世の中が不倫の話題で持ちきりだ。2024年に実施された調査によると、既婚男性の約2人に1人、既婚女性の約3人に1人が婚外恋愛経験者だという。SNSやマッチングアプリが普及し、不倫のハードルは下がる一方。しかし、その裏にある人間の欲望と自己演出には注意が必要だ。
ワイドショーの定番、それは芸能人の不倫騒動。謝罪会見に活動休止──愛に溺れた代償はあまりにも重い。
世間が「不倫=絶対悪」と決めつけるなかで、それでも、人はなぜその扉を開けてしまうのか。禁じられた恋に身を投じる不倫の背景をCA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持ち、数々の人間模様を見てきた筆者が読み解いていきたい。
離婚成立直前になぜ? 愛人と別れた男の悲しみ
人間は、欲しいものが手に入りそうになった時、なぜ逃げたくなるのだろうか――。
たとえそれが、愛人から正妻への「昇格」だったとしても。
今回取材に応じてくれたのは、渋谷区でたい焼き店を営む和彦さん(44歳/既婚・子供あり)。彼はすべてを捨てる覚悟で若い女性との再婚を決意した。しかし、離婚成立の直前、愛人からまさかの別れを告げられ、どん底に突き落とされた。
四十路の育児と仕事の両立に夫婦とも悲鳴
和彦さんは41歳のときに父親になった。実父の死後、家業のたい焼き店を一人で立て直す中で、40歳で見合い結婚。妻は当時36歳で高齢出産となった。
「息子が生まれた時は、本当に嬉しかったです。抱きあげると、小さくて温かくて…まさに宝だと思いましたね。育児は妻と協力しましたが、朝から晩まで働いて夜はくたくた。でも、幸せでしたよ」
和彦さんにとって「家族」とは、幼い頃に事故で亡くなった母親の不在を埋める存在でもあった。
だが、現実は厳しかった。
四十路の育児は体力的にきつく、寝不足の日が続いた。妻とも完全にレスになり、会話も最低限。横浜に住む妻の実妹が手伝いに来てくれたこともあり、和彦さんは仕事に集中。東横線沿いにある自宅マンションには帰らず、店の2階で寝泊まりする日が増えた。
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