ドラマ『ひとりでしにたい』未婚・子なしは悪なのか? 独女が“人生の選択肢”を考えた結果、決めたこと

mirae.(みれ) ライター
更新日:2025-06-28 11:50
投稿日:2025-06-28 11:50

 アラフィフ独女ライターのmirae.です。50代になり、「老後」や「終活」といった言葉が、少しずつ現実味を帯びてきました。そんな折に出会ったのが、NHKのドラマ『ひとりでしにたい』。結婚していないこと、子どもがいないことが、あたかも“人生の失敗”のように扱われてしまう空気に、一石を投じてくれる作品です。

 ひとりで生きることは、本当に悪いことなのでしょうか?このドラマを通じて、私自身の経験と重ねながら考えてみたいと思います。

【こちらもどうぞ】若者が『めおと日和』の“昭和な恋愛”に胸キュンするのは何故? タイパ重視じゃないもどかしさ

ドラマ『ひとりでしにたい』——ひとりで生きる意味を問う物語

 2025年6月、NHKでスタートした土曜ドラマ『ひとりでしにたい』は、原作・カレー沢薫さん、主演・綾瀬はるかさんによる“終活ヒューマンドラマ”。タイトルのインパクトもさることながら、内容は実にリアルで切実です。

 主人公・山口鳴海(綾瀬はるか)は、未婚・子なしのアラフォー。仕事に趣味に推し活にと、独身生活を謳歌していました。

 ところがある日、子どもの頃から憧れていた、未婚・子なしのキャリアウーマンの伯母が、誰にも看取られずに孤独死していたことを知ります。

 その死をめぐって父・山口和夫(國村隼)は、「子どもも産まず、好き勝手に生きてきたから、最後に罰が当たったんだ」と語ります。その一言が、鳴海の心を大きく揺さぶるのです。


「私もこのままでは、伯母のように“罰が当たった”と見なされてしまうの?」という恐怖から、鳴海は焦って婚活を始めます。しかし、現実は厳しく、なかなか結果にはつながりません。

 そんな中、同僚のエリート公務員・那須田優弥(佐野勇斗)から「結婚すれば安心って、昭和の発想ですよね?」とバッサリ。しかし年下の彼に軽くあしらわれたことで、鳴海は方向転換を決意します。

「だったら私は、ひとりで生きて、ひとりで、しにたい」

 そう決意した彼女は、人生の“終活”に目を向けはじめるのです。

「罰が当たった」と言われた怒り。現実でも耳にする声

「子どもも産まず、好き勝手に生きてきたから、最期に罰が当たったんだ」

 鳴海の父が伯母の死に対して放ったこの言葉は、あまりにも無神経で、胸に突き刺さりました。ドラマの中のセリフではありますが、私たち未婚・子なしの女性にとっては、現実でも何度となく耳にしてきたような偏見の声です。

mirae.(みれ)
記事一覧
ライター
アラフィフのフリーライター。ライター歴は15年以上。いろいろこじれて48歳で処女卒業。現在は性に奔放で貪欲に、独身生活を謳歌中。
X

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


コンクリ貫通の生命力!「タカラジェンヌ」が由来の高貴なお花、寒さに弱いはずが“3度の冬”を越えたわけ
 今年の夏も暑かった!、我がお花屋の店先では、暑さにめっぽう強い見上げるほど大きく育った「南国生まれの貴婦人」が見ごろを...
効いてくれよ、スタバ1杯分! 更年期女がすがる心のお守り。すべてはプラシーボ効果と気づいても
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
この夏もやらかした! 女たちの“反省エピ”7選。「自分史上最も夏を無駄にした」「大出費でクレカを直視できない」
 毎年のことながら、終わってから「もっとこうしておけば…」と思うのが夏休み。今年も例に漏れず、反省を抱えたまま日常に戻っ...
「逃げたら干されるぞ」若手芸人が踏み込んだ“後戻りできない”選択。大金と引き換えに失ったキャリア
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。  現在は清浄化...
「我が子を可愛いと思えない」産後に心が壊れかけた経験談。私は母親失格だ…なんて思わないで
 出産してから「なんだか最近自分が自分じゃないみたい」などと異変を感じている人は、先輩方の声を参考にしてみるとよいかもし...
義母「うちの子そっくり」にザラつく…。“孫フィーバー”の裏、無視され続けた嫁の叫び。私は透明人間じゃない!
 私の友人サエ(32歳・銀行員)が第一子を出産したのは昨年の冬。待望の赤ちゃんが誕生し、夫婦で新しい生活を始めた矢先、彼...
芸術の秋!美少年“にゃんたま”の曲線美と薔薇にうっとり♡ まるで絵画みたいじゃない?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
騙された!一見“仕事デキる風”…でも実は? 有能ぶったLINEにご用心。“能ある鷹”の逆パターンも
 世間では仕事ができない風に見えるLINEを送ってくるのに、実は超有能な人材だった話もよくあります。その一方で、本当は無...
【漢字探し】「鰯(イワシ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
母が急病、社長の「帰りなさい」に涙…一生ついて行くと決めたLINE3選。元カレの言葉にホッ
「この人だけはどんな自分も受け入れてくれる」「この人だけは失いたくない」など、絶対的な信頼や必要性を感じる人に出会えると...
【マジかよ】ごま油×ミルクコーヒーに反響。老舗メーカーの“推しレシピ”にネット困惑「ヤバそう」「勇気でない」
「金印純正ごま油」などで知られる老舗メーカー「かどや製油」。企業公式X(旧Twitter)が2025年10月1日に投稿し...
「夜職だって立派な仕事」それ、本気で言ってる? 水商売への “本心”に気付いてしまったスナック嬢の独白
 最近は本当に“キラキラ夜職”が表に出る時代になりましたね。が、私は本当に危ないと思っています。 「そんなことない...
私が『愛の、がっこう。』に重ねた親との苦しい関係。振り返ってわかる“完璧じゃない”からこそ得られたもの
 フジテレビ系で放送されたドラマ『愛の、がっこう。』を観ながら、ふと「わたしの親も、今で言えば“毒親”だったのかもしれな...
スター猫になれるかな? 夢見るハチワレ“にゃんたま”の練習風景をチラリ☆
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
浮気を警戒したら逆ギレ!?  私が「絶対に謝りたくない」と思った瞬間7選。何でこっちが悪者なの?
「仕方なく謝ったけど…これ私、悪くないよね?」誰しもそんな気持ちになったことがあるのではないでしょうか。  今回は...
30代はご褒美ボディケア、中年女は塗り薬まみれ。色気から進化した風呂上りの「おばケア」事情
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...