「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

更新日:2025-07-03 17:03
投稿日:2025-07-03 17:00

 皇室には愛子内親王以外にも国民を惹きつける女性皇族がいる。三笠宮家の彬子女王だ。最新刊『日本人にとって皇室とは何か』(プレジデント社)の著者で皇室史に詳しい宗教学者の島田裕巳さんが、「女王」が「皇室のニュースター」になった背景を紹介する。

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「女王(じょおう)」という存在に注目が集まったのは、日本の歴史上初めてのことではないだろうか。ここで言う女王は、エリザベス女王のような女性の君主のことではない。日本の皇室で内親王の宣下を受けていない3世以下の嫡男系嫡出の女性皇族のことである。

 そうしたことも、三笠宮家の彬子女王に注目が集まることで、広く知られるようになった。そのきっかけは、オックスフォード大学への留学記である『赤と青のガウン』がPHPで文庫化され、ベストセラーになったからである。

 それを後押ししたのが、X(旧ツイッター)での一般読者の「プリンセスの日常が面白すぎる」という投稿だった。私も本を読み、拙著でも紹介したが、女王のリアルな人生と生活が克明に描かれていて、興味深いものになっていた。皇族のなかには海外の大学に留学した経験者も少なくない。だが、オックスフォード大学で博士論文を書き、博士号を取得したのは彬子女王が初めてだった。

 皇族である以上、日本にいた時には必ず警固の「側衛」がつくが、異国であるイギリスではそれがつかなかった。そのため、彬子女王はオックスフォードの街を初めて自分一人で歩き、そこで生活する経験をしている。その奮闘ぶりを知ることができるのが、『赤と青のガウン』の大きな魅力になっていた。

皇族がラジオのパーソナリティーを務めるのは50年ぶり

 本がベストセラーになったことで、彬子女王のメディアへの露出度は格段に高まり、「徹子の部屋」にまで出演した。4月21日には、ニッポン放送の「彬子女王のオールナイトニッポン」にも出演している。父親の寛仁親王や祖父の三笠宮崇仁親王も、その経験があり、皇族がラジオのパーソナリティーを務めるのは50年ぶりのことだった。

 今や彬子女王は愛子内親王と並ぶ皇室のニュースターである。重要なのは、彬子女王が京都を拠点に活動している点である。一般社団法人「心游舎」の総裁として子どもたちに日本文化を伝える活動に邁進している。

 京都は、平安京遷都以来日本の都であり、その時代に天皇や皇族が暮らしていた。彬子女王の京都での活動は、その伝統に連なるもので、その点で意義は大きいし、あるいは日本文化の担い手としての皇族のあるべき姿を示唆しているようにも見えるのである。

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 国民が愛子さまを慕う背景は?●【こちらも読む】皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳さんが分析「愛子天皇待望論」引き出すをカリスマ性…に詳しい。

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