「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

更新日:2025-07-01 18:38
投稿日:2025-07-01 18:35

 「女性宮家」の創設案は今国会で見送られたが、世間では「愛子天皇待望論」が高まりを見せている。最新刊『日本人にとって皇室とは何か』(プレジデント社)の著者で、皇室史に詳しい宗教学者の島田裕巳氏が、愛子内親王が”カリスマ性”を持つ理由を解説する。

  ◇  ◇  ◇

 皇位継承を定めた皇室典範の規定によれば、愛子内親王が天皇に即位することはあり得ない。皇位は男系男子で継承するという原則が確立されているからである。しかし、そうした規定は今の皇室典範の前身となる旧皇室典範で定められたことで、古来の伝統というわけではない。実際、飛鳥時代から奈良時代にかけて、あるいは江戸時代には女性が何人も天皇に即位している。

 最近刊行した拙著でも指摘したが、愛子内親王には、国民を強く引きつける「カリスマ性」が備わっている。それも、愛子内親王の皇族としての振る舞いには「自然さ」があるからではないだろうか。

 戦後の皇室のキャッチフレーズになってきたのは、「開かれた皇室」である。これは、英国の王室をモデルにしたものだが、天皇が、憲法が規定するように日本の象徴、日本国民統合の象徴であり続けるためには、国民の支持が不可欠だからである。その分、皇族が国民の前に姿を現す機会は増えた。皇族は、その点で「見られる存在」である。常にそうした立場にあることは、相当なプレッシャーにもなると思われるのだが、愛子内親王は実にそれを自然にこなしているように見えるのだ。

男尊女卑傾向に終止符は打たれるか

 皇室を開かれたものにする上で、女性皇族が果たしてきた役割は大きいが、女性皇族には二つの異なる立場がある。美智子上皇后や雅子皇后のように外から皇室に嫁いできた立場と、皇族として生まれた立場である。愛子内親王は皇太子夫妻の子として生まれたわけで、皇族としてどのように振る舞えばよいかを、無意識のうちに身につけているように見える。そこに大きな魅力があり、愛子天皇待望論が生まれる根本的な原因があるように思われる。

 もちろん、現状ではあり得ないことだが、もしも愛子内親王が天皇に即位したら、そのインパクトははかりしれないものになるに違いない。それを境に、男尊女卑の傾向に終止符が打たれ、日本社会にすがすがしい空気が流れることになるのではないだろうか。

  ◇  ◇  ◇

 女性皇族には女子皇族なりの苦悩があるようだ。関連記事【こちらも読む】佳子さまは「皇室を出たい」が本音? 秋篠宮さまは女性皇族問題めぐり宮内庁に異例の「苦言」…では、佳子さまの心中を推察している。

エンタメ 新着一覧


「劇場版シティーハンター」プレス発表で小室哲哉が語った“自虐”コメント
 1980年代・90年代に北条司の漫画をもとに放送されたアニメシリーズ「シティーハンター」。  主人公の冴羽リョウ...
“桐島部活”への敬意、徳永助教授(田中哲司)実はいい人パターンだった
 石版印刷の技術を習得した万太郎。ようやく納得のいく刷り上がりになり、いよいよ、植物学の学会誌を大畑印刷所に注文する。 ...
桧山珠美 2023-06-13 14:00 エンタメ
「日曜の夜ぐらいは…」川村壱馬にキュン 青田買いしたい役名無し俳優は
 川村壱馬(かわむら・かずま)にキュンキュンしています。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカ...
広末涼子不倫疑惑報道で思わぬ反響が…ナマ美脚は年齢か努力の賜物か
 8日発売の「週刊文春」に不倫疑惑を報じられた女優・広末涼子(42)。10代で女優やモデルとして絶大な人気を誇ったが、な...
万太郎と竹雄、互いを呼び合う2人は「ロンバケ」名シーンを超えた!?
 昼間は大学で研究し、夕方からは印刷所で見習いを始めた万太郎(神木隆之介)に「ちゃんと寝て、食べて、笑顔でいること」と約...
桧山珠美 2023-06-07 14:18 エンタメ
万太郎(神木隆之介)が暴走! 東大と印刷所の“二刀流見習い”なるか
 白梅堂のありったけの和菓子を抱え、万太郎(神木隆之介)が向かった先は、いかつい職人さんたちが働く大畑印刷所。てっきり創...
桧山珠美 2023-06-05 14:25 エンタメ
祝・大河主演!横浜流星の魅力は「イケメンなのに演技が巧い」に尽きる
 2025年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」の主役に横浜流星(26)が選...
「いちゃこら」に透けた嫉妬!万太郎が寿恵子ママにプロポーズ宣言
 高藤(伊礼彼方)にお姫さま抱っこされた寿恵子(浜辺美波)の姿が頭から離れず、植物研究にも身が入らない万太郎(神木隆之介...
桧山珠美 2023-06-02 11:54 エンタメ
相席・山添、春日…芸能人は謝っちゃダメ? ネット炎上のお詫びトレンド
 お笑いコンビ「相席スタート」の山添寛(37)が5月30日、ニッポン放送のラジオ番組「ナイツ ザ・ラジオショー」に出演。...
タキの弱りっぷり、万太郎からのノーテンキな手紙の中身は…
 久々に「峰屋」が登場。酒に対しての課税がきつくなり、役人からも厳しい目を向けられる峰屋。タキ(松坂慶子)も体の具合が悪...
桧山珠美 2023-05-30 11:10 エンタメ
猿之助47歳独身報道で考える…「最後の大物独身」ってどんな存在?
 事実は小説より奇なり、などといいますが、市川猿之助(47)の事件にはほんとうに驚かされました。ここは「ラストマン-全盲...
平野紫耀号泣!キンプリ3人脱退劇…5人揃い活動する未来はなかったのか
「まだサヨナラ言うには 全然早すぎるのに」  King & Prince(以下、キンプリ)が5年歌い紡いできたデビ...
こじらぶ 2023-05-27 06:00 エンタメ
ジュリー社長“知らなかった”の代償…芸能界のハラスメント問題どう変わる
 人々に夢や感動を与える芸能界において、ハラスメント問題が相次いで発覚している。ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川...
かみきりゅうのすけ画伯こと神木隆之介の絵ゴコロにきゅん!
 植物採集から帰ってきた万太郎(神木隆之介)。藤丸(前原瑞樹)に、可愛がっているウサギにシロツメクサのお土産を渡す。(#...
桧山珠美 2023-05-25 11:15 エンタメ
万太郎(神木隆之介)初めての挫折…でも、ステーキはもりもり食べる
 植物学教室では、みんなと仲良くなりたいと話に加わろうとする万太郎(神木隆之介)だが、ことごとくよそ者扱いされる。植物学...
桧山珠美 2023-05-23 11:00 エンタメ
「らんまん」は脚本にブレなし! 演じる神木隆之介に人たらしの共通点
 4月にスタートし、はや2カ月。NHKの朝ドラ「らんまん」にすっかりハマっております。なんといっても主人公が植物一筋なと...