吉沢亮が「国宝」級に美しい…隠れた名作5選。伝説級漫画の実写化で見せた“危うい”笑顔にゾクッ

zash
更新日:2025-09-22 13:26
投稿日:2025-09-02 11:45

『リバーズ・エッジ』(2017)

 2017年、ある程度のキャリアを重ねてきた吉沢さんは、演技の幅を広げるべく挑戦的な役柄に挑むようになります。その代表格と言えるのが、『リバーズ・エッジ』でしょう。

 同作は、90年代にカリスマ的人気を誇った伝説的漫画の実写化。古いビデオを彷彿させる映像で、若者たちの生と死についてリアルに描き出す作品のなかで、吉沢さんはゲイの青年・山田一郎役に扮しています。二階堂ふみさん演じる若草ハルナと、ある秘密を共有し、恋とも友情とも言えない関係性を構築していきます。

 本作における俳優・吉沢亮の美しさが最も際立つ瞬間。それは、内に秘めた狂気を滲ませた瞬間だと筆者は考えます。本作の吉沢さんは、終始、退廃的なオーラを醸し出し、何を考えているのか、どこを見ているのかさえ分からない表情。そんな吉沢さん演じる山田が、恋人のフリをしていた女子生徒の死を目の当たりにした瞬間、満面の笑みを見せるのです。

 この時の吉沢さんは一層の輝きを放ち、その危うさを漂わせた笑顔には、思わず目が釘づけになってしまいます。抗うことのできない美しさとはまさにこのことだと実感させられること請け合いです。

『青くて痛くて脆い』(2020)

 その美しさと演技力を武器に、人気俳優の地位を欲しいままにするようになった吉沢さんですが、決して安易な作品選びをしないことでも知られています。
2020年の『青くて痛くて脆い』では、そんな吉沢さんの俳優としての心意気を感じさせる演技を堪能できます。

 吉沢さん扮する大学生の田端楓は、他人との距離を保つことで、上手く生きてきた青年。ある日、彼は周囲から浮いている個性的な同級生・秋好寿乃(杉咲花)と出会います。彼女と共に、世界をより良くするためのサークル「秘密結社モアイ」を作ることになった楓の人生は良い方向へと向かうはずでした…。大学生は大人になる一歩手前。まだまだ青くて脆くて、痛みを伴う生活を送らなくてはなりません。

 前述のように、吉沢さんの美しさが最も際立つ狂気めいた魅力が本作でも遺憾なく発揮されているのです。

 本当は自分の正直な感情を表に出したい。けれどもなりたい自分にはなれなかった。そのもがきが狂気となり、吉沢さんの緩急自在の演技を呼び起こします。

 狂気めいた鋭い眼差しを杉咲花さん演じる寿乃へと向ける姿、闇堕ちし復讐に走る姿、そしてストーカー紛いのことを繰り返す姿…そんなメンヘラ粘着質な演技が逆に美しさを醸し出しているのです。

 危険な香りを漂わせた男がカッコ良く映ることはよくありますが、たとえ普通に近くにいたらとことんキモすぎる男を演じていたとしても、その要素がより美しさを助長させるなんて…そんな俳優は、この世に吉沢さんしかいないのではないでしょうか。

子どもの頃から培ってきた映画、海外ドラマ、特撮、アニメの知識を活かして活動中。各媒体でコラム、取材レポート、インタビュー記事を執筆する他、雑誌やマスコミ用リリースへの寄稿も行っている。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


