木村文乃×ラウール「愛の、がっこう。」低空飛行から涙腺崩壊へ…評価を上昇させた演技力と脚本の凄み

更新日:2025-08-23 17:03
投稿日:2025-08-23 17:00

 夏ドラマもそろそろ後半戦へ。やはりTBS系の日曜劇場ブランドは強く、今期も松本潤(41)主演「19番目のカルテ」が8月17日放送の第5話で視聴率2ケタを割ったが、トップを独走している。一方、視聴率ではその半分程度とはいえ、ネット上での酷評さえ味方につけて、櫻井翔(43)主演の日本テレビ系土曜ドラマ「放送局占拠」はTVerのお気に入り登録数では断トツ。

「視聴習慣の日曜劇場、若年層受けの“占拠シリーズ”以外のドラマは、視聴率、TVer登録数、レビューサービスFilmarksでの評価にそれほど大きな差はないようです。ただ、個々に熱烈に支持する人がいて、極端に数字を落としているものがないのは救いかも」(テレビ誌ライター)

 そんな中、初回視聴率4.7%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)から第3話で4.1%まで下降、その他の指標でも上位に食い込めていないながらも、じわじわと評価を上げてきたのが木村文乃(37)主演のフジテレビ系木曜劇場「愛の、がっこう。」だ。

 木村扮する真面目すぎる高校教師と、ラウール(22=Snow Man)扮する読み書きが苦手なホストによる、《すれ違うことすらないはずの男女が織りなす禁断なのに純愛な“愛”の物語》(公式サイトから)。

 初回のラストに改正風営法を反映した注意喚起のテロップが流れて話題になったが、ドラマ自体の評価はパッとせず。《ラウールのホストが、ビジュ完璧》《ラウールの演技がうまい》などファンと思われるコメント以外は、《純愛を描くのにホストである必要がわからない》《ご都合主義な展開だし、いろいろ古い》など酷評が目立っていた。

 ただ、7月31日の第3話放送以降は、《ツッコミどころはあるけど、なかなか面白くなってきた》《不意打ちで泣かされた。もうネタドラマなんて言えない》などと見直す声も増えてきた。実際、8月14日放送の第6話は4.2%と、少し持ち直している。

 テレビコラムニストの亀井徳明氏も「確かに第3話からグッと面白くなってきましたよね」と、こう続ける。

「酒向芳さんのド昭和な父、田中みな実さんのテレビ局員でバリキャリな親友など、ステレオタイプなキャラの組み合わせと、どこか1990年代の野島伸司ドラマを思わせるような音楽の入れ方や全体のトーン。でも、メインの2人以外のキャラもちゃんと意味を持って動き出した感があるのが第3話でした。ヒロインの婚約者“川原ナニガシ”もキモくていい味ですし」

 見る人によっては一見古臭く感じても、クセになる空気感があるということか。

「ラウールさんのホスト役を見て、2000年代前半の『SMAP×SMAP』で木村拓哉さんがやっていた“No.1ホスト・ヒカル”を思い出したのは僕だけじゃないはず。それで言っちゃうと、この話、フジドラマ絶頂期の30年前に“キムタク+W浅野のどちらか”でやっていたら、視聴率30%を超えていたかもって思っちゃうんですよね」(前出の亀井徳明氏)

 第6話は《神回》ともっぱら、全編45分中42分が木村とラウール2人だけのシーンで、タイトルの句読点も回収され、「2人の演技力、井上由美子さんの脚本の凄みを感じました」(前出のテレビ誌ライター)。視聴率だけ見れば“低迷”に括られてしまうかもしれないが、巻き返しもある?

  ◇  ◇  ◇

 このドラマ、始まる前からいろいろゴタゴタがあった。関連記事【もっと読む】木村文乃“ホストドラマ”放送直前に改正風営法施行のトバッチリ…テレ朝の期待のシリーズも終了…では、ドラマ放送開始直前に法改正という間の悪い展開をはじめとするゴタゴタにについて伝えている。

