視聴率苦戦も“完再生率”で今期トップ! 斎藤工「誘拐の日」はテレビ朝日の新ドラマ戦略なのか
昨年10月期にフジテレビが連ドラ枠を復活させ、テレビ朝日との「53年ぶりのドラマ対決」となった火曜夜9時。今期はテレビ朝日が斎藤工(44=写真)主演の「誘拐の日」、フジテレビが森川葵(30)主演の「スティンガース 警視庁おとり捜査検証室」を放送。TVerのお気に入り登録数とFilmarksの評価で若干上回っている「誘拐の日」は、早くも2日に最終回を迎える。
「放送時間が重なることで“対決”なんて見方をするのは、録画や配信での視聴がこれだけ増えた時代にはナンセンス。それぞれ見どころも違えばターゲット層も違うので、勝敗をつける意味はないですが、視聴率5%前後という数字は、あえておじさんメディア風にいうなら“どちらも苦戦”といったところでしょう」(テレビ誌ライター)
ただ、TVerの見逃し配信でどれだけの視聴者が最後まで見続けたかの割合を示す“完再生率”では、「誘拐の日」が今期の全ドラマ中で1位という調査結果もある。
ネット上では《設定に無理がありすぎて入り込めない》《全体的に地味》という辛口な意見がある一方で、《ミステリーなんだけどところどころほんわかしていて、ジワる》《最初は地味だなと思っていたけど、見始めたら止まらなくなった》《永尾柚乃ちゃんの演技がすごくて目が離せない》などと評価も上昇していった。
「『誘拐の日』は考察好きが食いつくミステリー展開に加え、斎藤工さんの“間抜けでお人好しな誘拐犯”と永尾柚乃さんの“毒舌の天才少女”という異色コンビ、安達祐実さんと永尾さんの“新旧天才子役競演”など、話題にしやすい要素が目立ちます。流し見や飛ばし見がしにくい仕掛けも、見始めたら離脱者が少ない理由なのかもしれないですね」
そう語るのはテレビコラムニストの亀井徳明氏。亀井氏は「ただ、リアタイ視聴をする層にはあまり向かない部分もある」と、こう続ける。
「テンポとか、絵作り、アングルなどが従来のこの時間帯のドラマよりも深夜ドラマに近い感じ。視聴率での苦戦はある程度覚悟の上で、コアなドラマファンを狙ったことがうかがえます。見続けていた視聴者には、8月26日放送の第8話のラスト、斎藤さんと永尾さんが抱き合うシーンにはグッときたでしょう。2人の運命と事件の真相が明かされる最終回への期待は高まります」
同枠では10月から、大泉洋(52)主演の「ちょっとだけエスパー」がスタートする。脚本はTBSの「逃げ恥」や「アンナチュラル」「MIU404」などの“名手”野木亜紀子氏で、テレ朝ドラマは初登板だ。
「発表資料で思い浮かんだのは、日本テレビで今年1月に放送されたバカリズムさん脚本の『ホットスポット』。でもそれに近そうで全然違うプチSFになるんでしょうね。リアタイ視聴者を意識した王道的なものよりクセのある作りにして、“ハマる人にはハマる”ドラマにする狙いがあるのかもしれません」(前出の亀井徳明氏)
テレ朝火曜9時は、ターゲットをあえて狭くして、視聴率よりも現実的な指標の“完再生率”でナンバーワンを目指す?
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