コメディエンヌの才能爆発『トクサツガガガ』
女優・小芝風花の名前が一躍全国区になった作品と言えば、やはりNHKにて放送された『トクサツガガガ』(2019)でしょう。
本作の主人公は商社勤めのOL・仲村叶。表では‘‘できる女’’を装いながら普通に生活しているが、実は熱狂的な特撮オタク。「女は女らしく」と散々言われ続け育ってきた叶は、オタクであることを同僚や母親に隠しながら生きてきた。しかしそんな秘密を隠し通せない試練が彼女を襲う!
小芝さんといえば、やはりシリアスからコメディまでこなす幅広い演技幅が大きな魅力の女優でしょう。そんな彼女のことコメディセンスという点においては、間違いなく本作によって培われたものだと思われます。
劇中で小芝さんは、特撮オタクの‘‘あるある’’を巧みに演じ切って見せるのだが、その嫌みのない所作が織りなすコミカルな姿は、あまりにも自然体で、コメディエンヌとしての才能を遺憾なく発揮。そのキュートな魅力は、オタクだけにとどまらず、男女問わず多くの視聴者を惹きつけました。
まるでショー!『ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ』
小芝さんのコメディセンスが光る作品と言えば、2019年にテレビ朝日にて放送された『ラッパーに噛まれたらラッパーになるドラマ』(2019)も外せません。
本作は、ある日、突如として新種のウィルスが蔓延し、人々がゾンビになってしまった世界を舞台としている。さらに、あろうことか新種のゾンビに噛まれてしまうと、四六時中ラップを歌い続ける‘‘ラッパーゾンビ’’へと変貌してしまうという設定が盛り込まれてます。
小芝さんは、ラップ嫌いの主人公・稲穂みのりを演じます。ラップ嫌いの主人公が、ラッパーになりたくない一心で逃げ惑う様子が何とも小気味よく、そんなコミカル演技ととも、ゾンビから逃げ惑う鬼気迫る表情を同時に見せるあたりが、さすがの小芝風花! と拍手を送りたくなるほどの名演技。
さらに、特筆すべきは、茨城弁の使い分け。大阪府出身の彼女にとっては、あまり馴染みがないであろう茨城県の方言を、まるで地元出身であるかのように喋っている姿にはもはや脱帽。クライマックスではラップまで披露しており、もはや本作は「小芝風花の小芝風花による小芝風花のためのショー」だとも感じました。
小芝風花の出発点を再確認
初期から様々な役どころを演じてきた過去が、現在の小芝風花を作り上げているということを再認識するには打ってつけ。どんな場面にも対応できる引き出しの多さは、彼女が若い頃から培ってきた経験の賜物なのでしょう。
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