おばさんが目撃した「奇妙な痴漢」。若い女性を守るため、どうするのが正解だった?

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-08-13 11:45
投稿日:2025-08-13 11:45
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第41話は「夏の痴漢に要注意」。

痴漢? 露出狂?

 年を取って警戒しなくても良くなったのは、男性からの視線だ。もうおばさんなんて見ているわけがないのだから、意識を向ける必要はない。かつては電車内の痴漢で嫌な思いをしたり、露出をすれば性的に軽々しく見られるといった、どうしようもない忸怩(じくじ)を味わった。でもそんなことはもう気にしなくていい。アハハ、おばさん、最高! …なのだがおばさん予備軍に向けて、伝えたく、PCに向かっている。実は先日、奇妙な痴漢を目撃した。

 小田急線のとある駅で下車をした。夕方なのに明るく、気温も湿度も高い日。「ああ、喉が渇いた」と改札口脇にあるカフェチェーン店に入った。

【こちらもどうぞ】中年の会話は「あれ、あれ」のオンパレード。それでも“物忘れ”は悪くないと感じた女同士のとある会話

 レジでアップルジュースを受け取り、テーブルつきの一人掛けの席に座った。目の前にはカウンター席があり、5〜6個の椅子がある。その向こうはガラス張りで、駅構内に面している。つまり私の列の一人掛け席もカウンター席も、ガラスの方を向いている。いかにも都会らしい、狭いレイアウトだ。アップルジュースを飲みながら、暑さをひと段落。今夜の夕飯はどうしようかと、仕事帰りの小休憩。が、次の瞬間、カウンター席から目が離せなくなる。

 私から見てカウンター席右手の端に、若い女性が一人で座ってスマホを見ていた。その後ろ姿はとても露出度が高かった。ブラジャーが透けた、ウエスト丈よりも短いトップス。腰も素肌ごと、ショーツのラインも見えている。いや、おしゃれとして見せているのだろう。女性の左の席をひとつ空けて、白髪頭の初老の男性が座った。青いポロシャツを着ている。その男性が女性の腰まで手を接近させている。

(…あれ? え? 今、触ろうとしたよね?)

 目の前のハブニングが吸収しきれない。さらに驚いたのは男性が右腕を右の椅子にかけて、女性を覗き込みながら、左手を上下に動かしている。あきらかに自慰行為をしていた。待て待て待て。男性のすぐ向こうはガラス張りで、人の往来が激しい駅だ。

(はあ? このおっさん、右手の女の子をオカズにしながら抜いている?)

 とんでもない堂々とした反抗ぶりに疑問が止まらない。ただ緊急事態なのは、間違いない。このまま見過ごすわけにはいかない。周囲の客はおそらく見て見ぬふりをしている。

(椅子を蹴り上げて「おっさん、何してんの」とドスを効かせる? いや、それをしたら店に迷惑がかかる。ここは店員に対応してもらうしかないだろう)

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「性格悪いな…」要注意! 腹黒性格ブスが仕掛けてくる罠LINE3選
 世の中には「深入りしないほうが良い人」が存在するもの。もしかしたら、今あなたが仲良くしている人こそが距離を置くべきタイ...
週休2日制そろそろ限界説を唱えてみる 2023.7.9(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
鋼っぷりハンパない!メンタルが強い人の特徴6つ、取り入れても◎
 職場に一人はいる、メンタルが鋼のように強い人。たまに「この人鈍感なのかな?」と思うこともあるかもしれませんが、メンタル...
「陽キャは苦手」の概念が変わった!相手を“きもちく”するLINEテク3選
 暗い性格の人を「陰キャ」、陽気な性格の人を「陽キャ」と呼ぶのが浸透してきました。特に「陽キャ」はコミュニケーション能力...
片頭痛持ちの人は避けたい5つの食べ物 2023.7.8(土)
 嫌なタイミングで起こる頭痛。睡眠不足やストレスなどの生活習慣が原因のこともありますが、普段食べている身近な食べ物も頭痛...
すいかばかのレシピ~'23年<3>山梨で唯一、すいかを作る星に生まれた男
 山梨県のすいか生産量が全国47位、つまり最下位である理由。それは山梨県ですいかを作っているのは、「寿風土(こどぶきふう...
ヤバい輩湧かない?30代独女が0円で「語学交換アプリ」に1カ月挑戦!
 海外の観光客も戻り、ようやく観光地が賑わいを取り戻した昨今。日本からも海外へ旅行しやすくなり、「外国語を話せるようにな...
2023-07-08 06:00 ライフスタイル
梅雨色の景色を楽しむ 2023.7.7(金)
 この時期の雲は分厚くて、空が低い。  流れる雲を目で追っていたら、湿気を含んだ風が吹いてきた。  こうして...
大人こそ見直したい「自愛メソッド」甘やかしているだけになってない?
 2023年もあっという間に下半期ですが、みなさんちゃんと自分自身を大切にできていますか?「ご自愛ください」と人には言う...
皇居外苑を散策&SDGsなスタバがスゴイ! 2023.7.6(木)
 皇居周りは都心でありながら緑が豊かですよね。集う人々はランニングやサイクリングなど思い思いに楽しんでいます。普段運動し...
超貴重!ブリティッシュショートヘアの“たまたま”に完全降伏
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「子供産まない」人生を正解とする夫婦の価値観、つらいと感じる瞬間は?
 生活スタイルや働き方、恋愛に関しても自由になってきた今、結婚しても子供を産まないことが「正解」と考える人が増えてきまし...
LINEの返しにも滲み出るのねぇ…「頭がいいな」と思う人のレス3選
 頭がいいかどうかは、会話をするとよくわかるものです。頭が悪い人との会話はテンポが悪く、話していて疲れてしまう時がありま...
マイクロバッグなんて夢のまた夢…鈍器級の「重すぎ荷物」を減らしたい
「ちょっと友だちとランチするだけなのに、鈍器ほど重たい私のバッグはなんなん……」と、ゲンナリしたことありませんか? マイ...
多様性がなにか 小さな子どもはわかってる 2023.7.5(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
変態案件!? サボテン界の不思議ちゃん「リプサリス」は人気もうなぎ上り
「ワタシ、変態なんで」が、口癖の花屋の男友達K。このコラムでもたびたび登場する彼の性格はよく知っているつもりですが、それ...