「ダブルインパクト」は“成功”だったのか? 現役芸人が感じる優れた点と3つの不満

帽子田 芸人、ライター
更新日:2025-07-25 11:45
投稿日:2025-07-25 11:45

 漫才とコントの両方で競う新たな賞レース『ダブルインパクト〜漫才&コント 二刀流No.1決定戦〜』(日本テレビ系)が7月21日に開催された。第1回大会を制したのは吉本興業所属のニッポンの社長だった。初回を終えて、ダブルインパクトは果たして成功といえるのだろうか。

 今回は、かつて年間100本以上のライブに出演し、自身もライブ主催者の経験もあるという現役の芸人・帽子田が、『ダブルインパクト』の優れた点と改善点について考察する。

【関連記事】令和ロマン・高比良くるまが“騒動”で得た「天下を獲る」ために必要な武器

漫才とコントの両方で競う大会に賛否

 賞レース『ダブルインパクト』の第1回が無事終了した。漫才とコントの両方で競うという新たな切り口は、芸人やお笑いファンからは開催発表直後から賛否両論だった。

 今回決勝に進んだのはロングコートダディ、スタミナパン、セルライトスパ、ななまがり、ニッポンの社長、かもめんたる、コットンの7組。ネタには定評がある7組の違う性質のネタを見れたことで、ネタ番組としては非常に満足感が高かったように思う。

 特に漫才のイメージがないコンビのコントや、その逆を見れたりするのも新鮮味があって、最後まで飽きずに見られた。芸人界隈でも賛否両論だったものが、「賛」寄りになった気がする。

 また、かまいたちさんのMCも抜群によかったのも成功の一因だ。いまだに劇場に立つかまいたちさんだからこそ、全コンビへのリスペクトも感じたし、若手のいじり方なども熟知しているのが見て取れた。山内さんのボケで笑いを取る部分も多くて、より大会が盛り上がったし、賞レースのMCとして最高の立ち振る舞いをしていた。

「かまいたちのMC力」と実力派が揃う審査員


 ネット上でも「かまいたちのMC力」を高評価する声も多かった。特に濱家さんがネタで爆笑したりしていて、笑いやすくなっていたのもある。橋本環奈のそつない進行と可愛らしさも大会に花を添えていた。

 あとは審査員の顔ぶれも過不足なくて素晴らしい。今回の審査員は千原ジュニア・中川家剛・後藤輝基・塙宣之・田中卓志など5人。全員現役世代で、なおかつ出場芸人が憧れているメンバーを揃えてくれており、文句なしの顔ぶれだった。特にジュニアさんや剛さんに評価されるのは嬉しいだろう。

 だからこそ気になったのが、「採点基準の分かりにくさ」だ。

帽子田
記事一覧
芸人、ライター
別名義では芸人として活動。一時期は年100本以上のライブに出演、ライブ主催の経験もアリ。一応現役の芸人ではあるが、ただのお笑い、バラエティ番組ファンでもあります。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


