嵐・二宮和也のクレバーな立ち回り 今さらジャニー喜多川氏に「謝ってほしい」発言の真意

更新日:2025-06-17 17:03
投稿日:2025-06-17 17:00

「会いたい人?……あいつかな。謝ってほしいって思う」

 嵐の二宮和也(40)が、6月17日の誕生日に発売する自身初の新書「独断と偏見」(集英社新書)の取材会で口にした言葉が話題となっている。

 その人物とは、旧ジャニーズ事務所の故ジャニー喜多川前社長(享年87)。性加害問題が明るみになった今となっては、触れることすらタブー視されがちな名前を、あえて“会いたい人”として挙げ、「あいつがあんなことしなければ、僕がこういう道を歩くこともなかった」と続けてみせた。

 二宮はもともと、性加害問題がクローズアップされた当初も、テレビ番組で、「僕は(性加害を)信じたくなかったし、信じていなかった。でも、やっぱり被害に遭われた方がいるという事実がある。だったら僕らがまずやらなきゃいけないのは謝ることだったんじゃないか」などと発言していた。  

 発言は一見、率直で誠実にも聞こえるが、その裏にある計算を指摘する声もある。

「彼は事務所にいた頃から、自分の言葉でしゃべれる人ではありましたが、今こうして完全に外に出た立場だからこそ、改めて堂々と過去に踏み込めた。それも、新書発売のタイミングで出してきたのがニノらしい」(スポーツ紙芸能記者)

 確かに同書の出版は個人事務所「オフィスにの」の立ち上げ以降、初の大きな自己発信。しかも、嵐が2026年春のファイナルコンサートをもってグループ活動終了を予定している今、あえて「謝ってほしい」という言葉を世に出す意義は計り知れないという。

「タイミングが完璧なんですよ。会社として責任の所在が曖昧になり始めた今、過去を見つめ直すスタンスを打ち出せば、“自分は加担していなかった”というポジションも確保できる。あくまで質問への回答という体裁を守りつつ、必要な批判はきっちり盛り込む。まさにクレバーな立ち回りです」(前出のスポーツ紙芸能記者)

 二宮のこうした“機を見るに敏”な先見性は、今に始まったことではない。たとえば2019年、グループが活動休止を控える中、ファン離れのリスクを承知の上で、次の展開を見据えていたのか、最初に結婚を発表したのも二宮だった。

 また、趣味のゲームを生かして旧ジャニーズでいち早くYouTube「ジャにのちゃんねる」を開設。現在は、「よにのチャンネル」に発展し、登録者数は490万人を誇る。ゴールデン帯のレギュラーに昇格した「ニノさん」(日本テレビ系)も好調で、地上波とネットの両輪で抜群の安定感を誇っている。

「2023年の性加害問題が噴出した際は、最も早く独立を決めたのも彼。彼は事務所のゴタゴタに巻き込まれたくないという意志が明確でした。沈黙を守りながら、着実に出口戦略を練っていたのでしょう」(キー局ディレクター)

 今回の「謝ってほしい」発言もまた、騒動が一段落した今だからこそ出せた安全圏からの発言と言えそうだ。

 責任を問われる側には立たず、被害者への共感を示し、発信力だけは確保する。その立場は、加害構造からは距離を取りつつ、元所属の看板は利用するという絶妙なライン。“俯瞰で自分の立ち位置を測る立ち回りのクレバーさ”にこそ、彼の本領がありそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 2023年10月に「STARTO ENTERTAINMENT」社長に就任した福田淳氏が、2年を待たずに退任するという。関連記事【もっと読む】旧ジャニーズ「STARTO社」福田淳社長6月退任劇の内幕と藤島ジュリー景子氏復権で「お役御免」情報…では、そのドタバタ人事の裏に迫っている。

