米倉涼子には今後も“汚名”がついて回るが…沢尻エリカや酒井法子のように完全復活を期待する
【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】
米倉涼子(50)は日本を代表する女優である。
「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)シリーズでの決めゼリフ「私、失敗しないので」で人気を不動のものにした。2012年にはアメリカのブロードウェーミュージカル「CHICAGO」で主演を務め、海外でもその名が広く知られている。
そんな大女優に「麻薬疑惑」が取り沙汰されているというのである。
週刊文春(10月23日号)は、8月20日午後6時半、2匹の犬を散歩させて自宅に戻った米倉を、マトリ(厚労省関東信越厚生局麻薬取締部)が取り囲んだと報じた。
文春によれば、「今年二月上旬、マトリに米倉に関する情報提供があった」(司法関係者)という。それ以降、「複数回にわたり彼女の自宅から入手した遺留品を鑑定したところ、違法薬物を検出した」ため、内偵捜査を進めていたというのである。令状なしに侵入したのだろうか? 違法捜査ではないのか?
文春がこの情報を入手したのは6月上旬。以来、文春は米倉に加え、彼女と同棲しているアルゼンチンのダンサーXの“行動確認”を続けていたようだ。2人の仲むつまじい写真が幾葉も載っている。
内偵6カ月。8人のマトリが米倉を取り囲み、彼女の自宅へなだれ込んだという。彼らが出てきたのは約2時間半後だったと、文春は報じているが、米倉は逮捕されていない。
文春に情報を漏らした司法関係者は、「ガサ入れでの押収物を鑑定した結果、麻薬取締法で所持が禁じられていた違法薬物だと判明した」と明かし、薬物を使用する際の器具も発見されたと話しているのに。
2019年11月、自宅に合成麻薬MDMAを所持していた女優・沢尻エリカ(33=当時)は、ガサ入れされた後、即逮捕されている。だが、米倉はガサ入れがあった2日後、2週間のヨーロッパ旅行に向けて出発していたのだ(9月6日帰国)。
さらに、彼女同様、薬物疑惑のある恋人のダンサーも、「10月12日付で、X氏が家庭の事情で母国のアルゼンチンに帰国している」(タンゴ教室のブログ)という。
■白か黒か「薬物疑惑」の真相は不明のまま…
私には米倉の疑惑が白か黒か判断する情報は何もない。だが、彼女の自宅をガサ入れする情報をメディアに流し(当日は文春以外の新聞記者も張り込んでいた)、さらし者にしようとしたマトリのやり方には憤りを感じる(沢尻の時は、逮捕前日にテレビ局にリークしていたといわれる)。
この先、米倉が逮捕されなくても、「薬物疑惑でマトリにガサ入れされた女優」という“汚名”はついて回ることになる。メディアの中には「もう地上波に戻るのは無理」と無責任に報じるところもある。
沢尻エリカが事件から7年ぶりに映画「#拡散」(来年2月公開)に出演することが話題である。多くのスキャンダルさえも芸の肥やしにしてしたたかに生きる。彼女こそ真の女優である。
2009年9月17日、私は芸能リポーターの梨元勝(故人)と、酒井法子(38=当時)の謝罪会見の場にいた。夫とともに覚醒剤取締法違反で逮捕・起訴されたが、保釈金を払って保釈された。
涙ながらに詫びる彼女を見ながら、梨元と「シャブとは手を切れないな」と話した。
しかし彼女は、その“期待”を見事に裏切り、介護士や音楽療法士の資格取得を目指しながら、2016年には「酒井法子30thANNIVERSARYコンサート」を開催。その後も新曲を発表し、海外に活躍の場を広げ、「のりピー」完全復活を遂げたのである。
脳脊髄液減少症という難病を抱える米倉に襲いかかった薬物疑惑。「失敗したらね、そこからスタート」(樹木希林)。彼女が女優として、さらなる飛躍する姿を見せてくれる日を心待ちにしている。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)
エンタメ 新着一覧
















