更新日:2025-10-21 11:45
投稿日:2025-10-21 11:45
表現者の苦悩が通じる『線は、僕を描く』(2022)
『国宝』では、女形として一つ一つの所作を指先に至るまで繊細に表現しつくした横浜さん。繊細な表現が求められる現場はさぞ苦労したかと思いますが、実は遡ること3年前、横浜さんは水墨画という芸術を題材にした作品で‘‘繊細な表現''を経験していたのです。
本作は、家族を津波で亡くし、人生に希望を見出せなくなってしまった一人の青年が、水墨画を通して、愛や幸せを手にしていく姿が描かれます。
劇中で横浜さんは、ただひたすらに上手くなりたいという純粋な気持ちから筆を持ち続け、水墨画を描き続けます。一本の線を描くことにさえ苦悩しながら、自分にしか出せない表現を追求し続けるのです。
これは『国宝』の大垣俊介と重なる部分であり、同作では世襲である俊介が本来ならば吉沢亮さん演じる喜久雄よりも跡継ぎに相応しい人間でありながら、自らの力が及ばずに「もっと上手くなりたい」と泣き崩れる場面がありました。
とことん芸術を追求するその真っすぐな眼差しと繊細な表現は、『線は、僕を描く』で培われたものだと言っても過言ではないのです。
まさに俳優という職業は絵描きのように、キャラクターの輪郭を繊細なタッチで表現し、描いては修正、描いては修正の繰り返し…そういった部分も演技に反映させたのかもしれません。
本作を鑑賞後に、もう一度『国宝』を鑑賞すると、あの「芸があるやないか」という名セリフにより一層の重みを感じること請け合いです。
運命が味方する天才
映画『国宝』や大河ドラマ『べらぼう』の影響で、今や日本を代表する俳優となった横浜流星さん。
まるで、この運命に導かれていたかのように、これまでの経験が活かされ、絶妙なタイミングでの『国宝』出演だったことが伺えます。やはり天賦の才を持った俳優には運命が味方するものなのですね。
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