更新日:2025-10-21 11:45
投稿日:2025-10-21 11:45
母からの電話に涙
お盆が明け、ようやく自宅に戻ると、実母から電話があった。
「今年は帰ってこられなかったのね。お母さん、楽しみにしてたのよ」
優しい声に、アヤは涙が込み上げた。
「ごめんね、お義母さんのところ優先で」
母は少し沈黙して、「無理しすぎないでね」とだけ言った。
私は誰と結婚したの?
数週間後、正月の帰省予定を立てる時期になり、アヤは言った。
「今年のお正月は、私の実家に行きたい」
夫はすぐに「母さんが“おせち一緒に作ろう”って」と言う。
アヤは静かに尋ねた。
「ねぇ、いつも“母さんが”ばかり。私の意見はどこにあるの?」
夫は「そんな怒ることじゃ…」と口ごもり、アヤの中で何かが切れた。
「私、誰と結婚したんだろう? あなた? それともお義母さん?」
夫は黙り込み、しばらくして「分かった、今年は君の実家に行こう」と言ったが、“譲ってやった感”が透けて見えて心から喜べなかった。
「結婚って家族が増えることだと思ってたの。 でも実際は、“優先順位”の戦いになるんだね」
アヤは少し寂しそうに笑った。
関連記事
ライフスタイル 新着一覧
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
茜色の街はまるでスクリーンの中のようだ。
ほんの少し、立ち止まって、世界観に没入する幸せ。
【連載第89回】
ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場!
「しっぽのお...
知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
友人からLINEで相談を受け、親身になってアドバイスをしたのにまったく聞いてくれなかった…なんて経験はありませんか? ...
踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...
仕事ができるかどうかは、見た目だけでは判断できません。世間では仕事ができない風に見えるLINEを送ってくるのに、実は超...
今年も中学受験シーズンに突入した。勝ち抜くには情報入手は必要不可欠、来年度の傾向は?
先日引退を発表した元SMAPの中居正広(52)の女性トラブルにフジテレビ社員が関与していたとする一部メディアの報道や、...
みなさんは、後輩や年下の子に甘えるのって得意ですか? 私はめちゃくちゃ苦手なんですが、憧れの女たちはすごく上手に、年下...
40代既婚女性が「男友達が欲しい」と思うことに抵抗を感じる人もいるでしょう。でも、若い時から異性の友達が多かった人の場...
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
今回のテーマは今年1年無病息災で生き抜くためのおまじない、「植物の力を借りて邪気退散! 節分にオススメのお花」の解説で...
本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
職場にウジャウジャと潜んでいる、承認欲求モンスター女。あのモンスターたちがやることはみんな似通っているのが摩訶不思議。...
















