「超人でないと子育てと両立できない」なんて、そんなバカな|トイアンナ『えらくならずにお金がほしい』

トイアンナ ライター・経営者
更新日:2025-06-24 06:00
投稿日:2025-06-24 06:00

子育てへの情熱が過剰では?

 特に最近は、子育てに対してやる気がありすぎないか? と思うことがあります。

 私の子が通う区立の保育園すらリトミックにモンテッソーリと流行りの育児法を取り入れており、買えるおもちゃは知育の品だらけ。どこにも「そこそこ、いい感じに教育しておきますんで」というグッズはありません。

 近所を歩けば小学校受験に向けた幼児教室と、インターナショナル保育園が並ぶ。クレイジーです。

 ここまで情報を与えられると、「子供へ早くから英語教育をしない自分は悪いことをしているのではないか」とか「ごめんね、インターナショナル保育園に入れられる学費を稼げない親で」と感じる親も出てきます。

 そりゃあ、林間学校と修学旅行くらいは行かせてあげたいけれど、残りは家庭それぞれじゃん、とはならないのです。

追い詰められる母親たち

 この、子供の教育に対する過度な期待値が、ゆくゆくは「幼少期に保育園へ子供を預けるなんて親失格だ」といったバッシングにつながりうるわけで……。

 SNSではたとえば、「子供に外見コンプレックスがあるのに、整形させてあげない親は毒親」なんて言説も出てきており、ルッキズムならぬ育児ズムとして問題視しています。

 超人でないと子育てができないというのは、超人でないと「世間が褒めてくれるような、ちゃんとした子育て」ができないということです。

 虐待は言語道断ですが、その外にあるものは家庭によりけり。

 たとえば私は「子供が5歳になったとき『生まれてきてよかった』と思う子に育っている」ことだけを子育ての目標にしているわけですが、どんな小学校に受かるかより、生きていく上でのスタンダードはそんなもんでよくないか? と思っています。

トイアンナ
記事一覧
ライター・経営者
 慶應義塾大学を卒業後、P&GジャパンとLVMHグループにてマーケティングを担当。同時期にブログが最大月50万PVを記録し、2015年に独立。主にキャリアと恋愛について執筆。近著に『二訂版 就職活動が面白いほどうまくいく 確実内定』(KADOKAWA)、『弱者男性1500万人時代』(扶桑社新書)など。noteでは会社組織でサバイブするための方法が手に入る「会社サバイバル論」をメンバーシップで連載している。
note 

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


出産で疎遠に…結婚後に態度が変わる女友達の特徴&無理しない付き合い方
 学生時代に仲の良かった女友達も、結婚した途端に疎遠になってしまったというのはよくある話です。どうせなら、結婚しても長く...
発達障害グレーゾーンの長男が憎い…ある一言で私の何かがプツンと切れた
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
パーフェクト“たまたま”の精悍&クールな眼差しに痺れちゃう
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ゴールデンボンバーの「女々しくて」は言い得て妙だった!
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
LINEのない生活は無理!父の死、仕事の失敗、自分の病…心が救われた話
 仕事で大きなミスをして落ち込んだり、大事な人を失って悲しんだりと、気持ちが沈んでしまう瞬間がありますよね。そんなとき、...
他人の不幸は蜜の味でも不倫より「よろめき」のほうが風情があっていい
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
義母が若すぎるとこうなるのか!介護の心配もジョークで交わせるって素敵
 年下の男性と結婚した場合や、夫の母親が若くして出産している場合には、若すぎる義母が誕生するケースがあります。中には、義...
ほっこり読み切り漫画/第59回「ボクは君で、君はボク」
【連載第59回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「「しっ...
「たかが、ものもらい」じゃなかった 30代女、霰粒腫の手術をしました
 先日、眼科で右目のまつ毛の生え際にあった“しこり”の切除手術をしました。「たかが、ものもらい」と思っていたのですが、こ...
久々に会ったペルシャ料理店の友人は変わらず元気だった
 お互いにいい歳。出合った頃より額は広くなったし、シワも増えた。  そして、なぜだか年々服装がハデになっていくんだ...
木下優樹菜はイチャイチャ公開…子の将来に悪影響を及ぼす母親の恋愛は?
 元タレントの木下優樹菜(35)が“アクセル全開”、SNSの投稿や出演番組があれやこれやと話題になっている。  た...
子供の言葉遣いが悪い時はどうすれば? 考えられる4つの原因
 子供が保育園や小学校に通い出すと、悪い言葉遣いを覚えて帰ってきます。また、悪い言葉遣いはSNSや動画サイトなどからも大...
“たまたま”の日常♡ この写真にぴったりな名前を選んでニャ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
コクハク専属ライバー コクハクリーダーズ第1期生を大募集!
 日刊ゲンダイが運営する女性webメディア「コクハク」では、メディア制作に協力してくださる「コクハクリーダーズ第1期生」...
金木犀の香りが空前のブーム!甘く懐かしくアンチエイジングに運気UPも
 とある量販店に行った時のことです。入り口付近に黄金色の商品ばかりが並び、遠巻きに見ると店舗全体が黄金色に輝いてみえる。...
タイパ? なにそれ。映画館で初対面の作品と出会う胸のときめき
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...