ドラマ『ひとりでしにたい』未婚・子なしは悪なのか? 独女が“人生の選択肢”を考えた結果、決めたこと

mirae.(みれ) ライター
更新日:2025-06-28 11:50
投稿日:2025-06-28 11:50

未婚子なしは“悪”なのか?

“結婚して子どもを持つ人生”が当然で、それ以外はわがままで、どこか歪んだもの。そんな価値観はいまだに社会の中に根強く残っています。

 私は50代で独身、子どももいません。でも、鳴海と同じように推しを愛し、日々を楽しみながら自立して生活しています。

 仕事をして、税金も年金も納め、社会の一員として生きているつもりです。なのに、「家庭を持っていない」「未婚で子どもがいない」だけで、“欠けた人生”のように見なされるのは、いつも納得がいきません。

 いったい、結婚や出産は“免罪符”なのでしょうか? それを持たない人生は、罰せられるべきものなのでしょうか?

 好きなことにときめきを感じ、自分なりに誠実に生きている。その生き方を、誰にも否定されたくない。

 そんな気持ちが、ドラマの鳴海の姿と重なり、私自身も心の底から共感していました。

終活は「よりよく死ぬ」ための「よりよく生きる」手段

 後輩の那須田の一言で婚活を辞めた鳴海は、方向転換して“終活”に向き合いはじめます。とはいえ、彼女の選んだ終活は決してネガティブなものではありません。

 むしろ、人生の最後にどう在りたいかを考えることで、いまをどう生きるかが明確になる。そんな“前向きな終活”のあり方を見せてくれます。

「誰かと無理して結婚して、なんとなく安心を得るよりも、自分らしく生きて、自分らしく人生を締めくくる準備をする方が、よっぽど自然なんじゃないか」

 そう決意する鳴海の姿に、私はとても励まされました。

 恋愛や結婚だけが“豊かな人生”の証ではない。推しのライブに行くときめきも、静かな部屋で好きな作品を観る時間も、誰かを無理に選ばずとも十分に価値があるのだと、気づくことができました。

 ひとりで生きることを選ぶのは、逃げではなく、立派な選択。寂しさや不安と向き合いながらも、“自分らしい人生を築いていくため”の、覚悟の証なのだと思います。

“ひとりで生きる”は、“自分の人生を生きる”ということ

 ドラマ『ひとりでしにたい』は、結婚や子どもだけが幸せの基準ではないこと、そして「どう死ぬか」を考えることは、「どう生きたいか」を見つけることにもつながるというメッセージを届けてくれました。

 ひとりでいることは、何も悪いことではありません。自由で、責任があり、自分で自分の人生を舵取りするという、強さと優しさの両方が求められる生き方です。

 誰かと一緒でもいいし、ひとりでもいい。どちらを選ぶかは、他人の価値観ではなく、自分の意志で決めていくものです。

 私も、ひとりで生きることを恐れずに、自分らしく、しなやかに、これからの人生を歩んでいきたいと思います。

mirae.(みれ)
記事一覧
ライター
アラフィフのフリーライター。ライター歴は15年以上。いろいろこじれて48歳で処女卒業。現在は性に奔放で貪欲に、独身生活を謳歌中。
X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


私、狙われてる?「重い話をされやすい人」の特徴と対策
 付き合いが浅いのに、重い話を打ち明けられたらあなたはどうしますか? おそらく多くの人は、返答に困ってしまうか、「なんで...
おちび“たまたま”の戦いごっこ♡ 勝ったのはどっちかにゃ?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
僕らはジョン・レノンがいない世界を生きる 2022.10.9(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
今時は「さっしー推し」で生理用品を買う!? 2022.10.8(土)
 以前、取材で伺ったフェムテック専門店のポップアップストア「byeASU(バイアス)」(埼玉・越谷市「イオンレイクタウン...
ハゲて生え際後退した元同僚の返しが神!レベチな悟りLINE選
 LINEでやりとりをしていると、時に「この人、きっと何かを悟ったんだな」と感じる名言を生み出す人っていますよね! たっ...
アドバイス1000本ノック!“相手の立ち位置”を見極めて選別を
 アドバイスって、たくさんあると困る場合もありますよね。選択肢はあればあるほど良いとはいえ、正反対の意見があったりすると...
ポロリ5秒前の“たまたま”♪ にゃんたまの演出?それとも素?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
秋と冬の足音が聞こえた! 2022.10.5(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
自律神経の乱れに!グリーンハーブ活用&簡単ブーケの作り方
 気がつけば甘くさわやかな香りが漂う季節になりました。香りのもとをたどって見渡せば、大木全体に黄金色の金木犀の花がビッチ...
嗚呼20代に戻りたい…若い頃にやっておけばよかったこと3選
「20代にタイムスリップできるなら、やりたいことは何ですか?」  こんな問いに、あなたならどう答えるでしょうか。30代...
酒天国! TSUTAYA田町駅前店シェアラウンジ 2022.10.4(火)
 思えばスーパーの屋上や、モンテローザ系列の居酒屋やらお得な「飲み放題」のうわさを聞きつけては、飲み散らかしてきました。...
会いたいにゃ!恋する“たまたま”は気分も尻尾も上がっちゃう
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「マッスルスナック」潜入ルポ!推し活未経験女がまんまと…
 世間は、空前の推し活ブーム。特に女性の推し活は、リアルでもSNSでもシェアしやすい風潮も広がっていて、推しを目の前に女...
海外はもう古い!? 新婚旅行を国内にする4つの大きなメリット
 新婚旅行の定番といえば、海外のリゾート地を思い浮かべる人も多いでしょう。でも実は今、コロナ禍の影響もあり、国内での新婚...
「怒らない女」の謎メンタル その“正体”はレベチすぎた!
 あんまり怒らない人、みなさんの周りにはいますか? 8割の人間が怒るようなことが起きても、どこか涼しい顔でサラッと流す人...
美少年にゃんこの品性と“たまたま”のワイルドさにキュン♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...