「あんぱん」のぶの“愛国キャラ”と頑固さにウンザリする視聴者続出…“ヤムおじさんロス”の追い撃ちも

更新日:2025-06-04 17:03
投稿日:2025-06-04 17:00

 演出と分かっていても、NHK連続テレビ小説「あんぱん」のヒロイン・のぶの強烈な愛国キャラに辟易する視聴者が出始めているようだ。

 今作は「アンパンマン」の原作者・やなせたかしとその妻・小松暢さんをモデルにし、のぶと崇が幼馴染という設定に変更されるなどの史実とは異なるドラマオリジナル作品だ。

 今田美桜(28)がヒロインののぶ役を演じているが、女子師範学校に入学し、愛国心に目覚めて以降、特に他者へ自身の価値観を押し付ける描写が目立っている。

 自身に好意を寄せる柳井崇(北村匠海)から赤いバッグをプレゼントされた際には、「こんな贅沢なものに使うお金があったら、献金すべき」と突き返し、愛する豪(細田佳央太)の戦死を告げられ悲しみに暮れる妹・蘭子(河合優実)には、「命を懸けて戦った豪を立派だと言ってあげなさい」と言うなど、歴代朝ドラの中でも珍しく“愛国の鑑”に振り切ったヒロインである。

 そんなのぶに対し、視聴者からは《のぶの周囲への押し付けが酷いよね。ここまで共感できない主人公は初めて》《どんどん主人公嫌いになるー!のぶ腹立つー!主人公以外はみんな好きなのにー!》という反応が示され始めている。

■豪の戦死だけじゃない人気キャラの退場

「ひときわ愛国心が強いヒロインを描くのは、そこからのぶがどのように変わり、成長していくのかという布石として描かれている側面もあるでしょう。あの時代ではのぶのような人は実際に多かったと考えられますし、のぶの人物造形はむしろリアルと評価する声も上がってはいます。ですが、検索エンジンで『あんぱん のぶ』と入力すると、サジェスト機能で『嫌い』『苦手』という言葉が並ぶなど、時代背景としては理解できていても、どうしてものぶに共感できないという視聴者が一定数いるようです」(ドラマ制作関係者)

 さらに第10週では、とうとう崇も戦争に出征すると予告されており、ストーリーが大きく動き始める中で、のぶの愛国心も少しずつ変化を見せていくことが予想されているが……。

「特にここ数週で、豪の戦死や、崇の叔父である寛の死、戦争の辛い経験を吐露し、朝田家から姿を消したヤムおじちゃんなど、人気キャラクターが続々と離脱していることもあり、『あんぱんを視聴するのが辛い』という声も上がり始めています。視聴率の大幅な下落はありませんが、のぶの行きすぎた愛国心を省みるシーンなどがこれから出てくれば、視聴者の見方も変わり、好印象に逆転する可能性もあるでしょう」(同)

 また史実とは異なる崇とのぶの幼馴染設定にヤキモキしている視聴者もいるようだ。

「暢さんが戦前、お見合いで6歳年上の小松総一郎さんと結婚していたことが、昨年、高知新聞社の記事で判明しています。なので、のぶと次郎さんの結婚は史実通りではありますが、崇と幼馴染として育ち、互いを大切に想っている描写がありながら、唐突に次郎との結婚を決めたようにもドラマでは見えました。崇とのぶの恋を応援していた視聴者にとっては、がっかりした展開になっているようです。また史実通りであれば、戦後に暢さんはやなせさんと再婚しており、今後の展開が読めるいわばネタバレ状態。それが興醒めする要素となっている側面も否めません」(同)

 史実とフィクションがうまく絡み合った良作という評価もある。今後の展開次第で、のぶが視聴者の心を取り戻すこともできそうだ。

  ◇  ◇  ◇

「あんぱん」の放送で、やなせたかしさんをめぐる遺産にも注目が集まっている。関連記事【もっと読む】やなせたかしさん遺産を巡るナゾと驚きの金銭感覚…今田美桜主演のNHK朝ドラ「あんぱん」で注目…では、アンパンマン作者の金銭感覚について伝えている。