光GENJIは全盛期でも年収3000万円なのに…同時期にジャニー&メリーが3億円超稼げていたワケ
 芸能界では経営陣とタレントで、なぜかくも収入に大きな差が出るのか。10月16日放送の「あの金どこいった?~逆転人生にか...
2025-11-08 17:03 エンタメ
「ばけばけ」“女中”が意味するのはどっち? おトキ(髙石あかり)のうらめしい世の中は続く…
 ヘブン(トミー・バストウ)は錦織(吉沢亮)と一緒に借家へ引っ越しをしていた。新居に満足気なヘブンだったが、いまだ女中が...
桧山珠美 2025-11-08 12:45 エンタメ
“松本人志ファン”として言わせてください。『DOWNTOWN+』は天才的だった。だが「松本、動きました」はダサかった
 2024年1月から芸能活動を休止していたお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志(62歳)が、約1年10カ月ぶりに活動再開...
堺屋大地 2025-11-08 11:45 エンタメ
夏帆&竹内涼真「じゃあ、あんたが」ダントツ人気の“勝男”の脇で輝く「楽駆」がブレーク寸前!
 勢いが止まらない。夏帆(34)と竹内涼真(32=写真)がダブル主演のTBS系火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」...
2025-11-07 17:03 エンタメ
長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク
木村拓哉(52)と工藤静香(55)の長女でフルート奏者のCocomi(24)と、バレーボール日本代表の小川智大(29...
2025-11-07 17:03 エンタメ
「流行語大賞」アンチは今年なぜか沈黙…5年ぶり野球用語なしと話題だが“隠れ野球用語”がノミネート!
 年末の恒例イベント「新語・流行語大賞」のノミネート30語が11月5日に発表された。今年は昨年までの「ユーキャン」の冠が...
2025-11-12 12:13 エンタメ
『ラブ トランジット』3、ついに決断の瞬間! 永遠のテーマ「良い人だけど付き合えるか」問題がリアルすぎ【8話レビュー】
『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)、最終話が配信されました! 『ラブ トランジット』(以下ラブト...
中村未来 2025-11-07 11:45 エンタメ
さわやかなイケメン選手のはずが…男子バレーボール高橋藍の“ウラの顔”
【芸能界クロスロード】  男子バレーボールの髙橋藍(24)がインフルエンサーのuka.、AV女優の河北彩伽と二股交際し...
2025-11-06 17:03 エンタメ
渡邊渚にとってファンは単なる「収入源」? 相次ぐ“カネ”をめぐる発言に問われるプロ意識
 元フジテレビアナウンサーで現在はフリーで活躍する渡邊渚(28)の口から飛び出す言葉に注目が集まっている。渡邊は自身がM...
2025-11-06 17:03 エンタメ
高石あかり「ばけばけ」おじじ様にブーイングも…視聴率上昇のカギはヒロイン輝かせる“脇役の法則”
 ついに“未来の夫”が来日し、物語が大きく動き出した。NHK朝ドラ「ばけばけ」。小泉八雲の妻セツがモデルのヒロイン・松野...
2025-11-06 17:03 エンタメ
ドジャース山本由伸は注目モデルNikiとゴールイン? 山下智久、新田真剣佑と撮られた過去と評判を振り返る
 ワールドシリーズで連覇を果たしたロサンゼルス・ドジャース。このシリーズ3勝を挙げた山本由伸投手(27)がMVPを獲得。...
2025-11-06 17:03 エンタメ
永野芽郁しれっと2026年カレンダー発売も騒動は終わらない! 焦点は今年のクリスマス
 女優の永野芽郁(26)の2026年カレンダーが12月21日に発売されるという。バージョンは壁掛け用と卓上用の2つ。マネ...
2025-11-06 17:03 エンタメ
『ラブ トランジット』3、恋愛って“物わかりの良い女”より“ゴリ押し”が勝ったりするよね【7話レビュー】
『ラブ トランジット』シーズン3(Prime Video)が7話目までが配信されました! 『ラブ トランジット』(以下ラ...
中村未来 2025-11-06 11:45 エンタメ
「ばけばけ」ラスト、タエ(北川景子)の姿に衝撃…!一方、錦織(吉沢亮)はいつ“相棒”になれるのか
 平太(生瀬勝久)とのケンカから、旅館を出て家を借りて暮らしたいヘブン(トミー・バストウ)。その世話をする女中探しを任さ...
桧山珠美 2025-11-05 17:25 エンタメ
近年の『M-1グランプリ』は優勝より過程が面白い?『タイプロ』のような“熱狂”が生まれる理由
 年末の風物詩『M-1グランプリ』(ABC・テレビ朝日系)。8月から1回戦が開始し、現在早くも3回戦の真っただ中です。 ...
「ばけばけ」錦織(吉沢亮)、バカ正直にもほどがあるぞ。“どっちもできる女中”ゲスい要望がやりきれない
 トキ(髙石あかり)はフミ(池脇千鶴)と花田旅館にしじみを売りに来たところ、ヘブン(トミー・バストウ)と平太(生瀬勝久)...
桧山珠美 2025-11-04 18:15 エンタメ