朝ドラ「ばけばけ」開幕! ヒロイン高石あかりの幼少期演じる子役・福地美晴は“スピード出世”の逸材
 2025年度後期のNHK朝ドラ「ばけばけ」が29日にスタート。主演の高石あかり(22=写真)が演じるヒロインのトキは、...
2025-09-30 17:03 エンタメ
読売テレビ「ダウンタウンDX」不可解な番組終了の余波…松本人志が激怒していた「ミヤネ屋」報道
 11月1日にスタートする「ダウンタウンチャンネル(仮称)」で、日本テレビ系の「笑ってはいけない」を制作、配信すると「現...
2025-10-16 14:43 エンタメ
小泉進次郎氏がひろゆき氏とのYouTube討論会でも英語を断固拒否! 林芳正氏と茂木敏充氏は流暢に回答したのに…
 27日に自民党のYouTubeチャンネルで配信された動画「ひろゆきと語る夜 #変われ自民党 日本の未来を語れ!」に総裁...
2025-09-30 17:03 エンタメ
「ばけばけ」は往年の名作を越えられるか? 「虎に翼」から続く岡部たかしの“父親”像が楽しみだ
 この世はうらめしい。けど、すばらしい。没落士族の娘・松野トキ(髙石あかり)と外国人の夫・ヘブン(トミー・バストウ)。怪...
桧山珠美 2025-09-29 17:50 エンタメ
「あんぱん」最終回。半年間、2人を見守ってきた視聴者にはグッとくる場面…ま、終わりよければすべてよし!
 のぶ(今田美桜)の病室に着いた嵩(北村匠海)は、にっこり笑うのぶの姿に胸がいっぱいになる。その後退院したのぶは、嵩に自...
桧山珠美 2025-09-27 15:10 エンタメ
timeleszの演出に賛否…中島健人ら初期メンバーの歌声に込められた真意。“8人体制”はどう継承していく?
 9月15日、timeleszがファンミーティング「timelesz SUPER FAMeeting~また夏が終わってい...
こじらぶ 2025-09-27 11:45 エンタメ
「あんぱん」八木(妻夫木聡)のプロポーズにキュン! 蘭子(河合優実)のモデルがあの作家なら…無事を祈る
 2年がかりで完成したテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」が放送され、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)をはじめ、それぞ...
桧山珠美 2025-09-27 12:28 エンタメ
スキャンダル無縁!鈴木亮平が初期に演じた「クセ強キャラ」 4選。もっと評価されるべき“異彩を放った”役も
 現在公開中の『劇場版 TOKYO MER ~走る緊急救命室~ 南海ミッション』ではチーフドクターの喜多見幸太役を演じて...
zash 2025-09-25 11:45 エンタメ
「あんぱん」アンパンマンマーチの歌詞に込めた思い。千尋(中沢元紀)や寛先生(竹野内豊)の写真にホロリ…
 ある日、アンパンマンをテレビアニメ化したいとテレビプロデューサーの武山(前原滉)が訪ねてくる。だが嵩(北村匠海)は、ア...
桧山珠美 2025-09-25 15:44 エンタメ
【芸能クイズ】「畑芽育」を正しく読める? 他にもいる、実は“常用漢字外”の読み方をする芸能人は誰?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
「あんぱん」石橋蓮司の“なりきりアンパンマン”が見れるとは! 登美子(松嶋菜々子)は毒親返上か
 のぶ(今田美桜)が撮ったミュージカルの写真を見ていた嵩(北村匠海)は、こっそり来ていた登美子(松嶋菜々子)が写った写真...
桧山珠美 2025-09-22 16:22 エンタメ
「あんぱん」嵩とヤムさんの再会にグッときた。でも顔をよく見たら…気になった“余計な”こと
 客席はたくさんの子どもたちで埋まり、その様子をカメラに収めるのぶ(今田美桜)。ミュージカルが終了すると、会場は大きな拍...
桧山珠美 2025-09-20 11:47 エンタメ
「あんぱん」のぶの“お手柄”総決算の回。ヤムさん(阿部サダヲ)と蘭子(河合優実)の繋がりは“前世”からの縁なのか?
 のぶ(今田美桜)は草吉(阿部サダヲ)にあんぱんを焼いてほしいと頭を下げるが、断られてしまう。蘭子(河合優実)からこのま...
桧山珠美 2025-09-18 17:16 エンタメ
加藤清史郎の“奇跡の成長”を「放送局占拠」で見た。寺田心ら子役出身者がイケメンになっている件
 加藤清史郎くんのイケメンぶりには目を見張るものがあります。現在、櫻井翔主演「放送局占拠」(日本テレビ)に出演しています...
『あんぱん』担当編集者の“セリフ”にモヤッ…。そしてメイコはまた歌うのだろうか
 ようやく世に出た絵本『あんぱんまん』は売れないままだった。それでものぶ(今田美桜)は、子どもたちに読み聞かせを続ける。...
桧山珠美 2025-10-06 16:33 エンタメ
Snow Manの1人勝ちに歯止めをかけるか?timeleszとSixTONES、激化する“2番手争い”の行方
 嵐の活動休止以降、長らくSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所/以下SE社)は様々な指標でSno...
こじらぶ 2025-09-15 11:45 エンタメ