視聴率苦戦も“完再生率”で今期トップ! 斎藤工「誘拐の日」はテレビ朝日の新ドラマ戦略なのか

更新日:2025-09-02 17:03
投稿日:2025-09-02 17:00

 昨年10月期にフジテレビが連ドラ枠を復活させ、テレビ朝日との「53年ぶりのドラマ対決」となった火曜夜9時。今期はテレビ朝日が斎藤工(44=写真)主演の「誘拐の日」、フジテレビが森川葵(30)主演の「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」を放送。TVerのお気に入り登録数とFilmarksの評価で若干上回っている「誘拐の日」は、早くも2日に最終回を迎える。

「放送時間が重なることで“対決”なんて見方をするのは、録画や配信での視聴がこれだけ増えた時代にはナンセンス。それぞれ見どころも違えばターゲット層も違うので、勝敗をつける意味はないですが、視聴率5%前後という数字は、あえておじさんメディア風にいうなら“どちらも苦戦”といったところでしょう」(テレビ誌ライター)

 ただ、TVerの見逃し配信でどれだけの視聴者が最後まで見続けたかの割合を示す“完再生率”では、「誘拐の日」が今期の全ドラマ中で1位という調査結果もある。

 ネット上では《設定に無理がありすぎて入り込めない》《全体的に地味》という辛口な意見がある一方で、《ミステリーなんだけどところどころほんわかしていて、ジワる》《最初は地味だなと思っていたけど、見始めたら止まらなくなった》《永尾柚乃ちゃんの演技がすごくて目が離せない》などと評価も上昇していった。

「『誘拐の日』は考察好きが食いつくミステリー展開に加え、斎藤工さんの“間抜けでお人好しな誘拐犯”と永尾柚乃さんの“毒舌の天才少女”という異色コンビ、安達祐実さんと永尾さんの“新旧天才子役競演”など、話題にしやすい要素が目立ちます。流し見や飛ばし見がしにくい仕掛けも、見始めたら離脱者が少ない理由なのかもしれないですね」

 そう語るのはテレビコラムニストの亀井徳明氏。亀井氏は「ただ、リアタイ視聴をする層にはあまり向かない部分もある」と、こう続ける。

「テンポとか、絵作り、アングルなどが従来のこの時間帯のドラマよりも深夜ドラマに近い感じ。視聴率での苦戦はある程度覚悟の上で、コアなドラマファンを狙ったことがうかがえます。見続けていた視聴者には、8月26日放送の第8話のラスト、斎藤さんと永尾さんが抱き合うシーンにはグッときたでしょう。2人の運命と事件の真相が明かされる最終回への期待は高まります」

 同枠では10月から、大泉洋(52)主演の「ちょっとだけエスパー」がスタートする。脚本はTBSの「逃げ恥」や「アンナチュラル」「MIU404」などの“名手”野木亜紀子氏で、テレ朝ドラマは初登板だ。

「発表資料で思い浮かんだのは、日本テレビで今年1月に放送されたバカリズムさん脚本の『ホットスポット』。でもそれに近そうで全然違うプチSFになるんでしょうね。リアタイ視聴者を意識した王道的なものよりクセのある作りにして、“ハマる人にはハマる”ドラマにする狙いがあるのかもしれません」(前出の亀井徳明氏)

 テレ朝火曜9時は、ターゲットをあえて狭くして、視聴率よりも現実的な指標の“完再生率”でナンバーワンを目指す?

