丹生明里は幅広い世代から愛される「おもしろかわいい、しっかり者」
【次世代バラエティー女王を探せ!】#4
丹生明里(元日向坂46)
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坂道シリーズのアイドルグループ卒業メンバーで最近バラエティーで活躍しているのは、ドラマでも活躍する斉藤京子、影山優佳(ともに元日向坂46)、コメンテーターとしても活躍する山崎怜奈(元乃木坂46)など。元乃木坂46の松村沙友理は「坂上&指原のつぶれない店」(TBS系)で万能なスーパーバイトリーダーとして、新しい魅力が開花した。
坂道出身で、もっとバラエティーで活躍してほしい逸材として注目されるのが、元日向坂46の丹生明里だ。
ゲームにも造詣が深く、ゲームバラエティー「有吉ぃぃeeeee!」(テレビ東京系)に常連ゲストとして出演してきたが、9月からはゲーム配信者のスタンミとともに新番組「スーパーファミリーゲーミング」(テレビ朝日系)で地上波初MCを担当する。
2001年2月15日生まれ、埼玉県出身。17年にオーディションで合格して、けやき坂46(現・日向坂46)に加入。23年には9thシングル「One choice」で初めてセンターポジションを担当した。
彼女は、一見おとなしそうな正統派タイプだが、グループ加入当時からメンバーの間でも「見ているだけで面白い」と注目されていた。
日向坂46時代にインタビューしたことがあるが、「電車でゆらゆらと揺られて、外の風景をぼーっと見ているのが好き」(日経BP社・ムック「日向坂46Special」20年2月発行)と語っていたのが印象的で、「電車でゆらゆらと」という表現が秀逸だと思った。
25年1月にグループを卒業してからは、5月に舞台版「フラガール」で主演したほか、さまざまなバラエティーに出演。中でも彼女の持ち味がよく出ていたのが、7月に放送された「○○で一番面白い話」(NHK)の東京・東村山市編。東村山市に関するVTRを山里亮太・増田明美・原田泰造とともに見る番組で、「ぼそっと核心を突いたことを言う」という丹生明里の特徴がよく出ていた。
明るいキャラと笑顔で共演者に愛されている様子も伝わってきて、バラエティーでの可能性を感じた。
彼女の魅力をひと言で表すなら、「おもしろかわいい、しっかり者」。すごくインパクトがあるわけではないが、ちゃんとしていて好感を与えるので、ギャルやタメ語の女性タレントを苦手とする親世代の視聴者も、丹生明里のことは認めてくれるはずだ。
視聴者をなごませ、ホッとさせる存在として、今のバラエティー番組には彼女みたいな人も必要なのでないか、と思う。
(高倉文紀/女優・男優評論家)
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