“清純系”女の視線にゾッ…地獄を見せるはずだったのに。29歳の妻が企んだ稚拙な復讐

ミドリマチ 作家・ライター
更新日:2025-08-10 16:29
投稿日:2025-08-09 11:45

【平塚の女・足立亜理紗 29歳】

 亜理紗は夫・慶士の不自然な泊り出張の真相を探るべく、浮気相手である女のインスタを見て、大磯のプールリゾートへやってくる。そこで女を発見。彼女はプールサイドでくつろいでいた。亜理紗はその隣のパラソルを借りることにする。【前回はこちら

 ◇  ◇  ◇

 サンベッドの上の女はサングラスをして寝転んでいた。おそらく寝ているのだろう。たわわな胸が一定の間隔で上下している。

 透き通った肌にしばし見とれる。虫刺されと子供のひっかき傷だらけの私の腕とは大きな違いだ。ネイルもピカピカ。彼女の綺麗なそれを見て、しばらく手入れから遠ざかっていることに気づく。

 十数分経っても、彼は現れなかった。

 そもそも来ていないのだろうか――いや、そんなはずはない。彼女のインスタの様子はもうひとり誰かが存在している雰囲気だった。売店にでも行っているのかもしれない。もう少し、待ってみる。

 私は何かあった時のため、女の様子を撮影しようと、子供たちを呼ぶことにした。

自撮りを装い、相手の撮影に成功

「はーい、背景までちゃんと映してね」

 小学生の息子・カンタにスマホを持たせ、女の姿が写るように広角で記念と称して写真を撮ってもらう。

 もちろん、自撮りでも何回か撮影した。自分の映りを気にして、何枚も何枚も撮るインスタ狂のママを装った。おかげでバッチリ彼女の姿を記録に収められた。

「もおママ、インスタの写真はいいからさ、早く泳ぎに行こうよ」

「私はいいわ。みぃちゃんが寝ているしね。莉奈と一緒に子供プールに行っていてよ」

「じゃあ、ジュース飲んだら行こうぜ、莉奈」

 2つセットのサンベッドに生後6カ月の我が子を寝かせていると、ふと気づいた。

 水中眼鏡を装着し、コンビニであらかじめ買って来たジュースを飲んでいるカンタ。彼が座っていたのは、隣の女のサンベッドの片割れだった。

ミドリマチ
記事一覧
作家・ライター
静岡県生まれ。大手損害保険会社勤務を経て作家業に転身。女子SPA!、文春オンライン、東京カレンダーwebなどに小説や記事を寄稿する。
好きな作家は林真理子、西村賢太、花村萬月など。休日は中央線沿線を徘徊している。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ルポ:ギャラ飲み額はトップ級の30分1.35万円!看護師の夢と新たな野望
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
甘えっこ“たまたま”の「マズル、シッポ、にゃんたま」3点セット♪
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
ハーブ育てるなら一択!虫よけ・若返りにローズマリー、ほっぽらかしで◎
 猫店長「さぶ」率いる我がお花屋は、神奈川の片田舎にあります。4月とはいえ1日の寒暖差はすさまじく、朝晩はストーブ、日中...
不倫バレ。“妻の奈津と申します”に戦慄→“なに無視してんだよ”で眠れない
 あなたはこれまでに、緊張感がハンパないLINEのやりとりをした経験があるでしょうか?  今回は、不倫相手の妻や先...
「フェロモン診断」調香師が選ぶ GW旅行の疲れを癒すおすすめの香り
 もうすぐゴールデンウィーク、今年は旅行や帰省の予定を立てている人も多いのでは?  飛行機や電車での移動、長時間の...
新学期早々ピンチ! 子供の「学校に行きたくない」の最適解は?
 子供が「学校行きたくない」と言い出したら、親としてはとても不安になりますよね。理由は、いじめや人間関係、勉強の遅れや体...
陽だまりでゴロゴロ♡ お日様パワーを吸収する“たまたま”君
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
黄・紫・桜♪
 春の三原色を見つました。
ほっこり癒し漫画/第71回「はふはふぴたっ」
【連載第71回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
結婚式前夜、娘の門出を祝う「親として最後の教え」の内容に涙腺崩壊!
 入学や卒業、就職による1人暮らしなど、門出は1つの節目。嬉しい反面、どこか寂しさや不安を感じる瞬間でもありますよね。 ...
美人局の語源に「筒」と「陰茎」
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
帰ったらお風呂に…夫「沸いてるよ!子供が入ってる」危機管理能力ゼロや
 子育て中のママにとって、子供の命と健康を守るのは一番大切な使命。だからこそ、危機管理能力は嫌でも高くなります。 ...
メガバン妻が悟ったリーマンの限界値 吉祥寺より2駅下った中古マンション
 武蔵野の自然を携えそびえる瀟洒な白亜の建物は、まるでこの場所がヨーロッパの一都市であるかのような錯覚を与えてくれる。 ...
「夫の駐在時にね…」なぜあのコが?田舎の同級生“玉の輿婚”に心ざわつく
 独身時代は都心に暮らし、華やかな生活をしていた千佳。しかし、結婚を機に都内から離れ、武蔵境に住み始めた。しかし、妥協し...
豊洲の人生勝ち組妻でも幸せじゃない?彼女が裕福と引き換えに諦めた事
 独身時代は都心に暮らしていたが、結婚を機に武蔵境に暮らし始めた千佳。しかし、郊外のこの地を愛せない。そんな時、中学の同...
占い好きな成功者と占い好きな非成功者の違い…占いライターで一攫千金も
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...