エンタメ 新着一覧


【おむすびにモヤっと】受験勉強“離脱”からいきなり管理栄養士4年目、娘8歳。最終章残り2カ月なに描く?
 結(橋本環奈)は管理栄養士として、大阪新淀川記念病院の栄養科で働き始めて4年目を迎える。職場には栄養科長の塚本(濱田マ...
桧山珠美 2025-02-03 17:20 エンタメ
「あさイチ」で緒形直人次男・緒形龍にも目を奪われた!美容男子を輩出するファミリーの底力
 まだ2カ月も残っているというのに、すっかり離脱組が多くなってしまったNHK朝ドラ「おむすび」。数少ない見どころがこの人...
【最新回の朝ドラおむすび】モヤモヤだらけの脚本で役者魂見たり。緒形直人のギャルピースは最高だった
 SNSでインパクトのある発信をしたおかげで、新たな客がやって来て、活気づくさくら通り商店街。そんな折、翔也(佐野勇斗)...
桧山珠美 2025-02-01 06:00 エンタメ
中居正広芸能界引退の一方で、評価を上げ続ける木村拓哉は何を思うのか。“正統派アイドル”好敵手との別離
 1月23日、元SMAPでタレントの中居正広(52)が、昨年末から報じられてきた女性トラブルにより引退を発表した。テレビ...
こじらぶ 2025-01-31 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】ナベさん(緒方直人)宅で「また、ここんちの子と遊んどるんか」の台詞に違和感モヤっ
 歩(仲里依紗)は、生前の真紀の声が入っているカセットテープを見つけて、孝雄(緒形直人)に聞かせる。それを聞いた孝雄は、...
桧山珠美 2025-01-31 17:02 エンタメ
芸人の「聖人化」に潜む危険性。バッテリィズ・エースに「いい人」を押し付ける風潮が心配だ
『M-1グランプリ2024』(テレビ朝日系/以下M-1)で準優勝を果たし、一躍ブレイクしたバッテリィズ。人気が急増し、メ...
帽子田 2025-01-29 06:00 エンタメ
馬場ふみかが年下男子・佐藤瑠雅に感じた「大人」の部分は?『アリスさんちの囲炉裏端』で共演、初恋話も…
 同名の人気コミックをドラマ化した『アリスさんちの囲炉裏端』(Lemino/BS-TBSほか)が放送中。10年ぶりに東京...
望月ふみ 2025-01-28 06:00 エンタメ
しれっと復帰した中丸雄一、良い人キャラの「アパ不倫」はダサすぎない? 共感性羞恥を煽るエピソードの数々
 昨年8月のアパホテル不倫スキャンダルで謹慎していましたが、約5カ月の活動休止期間を経て活動再開することを、1月3日に発...
堺屋大地 2025-01-28 06:00 エンタメ
【おむすびにモヤっと】結ちゃん不在2週目。米田家、居候たちの部屋割りはどうなっているのか?
 結(橋本環奈)は、歩(仲里依紗)やチャンミカ(松井玲奈)がやっている古着ショップに泥棒が入ったことを翔也(佐野勇斗)に...
桧山珠美 2025-01-31 16:57 エンタメ
2025年冬ドラマ「火曜放送枠」はイケメンが大量発生!最大の楽しみは…
 冬ドラマがスタートしています。皆さまもうお気づきでしょうか。火曜が凄いことになっていることを。ゴールデンから深夜まで、...
【おむすびにモヤっと】歩の音痴設定が消えたご都合主義。未視聴でも困らない1週間だった
 ひみこ(池畑慎之介)が米田家の面々を一斉に呼び出し、チャンミカ(松井玲奈)の店を襲った強盗犯は歩(仲里依紗)だと言う。...
桧山珠美 2025-01-25 06:00 エンタメ
キンプリ永瀬廉が菊池風磨超え!? 主演ドラマ「御曹司に恋はムズすぎる」ポンコツナルシストのギャップが圧巻
 2025年冬期ドラマが順次スタートした。King & Prince・永瀬廉(26)が主演を務める「御曹司に恋はムズすぎ...
こじらぶ 2025-01-25 06:00 エンタメ
THE RAMPAGE藤原樹、日本酒擬人化ドラマで「違いの分かる大人になりたい」メンバーへのクレームも告白!?
 THE RAMPAGEの藤原樹さん(27)が連続ドラマ初主演を務める『あらばしり』(木曜24時59分~、読売テレビほか...
望月ふみ 2025-01-23 06:00 エンタメ
『東京サラダボウル』松田龍平の発音に異議あり!中国関係者のリアルな声
 1月よりスタートしたドラマ「東京サラダボウル」(NHK)。「クロサギ」の黒丸による同名漫画を原作とした本作は、外国人犯...
【おむすびにモヤっと】ヒロイン不在中にやりたい放題? スピンドラマでも歩の言動に高低差ありすぎ
 ルーリー(みりちゃむ)は、歩(仲里依紗)が東日本大震災で被災した人たちに何ができるか今も悩んでいることを愛子(麻生久美...
桧山珠美 2025-01-22 17:30 エンタメ
“国内唯一”弁護士芸人・こたけ正義感に刮目! 話題沸騰ライブ『弁論』は「袴田事件」ネタで度肝を抜かれた
 弁護士芸人・こたけ正義感(38)の単独ライブ「弁論」が話題となっている。かつて年間100本以上のライブに出演し、自身も...
帽子田 2025-01-22 06:00 エンタメ