「あんぱん」嵩らの“腹痛”は史実とちょっと違う? 懐かしい2人の登場には狂喜乱舞! 生きていてよかった…

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-07-11 18:33
投稿日:2025-07-11 18:32

戸田恵子が登場! しかし、もどかしい…

 で、そこに現れたのが、手ぬぐいを被った女性でした。「仕方ないねえ。部屋に運ぶよ」「薬なんか飲ませなくていい。ただの食あたりだよ。お腹のものが全部出たら、嫌でも治る」と。チャキチャキの江戸っ子のような喋り方に、よもや、彼女が探している“ガード下の女王”だとわかるはずもありません。

 ですが、私たち視聴者は、アンパンマンの声を演じている戸田恵子が薪鉄子だということがわかっていますから、このエピソードがもどかしく……。

 お腹を壊した嵩をのぶが介抱したというのは史実だそうですが、もう少し違う描き方はなかったかと首をかしげてしまいました。のぶが甲斐甲斐しく介抱したようにも見えませんでしたし。

 そして、ラスト。なにやら怪しい男たち相手に雀卓を囲む女性。「あてが勝ったら、この場所は子どもらに明け渡してほしいがよ」と男たちに話しかけ、「あんた今、最下位だぜ」と笑う男たちに、「なめたらいかんぜよ!」と啖呵をきり、「ツモ!」と。

 その様子を見ていた嵩とのぶ。「あの人が代議士の……」と、自分たちを助けてくれたのが薪鉄子だと気づいたようでした。

生きていてくれてありがとう

 どうして、のぶに訊かれた時に、薪がシラを切ったのでしょう。そして、てぬぐいおばさんと代議士のギャップをみせるためなのでしょうが、あの真っ白なスーツはさすがにやり過ぎでは? よく見ると全体に刺繍が施されています。よっぽど裕福なお方なのでしょうか。

 薪鉄子の正体は、翌週に持ち越されるとして、それ以上に楽しみなのが、八木上等兵(妻夫木聡)と、ヤムさん(阿部サダヲ)の再登場です。予告編でたしかにそのご尊顔を拝見して、狂喜乱舞。ふたりとも生きていてくれてありがとう。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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