大昔から「究極のモンスターペアレント」は存在した!? 激怒した親がトンデモ行動に…盲目的な愛が生んだ悲劇

MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)
更新日:2025-08-21 11:45
投稿日:2025-08-21 11:45

ヘロデ王が本当に守りたかったもの

 しかし、そんな虐殺まではしないとしても、時代を超えて人間には「自分の立場を守るために若い芽を摘む」という性質があります。

 そしてもう一つ「自分の子を守りたい」というもっと強い性質もあります。

 ヘロデはもちろん自分の立場も守りたかったのでしょうが、おそらくそれ以上に、自分の子を守りたかったのかと思います。

 なぜなら生まれたばかりの幼子が力を持つとしても、普通に考えれば20〜30年はかかります。と、いうことは、その子が脅威になるとしたら、それは自分に対してではなく、おそらく自分の子に対してです。

盲目的な愛が生んだとんでもない悲劇

 人は親になると「自分の子のためならなんだってする」という気持ちになるものです。

 普段は温厚な人が、自分の子のためとなると激しく怒ったり強引に権利を主張したりする、という光景は現代社会でもよく見られます。

 子のためになら時に命さえ惜しくないというのが親の心情ですが、言い換えれば、子のためなら、普通ならとてもできないこと、やらないことだってやってしまうのが親だということです。

 ヘロデ大王ももしかしたら、自分の子の立場が脅かされないのであれば大虐殺なんてしなかったかもしれません。

 親としての盲目的な愛がとんでもない悲劇を起こしてしまったのかもしれません。

書籍情報『聖書のなかの残念な人たち』

書名 : 聖書のなかの残念な人たち
著者 : MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)
発売日: 2025年5月26日
頁数 : 288ページ
定価 : 1,980円(税込)
出版社: 笠間書院

MARO(上馬キリスト教会ツイッター部)
記事一覧
 1979年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科、バークリー音楽大学Contemporary Writing and Production卒。キリスト教会をはじめ、お寺や神社のサポートも行う宗教法人専門の行政書士。約11万人のフォロワーを持つXアカウント「上馬キリスト教会」(@kamiumach)の運営を行う「まじめ担当」と「ふざけ担当」のまじめの方でもある。

 クリスチャン向けウェブサイト「クリスチャンプレス」ディレクター。

 著書に『上馬キリスト教会ツイッター部のキリスト教って、何なんだ?』(ダイヤモンド社)、『人生に悩んだから「聖書」に相談してみた』(KADOKAWA)、『聖書を読んだら哲学がわかった キリスト教で解きあかす「西洋哲学」超入門』(日本実業出版社)、『人生を深めるおとな聖書 教養とはこういうものだ。』(ポプラ社)、『ふっと心がラクになる 眠れぬ夜の聖書のことば』(だいわ文庫)、『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』(「ふざけ担当」LEONとの共著、講談社)などがある。

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