「喪服」迷子だった40代、ベストな一着に出会う。AOKIでもしまむらでもなく“あの通販”だった

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-05-21 06:00
投稿日:2025-05-21 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第31話は「喪服購入ラビリンス」。

喪服が入らない!

 地元に住む妹から、82歳の叔母がいよいよ亡くなるかもしれないと連絡があった。最愛の叔母が亡くなってしまうかもしれない事態に、物悲しさはある。その思いはまた別途綴るとして、緊急事態に気づいた。

「喪服が入らないかもしれない」

 中年女性であれば誰もが通る道だろう。未婚の私は嫁入り道具にはできなかったが、実家の母が今から20年ほど前に用意してくれた喪服セットはある。肩パットがしっかりと入ったボレロと、割とボディコンシャスなワンピースのセットだ。母には申し訳ないのだが、全身からバブルの香りが漂ってくる。祖父母やいくつかの葬儀では着たけれど、一昨年、友人の父の葬儀で着た際はパッツンパツン。喪服危機一髪状態で、動くたびに破損するのではないかと思いながら参列。とにかく早く脱ぎたかった。あの喪服を着る勇気も体も今の私にはない。

「喪服を新しく買い直そう」

 私の喪服購入ラビリンスが始まった。着る回数が限られているうえに、やけにマナーが求められる厄介な喪服。選ぶコツを掴んだら私でさえもうまく購入ができたので、参考にしてほしい。

【こちらもどうぞ】おばさん、「ストロング系」缶チューハイを初体験。悪い予感は的中…若者世代に人気でも中年は敵わない

黒色の波に襲われて

 叔母はこの1ヶ月が生死の別れ目になると聞かされた。つまり明日、来週、地元へ帰省することになってもおかしくはない。まずはインターネットで手っ取り早く購入できるサイトを検索する。するとどうしたものか。黒色のオンパレードに思考回路が迷子に…。喪服が黒なのは当たり前だけど、色がすべて同じだと多少デザインが変わっても同じような服に見えてしまう。うぬぬ。

 これは実物を見たら状況が変わるかもしれないと近所の『紳士服のAOKI』へ出向いても、やはり黒は黒。真っ黒の既視感は拭えない。しかもしっかりとした縫製なので、5万円以上するタイプが多く、これは無理だと退店。こういうときに強い量販店『しまむら』にも寄ってみたが、そもそも喪服の陳列が少ない。デザインは実家に置いてあるバブリー喪服のようタイプが多かったので、こちらもすげなく退店。どうしよう。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


おやつにワクワク♡ 猫の尻尾がピン♪ “にゃんたま”の勝利ポーズが尊すぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
子どもを思うほど胸が痛い…ひとり親家庭が抱える“見えない苦労”。差別や偏見とどう向き合う?
 2024年に離婚した夫婦の数はなんと18万組にのぼるのだそう。なかには「ひとり親家庭」となる人もいるでしょう。子どもと...
コンクリ貫通の生命力!「タカラジェンヌ」が由来の高貴なお花、寒さに弱いはずが“3度の冬”を越えたわけ
 今年の夏も暑かった!、我がお花屋の店先では、暑さにめっぽう強い見上げるほど大きく育った「南国生まれの貴婦人」が見ごろを...
効いてくれよ、スタバ1杯分! 更年期女がすがる心のお守り。すべてはプラシーボ効果と気づいても
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
この夏もやらかした! 女たちの“反省エピ”7選。「自分史上最も夏を無駄にした」「大出費でクレカを直視できない」
 毎年のことながら、終わってから「もっとこうしておけば…」と思うのが夏休み。今年も例に漏れず、反省を抱えたまま日常に戻っ...
「逃げたら干されるぞ」若手芸人が踏み込んだ“後戻りできない”選択。大金と引き換えに失ったキャリア
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。  現在は清浄化...
「我が子を可愛いと思えない」産後に心が壊れかけた経験談。私は母親失格だ…なんて思わないで
 出産してから「なんだか最近自分が自分じゃないみたい」などと異変を感じている人は、先輩方の声を参考にしてみるとよいかもし...
義母「うちの子そっくり」にザラつく…。“孫フィーバー”の裏、無視され続けた嫁の叫び。私は透明人間じゃない!
 私の友人サエ(32歳・銀行員)が第一子を出産したのは昨年の冬。待望の赤ちゃんが誕生し、夫婦で新しい生活を始めた矢先、彼...
芸術の秋!美少年“にゃんたま”の曲線美と薔薇にうっとり♡ まるで絵画みたいじゃない?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
騙された!一見“仕事デキる風”…でも実は? 有能ぶったLINEにご用心。“能ある鷹”の逆パターンも
 世間では仕事ができない風に見えるLINEを送ってくるのに、実は超有能な人材だった話もよくあります。その一方で、本当は無...
【漢字探し】「鰯(イワシ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
母が急病、社長の「帰りなさい」に涙…一生ついて行くと決めたLINE3選。元カレの言葉にホッ
「この人だけはどんな自分も受け入れてくれる」「この人だけは失いたくない」など、絶対的な信頼や必要性を感じる人に出会えると...
【マジかよ】ごま油×ミルクコーヒーに反響。老舗メーカーの“推しレシピ”にネット困惑「ヤバそう」「勇気でない」
「金印純正ごま油」などで知られる老舗メーカー「かどや製油」。企業公式X(旧Twitter)が2025年10月1日に投稿し...
「夜職だって立派な仕事」それ、本気で言ってる? 水商売への “本心”に気付いてしまったスナック嬢の独白
 最近は本当に“キラキラ夜職”が表に出る時代になりましたね。が、私は本当に危ないと思っています。 「そんなことない...
私が『愛の、がっこう。』に重ねた親との苦しい関係。振り返ってわかる“完璧じゃない”からこそ得られたもの
 フジテレビ系で放送されたドラマ『愛の、がっこう。』を観ながら、ふと「わたしの親も、今で言えば“毒親”だったのかもしれな...
スター猫になれるかな? 夢見るハチワレ“にゃんたま”の練習風景をチラリ☆
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...