今さら「バリキャリ」にならなかったのは“自己責任”と言われましても|トイアンナ『えらくならずにお金がほしい』

トイアンナ ライター・経営者
更新日:2025-06-22 06:00
投稿日:2025-06-22 06:00

「働き方改革」でまるっと女性の労働環境は変化した

…という黒歴史からの、2016年の女性活躍推進に、2019年の「働き方改革」。女性の労働環境はまるっと変化しました。

 おいおい、2012年に私が総合職になると言ったときは、同級生から「もしかしてご実家にお金がないの? 大変ね…」と同情されたことまであるんだぞ!

 かつて、キラキラ女性の憧れ雑誌『VERY』は専業主婦としてハイスぺ夫と結婚し、趣味半分の自宅サロンを開いて、売上の責任を持たずやりがいだけ手に入る“サロネーゼ”になるのが勝ち組! という価値観でブームを巻き起こしました。

 それがさあ、突然路線変更して、ワーママ共働き推しになったときの衝撃ときたらよ…。

 サロネーゼブームのときに専業主婦を選んだ女性は、ノースキルのまま主婦をやって40代も後半。ここからどうやって憧れのパワーカップルになれっていうのさと。

「女性像」の犠牲になった今の40〜50代

 世間が求める女性像の犠牲になったのが、今の40〜50代です。若い頃にキャリアを志せば女の席はないと言われ、それでも必死ではたらきたいと思うなら独身覚悟。

 セクハラ、パワハラをかわしつつ後輩からは「あんなキツい性格だから結婚できないんだよ」「ああはなりたくないよね」と言われるのをぐっとこらえ、いざ昇進のチケットを手にしたと思ったら、部下の世代は3割が女性管理職となるらしい。

 そこで素直に「わあ、女性の仲間が増えてうれしい!」とだけ思える方もいるでしょうが「あの苦労はなんだったのか」とガックリくる感情だって、同時に湧き上がるのが自然というものです。

 女性の権利が拡大するのだから、かつて自分のキャリアを切り拓いた女性たちなら大手を振って歓迎するに違いない! というのは、女性を一枚岩の生き物として見すぎでしょう。

トイアンナ
記事一覧
ライター・経営者
 慶應義塾大学を卒業後、P&GジャパンとLVMHグループにてマーケティングを担当。同時期にブログが最大月50万PVを記録し、2015年に独立。主にキャリアと恋愛について執筆。近著に『二訂版 就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』(KADOKAWA)、『弱者男性1500万人時代』(扶桑社新書)など。noteでは会社組織でサバイブするための方法が手に入る「会社サバイバル論」をメンバーシップで連載している。
note 

ライフスタイル 新着一覧


いじめてる? 抱きしめてる? 君たちにはどう見えるか?
 どちらにみえるかは、そのときの自分の心の持ちようで見え方が変わりそう。  きっと、それって狛犬だけの話じゃなくて...
ストレスで声が出ない…急遽ソロ参戦した夫の「親子遠足」で学んだこと
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
猫島の美しい光景…探検ごっこで美少年“たまたま”が見張り番
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「嬲ると嫐る」“本家”はどっち?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
肩こり・腰痛 マッサージに行けない時のホームケアグッズ3選
 パソコンなどの座り仕事の方は肩こり、腰痛、眼精疲労などに悩まされている人が多いのではないでしょうか。  私もこの...
彼の浮気タレコミにも“無”、冷たっ!合理的な人から届くLINE3つの特徴
「合理的」とは、明確な目標があり無駄がない様子をいいます。  特に仕事では、合理的な人がとても高く評価されますよね...
流鉄・幸谷駅で発見!「猫のコーヒー」自販機で出合った癒しの紙コップ
 千葉県の松戸市と流山市を結ぶ、6駅しかない小さなローカル線、流鉄流山線。常磐線と武蔵野線につながるJR新松戸駅への乗り...
ほっこり読み切り漫画/第62回「おとこまえ ダンシ会」
【連載第62回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
少し冷たくなった空気 気候の変化と人間の進化の夢と現実
 天気はよくても空と運河の青が寒々しい。向こうに見える高層ビルに入ったオフィスは、きっとガンガンに暖房を効かせているんだ...
見事!家事育児丸投げ上司を黙らせた ナイフ張りにキレッキレなLINE3選
 思ったことをはっきりと発言する人は、「きつい人」と誤解されやすい傾向にありますよね。  でも、嫌味を感じないほど...
寿司か、シミ取りレーザーか。
 ストリッパーの仕事は10日単位である。会社員時代は7日単位で、そのうちの2日は休む習慣だった。だから10日なら3日くら...
男性同士は褒め合わない?男女で全く違う「褒め文化」の話
 先日、友だちが彼氏とケンカして家出し、我が家にやってきました。とにかく怒ってたので話を聞くと、「私は彼氏を褒めるけれど...
1泊14万円 天国にふさわしい館「ハレクラニ」に泊まってみた
 旅行でハワイに行くとなったら、まず始めに「どこのホテルにするか問題」が浮上します。ラグジュアリーな海向きのホテルにする...
ポカポカ毛布の上でたまたまを披露!初々しさにきゅん♡です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
いい夫婦? 出会った頃と見た目が変わっても変わらないもの
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
葬儀代は減り、ペットのお悔やみ花は“予算度外視”…弔いは何で図る?
「ありましたっけ?」。今年の秋もそう思うぐらい短こうございました。異常に長い夏は11月のはじめまで続き、いきなりの冬……...