エンタメ 新着一覧


労働争議で板挟み…“スズ子の恩人”林部長役・橋本じゅんの意外な一面
 世界恐慌の波が押し寄せ、USKの賃金削減と人員削減が告げられる。一部の楽団員と新人の劇団員は解雇されてしまった。 ...
桧山珠美 2023-10-19 15:40 エンタメ
大和礼子(蒼井優)さまの箴言…誰にも負けないスズ子の個性とは?
 昭和8年。デビューから6年が経ち、スズ子(趣里)は脇役ながら劇団の中心メンバーとして活躍し、新人の教育係にもなっていた...
桧山珠美 2023-10-16 14:30 エンタメ
タバコの逢引き場面にズキュン!“喫煙イケメン”柳俊太郎にやられます
 コンプライアンスなるもののせいで、昨今のドラマはなにかと不自然なことが多いようで。  犯人が車で逃げるシーンで「...
朝ドラ本編とは別にオリジナルの舞台演目フルver.も制作、手が込んでいる
 鈴子(澤井梨丘)は1週間で稽古に復帰し、同期3人で切磋琢磨して稽古を続けた。  単独公演まで1カ月となり、鈴子た...
桧山珠美 2023-10-14 13:30 エンタメ
宝塚からセクシー女優に転身、“芸能人の有名税”となぶっていいのか
 セクシー女優という職業は、昔と比べると女性にとっても身近に感じる職業となってきました。モデルやグラビア、アイドルなど、...
大和礼子(蒼井優)が手渡したトンボ柄の布は…主人公・鈴子そのもの
 公演で橘アオイ(翼和希)の衣装の羽を忘れたことをきっかけに鈴子(澤井梨丘)たち3人は仲違いをしてしまう。  そん...
桧山珠美 2023-10-11 16:15 エンタメ
物語が動き出した2週目、鈴子指導役は宝塚不合格の現役OSK男役スター
 鈴子(澤井梨丘)は梅丸少女歌劇団(USK)に研究生として入団する。鈴子たち新入生は、まず先輩の稽古を朝から見て覚えてい...
桧山珠美 2023-10-09 15:20 エンタメ
ご意見番GACKTがバカなフリしてジャニーズ問題連投の訳、「貝」も得意
GACKT様(歌手、実業家・50歳)  GACKT様はセルフブランディングに余念がなく、常に自身の好感度アップのた...
堺屋大地 2023-11-14 16:25 エンタメ
ジャニーズの看板消滅…北公次のバク転から始まったイケメンアイドルたち
 ジャニーズ事務所の名称が10月17日からSMILE-UP.(スマイルアップ)に変更されるそうですね。頭では理解している...
近藤真彦がジャニーズの長男坊と呼ばれた必然、逃げ上手と無責任のプロ
近藤真彦様(歌手・59歳)  近藤真彦さんことマッチ様と言えば、40年以上にわたりジャニーズ事務所のタレントとして...
堺屋大地 2023-11-14 16:26 エンタメ
「清く 正しく 美しく」改め「清く 素直に 華やかに」におこだわり?
 自分の将来について悩んでいた鈴子(澤井梨丘)は、ツヤ(水川あさみ)から言われた「自分がこれやと思うことで生きていくんや...
桧山珠美 2023-10-05 16:35 エンタメ
初回からテンポもキャラも濃ゆっ! 主人公・鈴子の子役は趣里そっくり
 大正15年、大阪・福島にある銭湯の看板娘・花田鈴子(澤井梨丘)は、いつも父・梅吉(柳葉敏郎)、母・ツヤ(水川あさみ)、...
桧山珠美 2023-10-02 18:34 エンタメ
大沢たかおは忘れた頃にやってくる。現在はストイックなイケオジに進化
 忘れた頃にやってくる、それが大沢たかお(55)です。  一度目は1995年、酒井法子と共演したドラマ「星の金貨」...
最終回Wエンディングの妙、そして万太郎の「お前誰じゃ」が意味するもの
 春、竹雄(志尊淳)と綾(佐久間由衣)が新酒を持って槙野家にやってくる。寿恵子(浜辺美波)、虎鉄(濱田龍臣)、千歳(遠藤...
桧山珠美 2023-09-30 15:03 エンタメ
一生涯人たらしの万太郎、グレイヘアが似合う仲間たちと植物図鑑完成へ
 寿恵子(浜辺美波)のために、万太郎(神木隆之介)は何としても図鑑を完成させると決意する。 「なに言うがじゃ、虎鉄はワ...
桧山珠美 2023-09-28 16:28 エンタメ
松坂慶子転生、宮﨑あおい降臨! 惜しむらくはOPクレジットの表記バレ
 寿恵子(浜辺美波)は渋谷の店を売ったお金で、東京郊外の大泉村に土地を購入。  万太郎(神木隆之介)の夢と、万太郎...
桧山珠美 2023-09-25 14:42 エンタメ