中居正広氏vsフジテレビは法廷闘争で当事者が対峙の可能性も…紀藤正樹弁護士に聞いた

更新日:2025-05-14 17:03
投稿日:2025-05-14 17:00

 元タレント中居正広氏(52)がフジテレビなどの設置した第三者委員会による「性暴力」認定に反論、代理人弁護士を通じて関連する証拠の開示などを求めたと12日に発表したことについて、紀藤正樹弁護士(64)はX(旧ツイッター)を更新し、こう記した。

《性暴力の評価はともかく【中居氏が当初守秘義務解除を提案したが第三者委は『2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではない』と回答/中居氏は約6時間にわたってヒアリングに応じたがその発言要旨がほとんど反映されていない】は新事実》

 明けて13日、この件についての今後の見通しなど、改めて紀藤弁護士にコメントを求めたところ、以下の回答があった。

 ──中居氏サイドは第三者委員会の回答に納得できなければ、第三者委を委託したフジテレビを訴える算段なのでしょうか。

「現時点で、そこまでは決めていないでしょう。中居氏の弁護団は『一般的に想起される暴力的または強制的な性的行為は確認されなかった』と強い言葉で反論したとしていますが、中居氏側からの聴取だけで、すぐに訴訟を起こすほどの確証はないと思います。ですので、第三者委員会から、中居氏へのヒアリング記録が開示されるのを待ち、そこで中居氏に対して行った事情聴取と照らし合わせ、まずは聴取内容の裏付け作業を行っていく。そのうえで第三者委に話し合いなどで訂正や謝罪を求める。目指しているのは中居氏の早期の名誉回復だと思います」

 ──中居氏サイドは今月26日を回答期限としたとしていますが、第三者委の回答に納得できない、つまり中居氏の名誉回復がなされないと判断した場合は法廷闘争に出ることも考えられますか。

「その可能性もあると思いますが、中居氏への事情聴取との整合性が確認されれば、先に、第三者委報告書に対し訂正を申し立てていくことになるでしょう。損害賠償より何より、中居氏の名誉回復だからです。民事訴訟にするとすれば、中居氏サイドは絶対に勝たなければならない」

 ──争点は「性加害」があったのかどうか、でしょうか。

「性加害については事象への評価ですから、意見が分かれるところではありますし、『性加害』を裁判の主要な争点にするのは得策ではないと思います。第三者委の報告書では性加害の根拠として『WHO(世界保健機関)基準』としていますが、本当に性暴力と認定するだけの真実性があったのかは、被害者側からも事情を聞き、厳密な証拠を積み上げて争っていくことになります。中居氏は今回、第三者委の調査に対して、守秘義務解除を提案していたとし、第三者委員会の報告書と真逆のことを(代理人を通じて)主張しています。また6時間にわたってヒアリングに応じた発言の要旨がほとんど反映されていないとしている。どちらが正しいのか、むしろ裁判では、第三者委の手続き面の問題点を主張し、第三者委報告書の信用性を落としていく戦略をとるのではないでしょうか」

 ──中居氏ら当事者も出廷し、法廷でたいじする可能性もありますか?

「裁判となれば、守秘義務を理由に証言拒否はしにくくなります。ついたてなどでプライバシーへの配慮をして、当事者が出廷したケースはいくつもあります」

 法廷で白黒つけるところまでいくとすれば、中居氏とフジテレビ、被害女性の争いはこれからが本番といえそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 関連記事では『中居正広氏“反撃準備”報道のモヤモヤ…改革着々のフジテレビ尻目に「電撃復帰」への布石か』などもお目通しください。

エンタメ 新着一覧


シン・スズ子誕生!タナケンに「面白いね」と言わしめたヒロインの魅力
 喜劇「舞台よ! 踊れ!」の幕が上がる。タナケン(生瀬勝久)に稽古ですべてを受け止めると言われたとおり、スズ子(趣里)は...
桧山珠美 2024-01-19 14:45 エンタメ
タナケン(生瀬勝久)の決め言葉、「どうだろうね」に込められた真意
 スズ子(趣里)は、不安を抱えたまま喜劇王・タナケン(生瀬勝久)との舞台稽古を続けていた。  なんとかしようと、ス...
桧山珠美 2024-01-22 15:16 エンタメ
ブギウギ新章、タナケン役生瀬勝久の“顔芸”と「3枚の張り紙」が見もの
 小夜(富田望生)が付き人をやめると言って姿を消してから3カ月、愛助(水上恒司)は大学を卒業し、村山興業で働き始める。 ...
桧山珠美 2024-01-17 15:49 エンタメ
5年ぶり「おっさんずラブ」にコレジャナイ感?それでもいいと思うところ
 あの「おっさんずラブ」が5年ぶりに帰ってきました。2018年4月期にスタートした同作は、ピュア過ぎるおっさんたちの恋愛...
小夜(富田望生)の食い意地は国境を越えた!愛か、餌付けされただけか
 復学した愛助(水上恒司)は、スズ子の公演に触発され、いっそう勉学に励んでいた。  そして、公演が再開して以来、ス...
桧山珠美 2024-01-12 16:05 エンタメ
任侠ドラマ出演の高岡蒼佑様…小栗旬&芸能界批判に“かわいいチワワ”か!
 アウトローな役柄などで人気を博していた元俳優の高岡蒼佑。役者引退宣言をしていたものの、今年2月にリリースされる任侠ドラ...
堺屋大地 2024-01-11 06:00 エンタメ
朝ドラ名物の闇市、小夜の食い意地はタダモノじゃねえ!
 戦争が終わって3カ月、世の中の混乱は続き、スズ子(趣里)たちは未だ公演ができずにいた。  愛助(水上恒司)の病状...
桧山珠美 2024-01-09 14:50 エンタメ
歯に衣着せぬ小夜のキャラを生かしたブギウギ流「玉音放送」シーン
 終戦の日。スズ子(趣里)たちは巡業先の富山で玉音放送を聞く。りつ子(菊地凛子)は慰問先の鹿児島で敗戦を知る。  ...
桧山珠美 2024-01-08 15:50 エンタメ
原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ
辻希美&杉浦太陽はニベアのCM…仲良しラブラブ芸能人夫婦はお金を生む
 元モーニング娘。のなかで1番の勝ち組は、やっぱり辻ちゃん(辻希美)でしょう。  先日も元モー娘。の中澤裕子、保田...
スズ子と愛助の無償の愛、平和ボケの今とは違って生きるも愛するも命がけ
 東京に戻ったスズ子(趣里)は、空襲で一面ががれきになっている惨状を目の当たりにする。  スズ子が三鷹の家に戻ると...
桧山珠美 2023-12-28 14:10 エンタメ
東京大空襲、愛し合うスズ子と愛助の運命は…金曜放送回を前におさらい
 トミ(小雪)の許しが出て、山下(近藤芳正)が正式に楽団のマネージャーとして加わることになった。  スズ子(趣里)...
桧山珠美 2023-12-27 17:40 エンタメ