「あんぱん」最終回。半年間、2人を見守ってきた視聴者にはグッとくる場面…ま、終わりよければすべてよし!

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2025-09-27 15:10
投稿日:2025-09-27 12:30

のぶ、ドキンちゃんの面目躍如

「嵩さんは、いつもうちの心を明るく照らしてくれた。お父ちゃんがのうなったときも、自分が生きちょってえいがかわからんなったときも。どんなときも格好つけんと、弱い自分を見せてくれた。やき、うちは救われたがよ。そういう、たっすいがぁの嵩が大好き!」

 そんなふうに語るのぶを、嵩がぎゅっと抱きしめました。

「ねえ、のぶちゃん、教えてくれないか。ぼくは何をしてあげられるのか」と嵩に訊かれ、「ほいたら、うちの一番好きなあの歌、歌うとうて」とのぶ。リクエストに答え、嵩が「アンパンマンのマーチ」を歌うと、「嵩さんが初めに書いた歌詞、それがいい」とむちゃぶりするのぶ。

 のぶの命の期限があとわずかだと知っている嵩に、そんな無茶ぶりをするのぶ、ドキンちゃんの面目躍如といったところです。

「♪そうだ、うれしいんだ生きるよろこび。たとえ命が終わるとしても……」

「うちの残りの命、嵩さんにあげるきね」とのぶ。

 そんなふうに美しい“夫婦愛”で終わっていくのか…と思ったら、朝ドラ「あんぱん」の秘儀、すっ飛ばしを最後の最後でやってくれました。

 それから5年間、のぶは元気に暮らせることができました。仲良く犬の散歩をする老夫婦。あれれ、犬なんて飼っていましたっけ? 見た目は老けても、声の若さは隠しようもなく…。なにかいろいろ託されていた中尾星子(古川琴音)はなんだったのでしょう。時間配分、これで合っていますか? 

 ま、終わりよければすべてよし、ということで。林田アナが流行らそうと頑張った(!?)「ほいたらね」ですが、「じぇじぇじぇ」のようにはいかなかったようで……。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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