『最後から二番目の恋』千明の“現象”にわかる~! 中年の無様な姿も可愛らしいじゃないか

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-07-09 11:50
投稿日:2025-07-09 11:50
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第37話は「何もなくても転ぶ」。

ヒロインもおばさんも転ぶ

 連載も37回を迎えた。更年期や老化現象を素のままに書いているけれど、20〜30代からしたら「そんなにネタが尽きないほど老体なのか…?」と、疑問が浮かぶと思う。はい。その通りです。40歳を超えたら毎日が満身創痍。どこか不調で生きていて、体調が万全なことは奇跡に近い。そんな日々を送る中年の私が今回伝えたいのは、本当に何もない場所ですっ転ぶという事実。私は正確にはまだ“転ぶ”ステージまで事態が達していないので、つまづく、けつまずくといった現象が頻発している。

 人気ドラマでこんなシーンがあった。

【こちらもどうぞ】ゲフッ…炭酸でむせるのは“老い”のせいか。ついに来た「更年期の地雷」はそこかしこに。麺のむせはどうする?

 まだロスも多く、続編を期待するファンも多い作品『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系)の第一話で、還暦間近のヒロイン・吉野千明(小泉今日子)が何かにつまづき、崩れるように転んでいた。

「何、今の(笑)。ちょっと待って。なんの段差もないじゃん。あ〜あ…」

 千明は笑っていたけれど「わ〜か〜る〜!」と深く頷いて共鳴した視聴者は私だけではなかったはずだ。先日も打ち合わせに行くため、最寄りの駅に向かっていると「ゴンッ!」と鈍い嫌な音がした。恐る恐る振り返ると、中年女性が倒れていた。どうも頭を打ったらしい。「大丈夫ですか!」と声をかけると、起き上がり「大丈夫です」と反応。そのまま離れてしまったけれど、脳しんとうでも起こしているのでは? と、おばさん同志としての心配がよぎった。そう、中年はヒロインも一般人も、簡単に転ぶ。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


辛酸なめ子さんの猫テレパシー入門 猫語翻訳アプリで疑問が…
 漫画家の辛酸なめ子さんは、猫の鳴き声を翻訳してくれるアプリ「MeowTalk」で猫との絆を深め、改めて気付いたことがあ...
シンママは外出したらダメ?母の「独身なんだから」に苦笑い
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。  家庭の事情はそれぞれあって、離...
貴島明日香さん 愛猫が「自分らしくていい」と教えてくれた
 私は毎朝、午前3時すぎに起床。月~金曜日は朝の情報番組「ZIP!」にお天気キャスターとして出演しているので、めちゃくち...
蔵前散歩でお茶とクラフトジンの専門店巡り 2022.2.22(火)
 リモートワーク推奨下の日々を送る中、コロナ以前より「お茶」を飲む機会が増えました。日中はコーヒーをがぶ飲みしているので...
日向ぼっこ中♡“にゃんたま”のウィンクは腹モフOKのサイン?
 きょうは、みんなで日向ぼっこの時間にお邪魔しました。  丁寧に毛繕いをして、フワフワになったお腹とにゃんたまωを...
鬼ピンチ!仕事の嘘がバレた時どうする? 4つの影響&対策法
 仕事をするうえで、とっさに嘘をついてしまった覚えはありませんか? さまざまな理由でついてしまった嘘だとしても、繰り返し...
どこが違うの? お金の話を積極的にできる人・できない人
 みなさんはお金の話をするのは得意ですか? なんだか「生々しくて苦手」と感じている人もいるかもしれません。どちらかと言え...
“にゃんたま”柄が変化した? 摩訶不思議ミステリーを調査中
 きょうは、にゃんたまωミステリー。  「こんなの見たことない!今年にピッタリなウシ柄“にゃんたま”」の時に、 ...
「合わない上司」にストレス限界! タイプ別&6つの対処方法
 職場には年齢や価値観が違う人がたくさんいるため、「合わない」と思う相手がいるのは当然のことでしょう。しかし、その相手が...
氷川きよしさんも衣装に愛用!高貴な「紫色」の花で格上げを
 ワタクシごとで恐縮ですが、ここ最近、氷川きよしさんから目が離せません。某公共放送の園芸番組で毎月務めてらっしゃるMCの...
ルーティンがあると安心!いつでも“抱っこ”で乗り越えてきた
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。  家庭の事情はそれぞれあって、離...
真似したい!切手の一工夫で“もらうと嬉しい手紙”に早変わり
 コロナ禍で他人と対面するのが憚れる中、封書やハガキの良さが見直されているとか。e-mailでもなければ、LINEでもな...
くるっとターンは何のため? くびすをかえす“にゃんたま”君
 きょうは、「くびすをかえす」にゃんたま君にロックオン。  好きな子の声が後ろから聞こえた?  前方に会いた...
うっかりポチっ! 職場LINEに誤送信した時のごまかし方5選
 最近では、職場での連絡にLINEを使っている人が増えていますよね。でも、そんな職場LINEだからこそ、プライベートなL...
電動キックボードはレンタルできる! 2022.2.12(土)
  最近、街中で電動キックボードをよく見かけます。実際、電動キックボードってどんな感じなんだろう? と思っていました。そ...
勝手な想像はNG! 人の本心を知りたくなったらやるべきこと
 なにか言われたわけではないのに、「ああ、この人私のこと、こう思ってるんだろうな……」と思い込んでしまう時って、ありませ...