『有吉の壁』ブーム期待も…人気キャラの“展開”に冷めた視線。番組の過剰な介入で萎えるファンの複雑心理

小政りょう ライター
更新日:2025-09-11 11:45
投稿日:2025-09-11 11:45

番組関係内に留めた「TT兄弟」「KOUGU維新」

『有吉の壁』のいいところは、ヒットしたキャラを番組内で安く使い倒さないところでした。

「TT兄弟」も「KOUGU維新」も、あるいは「Mrパーカージュニア」「ストレッチャーズ」なども、番組内でさらに猛プッシュできる余裕はあったはずですが、キリのいいところで見切りをつけ、その後は番組内イベントで披露するのみという潔さがありました。

 その後、キャラ自体が自立をし、番組を超えてCMに採用されたり、他バラエティで披露されるなど、さらに広がりを見せることもありました。

 有吉さんも、世間でどんなに番組発のキャラやネタが盛り上がっていようが、ネタのマンネリを感じればそれを口に出し、早期の終了を促しています。

 お笑い的な腐しもあるでしょうが、もう一つの理由として、電波少年芸人として、そしておしゃべりクソ野郎から派生するあだ名キャラとして自身が消費されていった経験からくる、「芸人が一過性のキャラ頼みにならないための愛情」なのかもしれません。

 また、番組がひとつのキャラに頼ることによって、それ目当てのお客さん頼みになってしまうのを懸念しているのでしょう。

座長・有吉の優しさ

 有吉の壁がいまもなお勢いを失わずに人気番組であり続けているのは、そんな有吉さんのお笑いへの客観的な姿勢と愛情がなせる業なのかもしれません。


『京佳お嬢様と奥田執事』も、番組MCの有吉さんがとっていた俯瞰のスタンスを制作側も徹底しておけば、もう少し視聴者的な楽しみが長持ちしたような気がしてなりません。

 もし、公式が首を突っ込むにしても、商機を失う可能性は覚悟のうえで、落ち着いたタイミングを待って欲しかったです。

小政りょう
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映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

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