「20年モノのフライパン」がかっこいい? 貧乏戦線に異状あり!

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2025-06-14 06:00
投稿日:2025-06-14 06:00

貧乏は21世紀のパンクか

 思い返せば、オレが10代だった1970年代の後半にも同じようなことがあった。

 当時の音楽業界は産業として巨大化した最盛期。その頃のロックスターといえば派手で高額なファッションを身にまとい、美女に囲まれて大邸宅に住んで、高級車を乗り回すみたいなイメージ。そんな業界への強烈な力ウンターとして登場したのが「パンク」と呼ばれるムーブメントだった。

 破れて穴の空いたTシャツやジーンズを身につけ、テクニックを否定するかのようなプリミティブというか、今風に言えば“ヘタウマ”な演奏。

 金持ちでテクニカルな演奏を得意とするロックスターたちが逆立ちしても真似できない突き抜けた表現は当時の若者を魅了して、一瞬にして「貧乏」「かっこいいもの」に変えてしまった。

 時代を経てパンク自体も過去のものとなってしまったけれど、アンダーコンサプション・コアのトレンドは21世紀に生まれた“新しいパンク”と言えるのかもしれないね。

 このまま貧乏がオシャレでカッコイイとされる世の中になってくれたほうが、正直オレみたいな無職の貧乏人にとっては助かる。

「すべての人が金持ち」な世界になったら何が起きるんだろう。使い切れないほどのお金を持ったときに人が考えることって、意外とバリエーションがないような気がするんだよ。

 大豪邸を何軒も所有して高級品を買いまくり、プライベートジェットやスポーツカーを乗り回す。エアコンの冷・暖房をガンガン使用して大量の二酸化炭素を排出し続ける。

 おいしいものは食べたいけど美しさは保ちたいと美容医療なんかが今以上に進化するかもしれないし、それが行き過ぎると不老不死を求めるようになる人が続出したりして。そんなことを続けていたら環境破壊のスピードは加速して、世界は破減にまっしぐら――。

 そう考えると、金に物を言わせて大量生産や大量消費を繰り返すよりも“貧乏目慢”が世間から共感されるような社会こそ、人類が生き残る唯一の選択肢のように思えてくる…なんて飛躍しすぎかな(笑)。それではBye Bye、次回も夜露死苦!!

【アキラのオマコラ(オマケコラム)】

 そこそこ何でもうまくこなせて周囲からは便利がられるけど、ひとつのことに集中できずに結局は成功しない人のことを「器用貧乏」と呼ぶのに、高倉健さんのように不器用なブランディングで成功した人のことを「不器用金持ち」とか言わないのは不思議だよね。

 そんな高倉健さんが映画で演じてきたヒーロー像は女性に対してハードコアにストイックなキャラクターが多いけれど、今改めて見るとただ「好きな女性に奥手な童貞」という設定にも見えるのはオレだけ?

 童貞って不器用の極みですからね~。童貞戦線、本日も異状なし!

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


食べたいものを食べるって意外と難しい 2023.6.14(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
結婚5年子なしで不妊断定の過干渉にイラMAX!職場の深入りLINE3選
 あなたの周りには、人の「プライベート」に関する質問をズバズバ聞いてくる人はいますか? 人には「パーソナルスペース」があ...
「絶対いらない」便利グッズ5選 いいね! に乗っかり買っちゃったけど…
 100年前から比べると、時代はどんどん便利になっていますね! 今日も日本中で便利グッズが生み出されています。でも、中に...
ワイヤー矯正装着2週間、バゲット食らうコツを取得 2023.6.13(火)
「冷やし中華はじめました」の張り紙に心踊る今日この頃。「歯科矯正はじめました」の46歳女が、矯正中の食事について綴ります...
ポケモンカード強奪事件で私がとった行動 息子と上級生宅に乗り込むと…
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
尊い! カリカリタイム中の3つの“たまたま”が青空に映える~
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ひとりでもふたりでも 夕暮れ時の過ごし方 2023.6.12(月)
 カップルもおひとりさまも、気持ちよく生きられる社会になったらいいな。  いま相手がいるからって、来年も一緒にいる...
「独身に飽きた」40代女の本音、不安の中でも日々を充実させる方法6つ
 40代で独身を貫く女性たち。充実して優雅な生活をしていそうなイメージですが、実は「独身に飽きた」と感じる人もいるようで...
「1年後の自分」はまるで別人かもしれない 2023.6.11(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
恋愛もセックスも「コスパの悪い幻想」と気がついた若者たち
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(62)。多忙な現役時代を経て、56歳...
「別に」のレス連呼で一抹の不安よぎる…反抗期の子供あるあるLINE3選
 子育ては大変ですが、可愛い寝顔や「ママ大好き」の言葉に癒されて、明日も頑張ろうと思えるもの。ところが、ある時突然、可愛...
子宮失ったら性交渉は?子宮頸がんサバイバーの更年期障害と性欲と男問題
 42歳未婚で突然、ステージ1B1期の子宮頸がん宣告。悪性度が高いとされる「子宮頸部腺がん」の疑いで、5年前に「広汎子宮...
2023-06-22 18:41 ライフスタイル
【無印】今までのはなんだった?機能的&高コスパのキッチン用品みっけ!
 無印良品のキッチン用品は、どんなスタイルのキッチンにもマッチするシンプルで機能的なデザインが魅力ですよね。物価の値上が...
どんな人にも使える!万能な「励ましテクニック」のコツは視点の切り替え
 友だちが落ち込んでる時、みなさんはどうやって励ましますか? おいしいものを食べに行ったり、話を聞いてあげたり……。 ...
ねえねえ、お弁当ちょーだい! 2023.6.9(金)
 人懐っこい奈良の鹿たち。狙いはやっぱり……。 「ねえねえ、どこから来たの? お弁当ちょーだい」 「コラっ!...
自分時間は“秒”レベル! 忙しい主婦が行う「人に言えない」家事手抜き術
 世の中の40代女性は仕事に家事に育児にと、とても忙しいですよね。毎日きちんと家事をこなしていたら、自分の時間なんて1分...