スナック的「キープボトル」のお作法。“チャンスボトル”のタイミングは本当に難しい…!

おくげちゃん 漫画家・イラストレーター
更新日:2025-05-16 06:00
投稿日:2025-05-16 06:00

”チャンスボトル”のタイミングは難しい!

 みなさんスナックといえば、最初に何を想像しますか? まずはレトロな看板、それからカラオケ。そして欠かせないのがキープボトルが並んだ棚。

 あのキープボトルって、どういうシステムになっているのでしょうか。今回は地味で愛おしい、スナックのボトルのお話。

  ◇  ◇  ◇

【神回の四コマ漫画】“会話下手”はそこがダメ! スナックママが指摘する「3:1」の法則とは?

ボトルネックの数だけドラマがある

 スナックでお酒を飲む場合、基本的には居酒屋やバーのように一杯ずつでの提供はありません。どのお客さんも基本的にはボトルキープしてもらって、そのお酒と割りもので楽しんでもらうことになります。

 それぞれのボトルには個性豊かなボトルネックという名札がかけてあって、キーホルダーをつけている人もいれば、推しているサッカーチームの名前を書いている人もいて、見ているだけでも楽しい。

 そして残りが少なくなっているものは、”チャンスボトル”と呼ばれ、からになって新しくボトルを入れてもらえたら、お店の売上になります。なので、このチャンスボトルをしっかり空けることもホステスさんの大事なお仕事なのです。

 しかし、ただ新しく入ればいいのかと言うとそうではありません。そもそもなぜボトルを入れてもらうかと言うと、足繁く通ってもらうため。もう来ない! と思われるような接客はできません。

 なので、ママやマスターはお客さんの懐具合や酔い方など、さまざまな情報から最善のタイミングで「ボトルが空きましたよ」と伝えるのですが、これが本当に難しい。場合によっては新しく入れても「支払いは次回で」なんてこともあったりします(もちろん信頼のあるお客さんだけ)。

とても大事な「ボトル」のお作法

 キャバクラやホストクラブで何本も高級シャンパンが空いてずら~っと並んでいる写真なんかもよく見ますが、スナックにはああいう派手なパフォーマンスはないし、札束が飛び交う煌びやかさもありません。地味な一本かもしれないけど、ネックのかかったボトルのどれもが、お店とお客さんを繋ぐ絆なのです。

 だから必ず、チャンスボトルの最後のお酒と、ニューボトルの最初のお酒は、お客さんに。これも小さなことかもしれませんが、とても大事なボトルのお作法です。みなさんもぜひマイボトルをキープできるスナックを見つけてみてください。

【登場人物紹介】

モジョ子:自信がほしい主人公。やっと少しずつ仕事に慣れてきて、先の行動を読めるようになってきた。
ママ:どろんぱのママ。厳しくも優しく女の子たちを見守る。並んだキープボトルを眺めて晩酌するのが好き。

おくげちゃん
記事一覧
漫画家・イラストレーター
酒呑みまんが家。ふしぎで妖しい話を描いています。就活が嫌すぎて3年間ドイツに逃亡するなど放浪癖あり。京都市出身、東京在住。水商売歴10年。XInstagramでは毎日漫画を更新中。実績などはこちら

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


セクハラに時間が解決?責任を負わない事なかれ主義者の無責任LINE3選
 波風を立てず、責任を負わず、誰かがどうにかしてくれると見てみぬフリばかりする「事なかれ主義」。  一見、平和主義...
見た目とキャラが合わないのは当然!悩んだときの考え方
「見た目の印象とキャラがだいぶ違うよね」と言われて、悩んだことはありませんか?  自分が周りに与える印象と実際の自分と...
夜明けとともに起きだしたコハクチョウの胸の内
「あ~! 眠いけど、きょうも1日がんばるかあ!」  なんて言ってたりして。今朝の自分のことだけど(笑)。  ...
SNSや現実でも…他人の容姿批判がやめられない人は2種類いる
 みなさんの周りに、他人の容姿(ビジュアル)についてうるさい人、いませんか?  私はそういう人を見るたびに「かわいそう...
バカにしてる、よね? 部下になめられる理由と上司が改めたい悪癖3つ
 キャリアアップはうれしいけれど、部下ができると「なんだかなめられている気がする…上司としての威厳がないのかな?」と新し...
いつだって癒しを提供…成長が楽しみな“たまたま”を愛でる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
そのあえぎ声、どこまでが本当ですか?
 素朴な疑問、と頭に付ければ何を聞いても許されるとは思っていないのだが、失礼を承知で、どうしても聞きたいことがある。 ...
落ち込んだらシーラカンスのことを考えるといいかもしれない
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
お正月にしめ縄って必要かぃ?「しめ縄」と「しめ縄飾り」の違いも解説
 今年もあと2週間を切りました。年末だというのにあまりの暖冬、ここ数日は少しは寒くなったものの更年期のワタクシは、本職の...
「女は見た目がすべて」の思い出に悶々…容姿いじりのトラウマの克服法
「女は見た目がすべて」なんて言葉が昔からあるように、男性よりも女性の方が外見を厳しく見られる傾向です。そして残酷なことに...
人生初のぎっくり腰なぜ発症? 40女の激痛を救った意外なコスメは…
 齢46、人生初のぎっくり腰になりました。腰が砕け、身動きがまったく取れない状態に陥るって本当にあるんですね。  デス...
韓国は「ひとり飯」ほぼタブー! おひとり様=みじめな人認定で苦労した
 ちまたでは『孤独のグルメ』(テレビ東京系)や『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京系)、『めんつゆひとり飯』(BS松竹東...
2023-12-19 06:00 ライフスタイル
自然の石を積んだ石垣でできた江戸時代から続く「棚田の村」
 見知らぬ土地で、山道を越えて現れた見事な石垣に圧倒される。ここまで積み上げる労力を想像すると途方に暮れるし、これが自然...
“たまたま”とももうすぐお別れ…去勢前のおやつシーンを激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
#2 友達の結婚、喜べないのはなぜ? 勝ち組を裏切りだと感じてしまう記憶
【#1のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、芸人の卵や音楽仲間と毎日飲み歩いている。高円寺はうんざ...
#3 結婚で“輪”から去る友人への寂しさ。心地よい独身生活で失ったもの
【#2のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、毎晩芸人の卵や音楽仲間と飲み歩いている。高円寺はうんざ...