  ◇  ◇  ◇

 高好感度俳優の大泉洋に“同情の声”が上がっている? なぜが気になるなら、関連記事【もっと読む】は必読だ。

エンタメ 新着一覧


『あんぱん』ツダケンの“にゃあ”が秀逸だにゃあ!「月刊くじら」には色々とツッコミどころもあるが
『月刊くじら』創刊号は2日で2000部を売り切り、好調な滑り出しを見せる。嵩(北村匠海)は『月刊くじら』編集部に異動に。...
桧山珠美 2025-07-09 17:00 エンタメ
【10万いいね】鈴木えみ、20年前→現在の比較写真が“美しすぎる”と絶賛「変わらなすぎ!」「今の方が可愛い説まである」
 ファッションモデルから俳優業まで、幅広い分野で活躍する鈴木えみさん(39)。2025年7月7日に自身のInstagra...
春ドラマの評判を調査!本命『最後から二番目の恋』は2位。1位は意外な快進撃。日常系が人気、刺激疲れか?
 2025年の春ドラマが、次々とフィナーレ。今期はSNSでバズった顔ぶれも多く、ドラマファンからしても楽しいシーズンだっ...
「あんぱん」嵩は受かるのか…って次週予告編でネタバレか? アンパンマン声優の姿もチラリ
 のぶ(今田美桜)の家で暮らすことになったメイコ(原菜乃華)は、夢に向かって一歩を踏み出す。そしてのぶも、月刊誌の刊行に...
桧山珠美 2025-07-05 08:00 エンタメ
『あんぱん』のど自慢といえば「ひよっこ」有村架純を思い出す。メイコが歌うのはどの歌なのか?
 夕刊の話がなくなり、時間を持て余すのぶ(今田美桜)だったが、夕刊の代わりに月刊誌を出せることに。岩清水(倉悠貴)と歓喜...
桧山珠美 2025-07-03 18:11 エンタメ
TOKIO 国分太一騒動で危うい“料理イケメン”たち「男子ごはん」での気になる発言
 またひとり、旧ジャニーズのタレントが消えてしまいました。今度はTOKIOの国分太一(50)です。今月20日、無期限の活...
東海林(津田健次郎)はエラいのかポンコツなのか? ともあれ“ツダケン”の魅力的な演技に惚れ惚れ
 高知新報が夕刊発行の申請をし、のぶ(今田美桜)は編集長を任された東海林(津田健次郎)と先輩記者の岩清水(倉悠貴)と共に...
桧山珠美 2025-07-01 18:19 エンタメ
【再募集】2025春ドラマどうだった?面白かった&ガッカリを教えて!『あんぱん』『最後から二番目の恋』『対岸の家事』etc
 引き続き、2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。続々と最終回を迎えた4月よりスタートの春ドラマ、あなた...
「あんぱん」竹野内豊らが退場→津田健次郎と倉悠貴が新たに補充。イケメン好きにも優しい朝ドラに感謝したい
 闇市で渡された東海林(津田健次郎)の名刺を頼りに、高知新報にやってきたのぶ(今田美桜)。しかし、東海林は全く記憶にない...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
さや香、バッテリィズ…意外と多い「不仲コンビ」にグッとくる理由。仲良し芸人だけが正解なのか?
 千鳥MC『相席食堂』(ABC/テレビ朝日系)の6月3日放送回にて、「カウンセリング相席」と称した、お笑いコンビ・流れ星...
『あんぱん』嵩(北村匠海)に“たっすいがー”の面影はない。のぶへの言葉が胸を打つ「正しい戦争なんか、あるわけがないんだ」
 空襲の焼け野原でひとり佇むのぶ(今田美桜)の前に、嵩(北村匠海)が現れて再会を果たす。釜次(吉田鋼太郎)から事情を聞い...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
国分太一活動休止で消えた「TOKIO再集結」の光…木村拓哉に見せていた別の顔
 6月20日、複数のコンプライアンス違反があったとして、TOKIOの国分太一(50)が無期限の芸能活動休止を表明した。出...
こじらぶ 2025-06-25 07:50 エンタメ
大泉洋こそ“真のモテ男”じゃないか?「かくかくしかじか」の圧倒的な存在感に新たな一面を見た
  先日、いろんな意味で話題の映画「かくかくしかじか」を鑑賞してまいりました。「東京タラレバ娘」や「海月姫」などのヒット...
「あんぱん」のぶ、“落とし前”の付け方はそれでいいのか。次郎役の中島歩はあまりにも素晴らしかった
 終戦から5か月が経ち、国民学校ではGHQの指導のもと軍国主義教育からの転換が図られる。のぶ(今田美桜)は病気が一向に回...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
『バチェラー6』第8話(最終話)を正直レビュー! ラスト予想、当たった人いるの? 制作サイドにまんまと騙されました
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第8話。本編最終回です。小田...
中村未来 2025-07-25 15:23 エンタメ
曽田陵介、FANTASTICS佐藤大樹と“縁”に驚き「青春時代の人が隣にいた!」甘酸っぱい中学生の頃
 2019年に俳優デビューをきっかけにドラマ、映画、舞台とさまざまな作品に出演。そして先ごろ放送を終了した『いつか、ヒー...
望月ふみ 2025-06-23 07:00 エンタメ