしかったことも、好きのポイントだと。

 プロスポーツですから。勝ち負け以外で、チームに何を残せたかというところも大事なんじゃないかと思います。

――プロスポーツと演劇は全く違いますが、そうした面でご自身に重なって考えられる部分をあえて挙げるなら?

 チーム全体や公演を成功させるといったところは、徹しなければいけない美学だと思います。その中にも、自分の好みをきちんと残す。それをやれるかやれないかが、仕事、プロかどうかの違いかなと。観客に届くかどうかが大事ですから。

 アイバーソンも、ただ勝ち負けで試合をしていたわけじゃなかった。あれだけ自由に見えたけれど、やっぱり“プロ”だったと思います。あと僕に関して言うと、殺陣も、穏やかすぎたら成立しないかな。

望月ふみ
記事一覧
70年代生まれのライター(ときどき撮影)。映画やドラマ、タレント本などのエンタメ関連記事を執筆。現在はインタビューが中心で、月に20本ほど取材。ねこ検定上級、2級愛玩動物飼養管理士取得と愛猫家街道をばく進中。

X

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


BLACKPINKの再契約なるか?「7年目のジンクス」結末に4つのシナリオ
 世界的なK‐POPブームの昨今。「コクハク」読者の中にも、K-POPにハマっている方も多いのではないでしょうか? ...
2023-11-09 06:00 エンタメ
「マイホームヒーロー」を嗜む!なにわ男子高橋“俳優武者修業”に高好感度
 すっかり忘れていました。佐々木蔵之介(55)の存在を。最後の独身大物俳優などと言われ、過去には、小野真弓や丸山桂里奈な...
大和玲子(蒼井優)の戒名に「礼」と「優」、位牌の細部にまで抜かりなし
 スズ子(趣里)たちは、大和礼子(蒼井優)が出産後に病院で亡くなったと知らされる。スズ子はお別れの会で、大和が梅丸少女歌...
桧山珠美 2023-11-03 14:30 エンタメ
スズ子のナレ出世、股野のナレ求婚…感動のシーンを描いて欲しかった!
 昭和12年、スズ子(趣里)が香川から戻ってきて3年。梅丸少女歌劇団は、秋山(伊原六花)のタップダンスとスズ子の歌を二本...
桧山珠美 2023-11-01 15:37 エンタメ
SMILE-UP.(旧ジャニ)俳優部の演技&将来性、飛躍の片鱗見せたの誰?
 嵐の二宮和也(40)がSMILE-UP.(旧ジャニーズ)からの独立を発表しました。  中丸雄一、山田涼介、菊池風...
スズ子出生の秘密に迫る香川編、ナニワの至宝&大地真央のヅカ同期が登場
 スズ子(趣里)と六郎(黒崎煌代)のふたりは、梅吉(柳葉敏郎)とツヤ(水川あさみ)の故郷である香川を訪れる。スズ子が小学...
桧山珠美 2023-10-28 06:00 エンタメ
平手友梨奈に平野紫耀ら事務所移籍組が躍動!俳優と歌手の二刀流はあるか
 平手友梨奈(22)が出演するドラマ「うちの弁護士は手がかかる」(フジテレビ系)が好評を博している。  平均世帯視...
こじらぶ 2023-10-28 06:00 エンタメ
魂のラインダンスに涙、涙…入浴シーンの「四季の宴」趣里、歌うまい!
 山寺でのストライキは団員たちの要求が全面的に受け入れられ、幕を閉じる。  山を降り、ようやくいつも通りの練習を始...
桧山珠美 2023-10-25 16:30 エンタメ
梅丸少女歌劇団による山寺でのダンスシーンはニュースになった“アレ”
 山寺でのストライキが続く中で、大和礼子(蒼井優)はスズ子(趣里)に自分の過去の話をする。両親に反対されて、縁を切ってま...
桧山珠美 2023-10-24 17:03 エンタメ
道枝駿佑“マイハル”の無表情は拙い?いいえ、ラストの笑顔のためだった!
 秋の新ドラマがスタートしています。いくつかチェックしましたが、ミステリーや考察ドラマって疲れて帰ってきた頭と体にはなん...
色恋に敏感なリリー、昭和8年が舞台の朝ドラに「百合」の描写は必要?
 大和礼子(蒼井優)はストライキをするしかないと言い出す。一方、橘アオイ(翼和希)は、お客様が大切だと言い、また、礼子が...
桧山珠美 2023-10-20 16:20 エンタメ
直撃!俳優・藤原大祐の恋愛観「告白するなら年上、1回目のデートで」
 10月20日から全国公開となる新感覚ホラー映画「リゾートバイト」。小さな島の民宿でアルバイトする大学生たちに様々な怪奇...
2023-10-20 06:00 エンタメ
【写真特集】藤原大祐を直撃! ここでしか見られない本編&未公開カット含む全29枚!!
                                        ...
2023-10-20 06:00 エンタメ
労働争議で板挟み…“スズ子の恩人”林部長役・橋本じゅんの意外な一面
 世界恐慌の波が押し寄せ、USKの賃金削減と人員削減が告げられる。一部の楽団員と新人の劇団員は解雇されてしまった。 ...
桧山珠美 2023-10-19 15:40 エンタメ
大和礼子(蒼井優)さまの箴言…誰にも負けないスズ子の個性とは?
 昭和8年。デビューから6年が経ち、スズ子(趣里)は脇役ながら劇団の中心メンバーとして活躍し、新人の教育係にもなっていた...
桧山珠美 2023-10-16 14:30 エンタメ
タバコの逢引き場面にズキュン!“喫煙イケメン”柳俊太郎にやられます
 コンプライアンスなるもののせいで、昨今のドラマはなにかと不自然なことが多いようで。  犯人が車で逃げるシーンで「...