エンタメ 新着一覧


綾と竹雄の“夫婦宣言”に分家の不満爆発!そしてタキの退場を彩る満開の桜
 万太郎(神木隆之介)は、祝言(しゅうげん)の席で改めてこれまでの感謝を述べ、今後、槙野の家の一切を姉である綾(佐久間由...
桧山珠美 2023-07-01 06:00 エンタメ
佐藤健は本当にノーダメージ? 広末涼子との情事が帳消しになるのは…
 女優の広末涼子(42)と「sio」オーナーシェフの鳥羽周作氏(45)のW不倫騒動で、火の粉をかぶったといえば、俳優の佐...
神回!寿恵子の美し過ぎる花嫁姿、万太郎と竹雄の“最後”のじゃれ合い
 万太郎(神木隆之介)に「お話しがあります」と呼びかける竹雄(志尊淳)。もう東京には戻らないつもりだと告げる。  ...
桧山珠美 2023-06-29 15:06 エンタメ
綾と竹雄のベストカップル誕生!遠巻きキスシーンに阿吽の狛犬
 酒屋の組合を作ろうと翻弄する綾(佐久間由衣)と竹雄(志尊淳)。が、女の蔵元というだけで心無い言葉を浴びせられ、協力者は...
桧山珠美 2023-06-27 14:07 エンタメ
広末夫の示談相手に成河が浮上 ざわつくミュージカル界イケメンの面々
 先週(18日)のキャンドル・ジュン氏(49)の会見はいろんな意味で衝撃でした。冒頭の「キャンドル・ジュンこと、広末ジュ...
山田涼介が“可哀想”脱出、歴代最低の木村拓哉は福山雅治に完敗したのか
 Hey! Say! JUMPの山田涼介(30)が出演したドラマ「王様に捧ぐ薬指」(TBS系)の最終回が今月20日に放送...
こじらぶ 2023-08-29 15:55 エンタメ
ひ孫を抱きたいと願うタキ、植物学界に一大波乱の“予告ナレ”にドキッ
 峰屋ではタキ(松坂慶子)が医師の鉄寛(綱島郷太郎)に、ひ孫をこの手に抱きたいという願いが出来たから、「わしを生かして」...
桧山珠美 2023-06-23 14:00 エンタメ
芸能史に残る広末涼子のW不倫騒動 夫の会見で“野次馬賛否”真っ二つの訳
 W不倫で無期限謹慎中の女優・広末涼子(42)の夫で、キャンドルアーティストのキャンドル・ジュン氏(49)が今月18日に...
新妻(予定)が過ごした部屋で…万太郎&寿恵子の恋人つなぎを目撃!
 白梅堂へ寿恵子(浜辺美波)との結婚の承諾を貰いに行った万太郎(神木隆之介)。「寿恵子さんを必ず、必ず幸せにします」とま...
桧山珠美 2023-06-22 09:34 エンタメ
万太郎のプロポーズに「並んで走る」と返した寿恵子の尊い覚悟
 ユウガオのお姫様、純白ドレスの寿恵子(浜辺美波)が十徳長屋の万太郎(神木隆之介)のもとにやってきて、ざわめく長屋の住人...
桧山珠美 2023-06-19 14:50 エンタメ
声優界の元祖イケボ!神谷明のシティハンター・冴羽リョウに尊敬しかない
 今から2年前の2021年のことです。宝塚歌劇団が北条司原作の「シティハンター」を上演するということでざわついたものです...
「高藤(伊礼彼方)赤っ恥」の巻! 画面を飾ったユウガオ姫の純白ドレス
 万太郎(神木隆之介)から預かった釣書を一刻も早く持っていきたい大畑(奥田瑛二)だったが、仏滅では縁起が悪いと妻イチ(鶴...
桧山珠美 2023-06-18 15:39 エンタメ
広末涼子“稚拙かわいい”謝罪文に夫の文字ナシ、W不倫に溺れた覚悟は?
 ミシュラン1つ星のフレンチレストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作氏(45)とのW不倫を認めた女優・広末涼子(4...
「劇場版シティーハンター」プレス発表で小室哲哉が語った“自虐”コメント
 1980年代・90年代に北条司の漫画をもとに放送されたアニメシリーズ「シティーハンター」。  主人公の冴羽リョウ...
“桐島部活”への敬意、徳永助教授(田中哲司)実はいい人パターンだった
 石版印刷の技術を習得した万太郎。ようやく納得のいく刷り上がりになり、いよいよ、植物学の学会誌を大畑印刷所に注文する。 ...
桧山珠美 2023-06-13 14:00 エンタメ
「日曜の夜ぐらいは…」川村壱馬にキュン 青田買いしたい役名無し俳優は
 川村壱馬(かわむら・かずま)にキュンキュンしています。THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカ...