「あんぱん」ヤムさん(阿部サダヲ)の変わらぬ風貌が謎だ。釜じいの“一言”が今回のハイライト

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-07-19 11:15
投稿日:2025-07-19 11:15

第16週「面白がって生きえ」#80

 釜次(吉田鋼太郎)の葬儀が営まれる中、草吉(阿部サダヲ)が姿を現す。またあんぱんが食べたいと言うのぶ(今田美桜)たちに、草吉は首を横に振る。その夜、釜次を思いながら窯に触れる草吉。翌朝、彼の姿はなく……。

 葬儀が済み、出社したのぶは、東海林(津田健次郎)に思いもよらないことを言われてしまう。数日後、のぶは羽多子(江口のりこ)や嵩(北村匠海)たちにある決意を伝える。

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【本日のツボ】

釜じいの「ほいたらね」

 ※※以下、ネタバレあります※※

「よ、じいさんいるかい!」。なんというタイミングでしょう。釜じいの葬儀の最中に、ヤムおんちゃんがふらっと帰ってきました。その風貌は出て行った頃とまったく変わらず。あまりにも年をとらないので、あの大切に抱えていた壺には不老不死の薬でも入っていたのか、と思いました。

「もういっぺん、ヤムおんちゃんのあんぱん食べたいな」とメイコ(原菜乃華)が言えば、羽多子(江口のりこ)も「ヤムさんのあんぱん、お義父さんにお供えしたいがです。なんとかなりませんろうか」とお願い。

 ところが、「無理だ、酒種もない」とヤムさん。やはり、あの壺は不老不死の薬ではなく、酒種だったようです。

 翌朝、またもや居なくなったヤムさんでしたが、どこかで材料を調達し、トウモロコシの粉と芋のあんの“あんぱんもどき”を作ります。

 出来上がった“あんぱんもどき”を「美味しい、美味しい」と頬張る朝田家の人々と嵩。真っ先に釜じいにお供えするべきでは、と思いましたが、ちゃんと仏前にお供えしていて安心しました。

 またもや、ヤムさんのあんぱんで笑顔になった朝田家でした。

東海林編集長が“一芝居”打った理由は

 月刊「くじら」の東海林編集長がのぶを東京へ行かせるために、「お前は記者に向いちょらん」と一芝居打った理由はいまいちわかりませんが、おかげでのぶは心置きなく、東京へ行けそうです。

 果たして、嵩は……。

 ラストの「ほいたらね」が釜じいの声だったのがこの日のハイライトでした。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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