昭和や平成にいた“カタカナ職業”とは何だった?バブルを生きた男が思う「総クリエイター時代」の清々しさ

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2025-09-13 08:00
投稿日:2025-09-13 08:00
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳の時に仕事中心で働く生き方をドロップアウト。現在は悠々自適な老後(?)を送りながら、還暦過ぎの童貞としてメディアに登場して注目を集めています。

カタカナ職業がカッコイイ?

 Hello、本日も童貞なり。

 最近はめずらしくもなんともない言葉だけど、創造的な仕事をする人を「クリエイター」なんて呼ぶようになったのは、たぶん1980年代頃から。

 それまでも著名なイラストレーターやカメラマンはいたけど、コピーライターやスタイリスト、ヘア・メイクにアート・ディレクターとかいう職業が世の中に認知され始めたのもこの頃だったように思う。こんな人たちを総称して、クリエイターって呼んでたような気がする。

【読まれています】人生64年ずっと実家暮らしですが何か? 介護に看取り…「子ども部屋おじいさん」が至った境地

 糸井重里さんが数々のメディアに露出するようになってからは、コピーライターという職業に憧れる若者も多かった。

 信じられないかもだけど、その頃はコピーライターのことを「会社でコピーを取る人」と勘違いしている人もいたくらいで、それくらい一般の人たちにとっては馴染みがなくて新しい仕事だった。

 オレも親や親戚に「将来はグラフィック・デザイナーになる」と伝えたときは、「どんな仕事? そんなんで食べていけるのか?」なんて心配されたよ。

 それまでは広告・出版業界のいわゆる“裏方”だった人たちにスポットが当たるようになって、ちょっと何をやっているのかわからないような「カタカナの職業がカッコイイ」と思われていた時代だった。何やら浮ついたバブル前夜の空気だね。

クリエイターは「神」なのか?

 パソコンがなかった時代、デザイナーになるためには版下製作といって、厚紙に、印画紙に文字を転写したものをカッターで切り貼りして、印刷屋に入稿する「版」をつくる仕事からスタートすることが多かった。

 版をつくる仕事はデザイナーの仕事より格下とされていて、デザイナーの人に意味もなく怒られたり、見下されたりなんて日常茶飯事。そんな経験もあって、憧れていたはずのデザイナーという人種がなんだか嫌いになってしまった。

 だから、フリーのデザイナーになってからも、職業を聞かれたら「自営です」とか「自由業」とか答えていたし、途中で名刺に書いてある「デザイナー」の肩書も外してしまったんだ。

 …と、ここまではオレの話なんだけど、当時の出版業界はカタカナ職業の“自称クリエイター”たちであふれていた。名乗るのに何か資格がいるわけじゃないから、言ったもん勝ちなんだけど、クリエイターという言葉はもともと「神」とか「創造者」という意味。

 だから、自称クリエイターは「自分は神だ」と言ってみたいで、ヤバイ人じゃない? もちろん、そこから始まって徐々に実力を付けた人たちもいるんだけどね。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


思わず二度見!『バブ』新商品・MEGA級のボコボコ泡の実力は? 自宅の風呂がジャグジーになるのか
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの? 」「買ってみたいけれど、...
手のぬくもりとともに
 自然と手を合わせるときの気持ちって、  みんな、おんなじだよね。
実りの秋! 澄みわたる青空の下“たまたま”狩りに出かけませんか?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
女と水がいっぱいだ…『娑婆』は何て読む? ヒント:「娑婆はいいな」
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第83回「迷いインコ歌をうたう 前編」
【連載第83回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
中目黒「ダコー」はまだ大混雑? 代官山「無印良品」新店はオサレな店員さんだらけだった!【秋の東京散歩】
 8月のオープン時には話題を呼び、大行列をなしていた中目黒のパン屋「ダコー(dacō)」。あれから2カ月が経ち、やっぱり...
下世話な仕事がバレた? 夫や息子の「意外な反応」で主婦が気づいたこと
 大崎の高層マンションに暮らす華は、テレビ局に勤める夫・大輔と二人の子供に囲まれ悠々自適な専業主婦生活を送っている。毎日...
地味な女に負けた? 夢を諦めた“こたつライター”の「プライド」が砕かれるまで
 大崎の高層マンションに暮らす華は、テレビ局に勤める夫・大輔と二人の子供に囲まれ悠々自適な専業主婦生活を送っている。毎日...
私の「仕事」は夫に内緒。専業主婦が下世話なゴシップにのめり込むワケ
 夫を仕事に、ふたりの息子を小学校に送り出してからが、自分の時間だ。  長時間かけて丁寧に淹れたブルーマウンテンを...
プロ作家・村上龍先生をリスペクト。64歳のプロ童貞が語る「自己啓発本を好きなこれだけの理由」
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
「#男児ママ」トレンド入り 小学校低学年の息子が大浴場で誰かに触れて問題になったら?【弁護士解説】
 9月末、X(旧ツイッター)で「男児ママ」がトレンド入り。これは男児を銭湯や温泉、または女子トイレに連れてくる男児の母親...
え、これだけで? 爆速で人と仲良くなれる「超簡単」なテクニック
 みなさんは距離を縮めたい人にはどんな風に接していますか? 私はミリ単位でジリジリ近づくことが多いのですが、スナックでの...
ボサ髪にギョッ! 100均ヘアグッズで「ちゃんとした女」に変身できる?
 写真や動画を見返した時、自分の髪がボサボサすぎてギョッとしました。「いい加減ヘアセットくらいしようよ」と出かける前の自...
最近の小学校で教わる「ふわふわ言葉」って何? 大人こそ大切にしたい心地よい言葉6選
 皆さんは「ふわふわ言葉」を知っていますか? 最近の小学校の教育現場で教材になっている、子供だけでなく大人こそ改めて大切...
プー太郎君の「ほよよ顔」に癒される~♡ 猫カフェで至福のひと時
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「リンドウ(竜胆)は仏花」と決めつけるのはもったいない! “花が咲くリンドウ”を楽しんで
 日中は冷房、夜は毛布をかけて寝る不思議な時期です。これを秋と呼んでいいのかは迷いますが、季節の移ろいを感じる今日この頃...