お前はアイドルグループか? 更年期の味方「HRT」との出会い。婚活ぐらいマッチングが難しいやつめ

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2025-11-06 11:45
投稿日:2025-11-06 11:45
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第52話は「ホルモン補充とのマッチング」。

突然始まったホルモン補充

 今年の夏から通院する婦人科のもと、更年期障害の対処法としてホルモン補充を始めた。どの文字を省略しているのかはわからないが、通称「HRT」と呼ぶらしい。ホルモン補充と呼ぶと仰々しい雰囲気は否めがないが、アルファベット3文字になると女性グループアイドルのようで親近感が増すと感じる。今回の原稿ではHRTという言葉を積極的に使う予定だ。

【こちらもどうぞ】あれ、蚊が寄ってこない? 虫も避ける“中年おばさん”の血…私の身体はそんなに「不味い」のか

 HRTと簡単に表現したけれど、薬種は多い。自分に合う薬とマッチングするHRTを見つけるのはなかなか難儀だと飲み始めてから知ったので、この原稿の向こうにいる更年期軍団であり、盟友のみなさまへ情報共有をしたい。

 HRTを始めたきっかけは夏に突然訪れた『更年期うつ症状』だった。それまで低容量ピルと漢方薬の加味逍遙散で辛さをなんとなく騙してきたけれど、ついに爆破した。襲ってきた不安感、閉塞感に耐えられなくなり「そういえば自分は更年期だった」と思い出して、婦人科へ出向いた。

・ヒスロン錠5mg
・プレマリン錠0.625mg

 これがファーストHRTだ。「ホルモンを補充する」なんて言われると、抵抗がある人もいるかもしれない。がんになりやすくなる云々といったまことしやかな噂もあるので、服薬については医師とよく相談して決めたほうがいい。まあ、この医師選びも更年期対処には深く関わってくるけれど、それについてはまた別の回で。私はといえば、長年ピルを服用していたのでホルモン補充に全く抵抗もトラブルもなく、すんなりと受け入れた。

 ただ、ヒスロン錠5mg、プレマリン錠0.625mgは保険適用外の薬だと処方されてから知った。正しくは医師も説明をしていたのだろうけど、具合の悪い最中に言われても…だ。会計で漢方薬、ほぼ飲まなかった安定剤のグランダキシン、プラセンタ注射と合わせて7,000円近い会計となり、目を丸くした。医師は「生涯服用したほうがいい」といった見解を持っていたし、骨粗鬆症対策の一環だと考えると有害ではないけれど、支払いに関しては現実的ではない。一生、現在の収入額を保持できるのかと問われると個人事業主にとっては未知の世界である。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


ホットフラッシュvsニット。“セーター”に恋焦がれる更年期世代から「エアリズムニット」の提案
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
誕プレで発覚! 親友と思ってたのは私だけだった…思わず虚無感を抱いた切ないLINE3選
 友達とLINEをしている時に、思わず虚無感を抱いてしまったことはありませんか? 人は、あまりにも自分の気持ちを無視され...
計算されたような曲線美! 塀の上の“たまたま”が放つ怪しい魔力
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
変わらず、光り輝いて
 街中にある機関車の車輪。  自分の背丈ほどの巨大な車輪を30年以上、1日も欠かさず磨き上げた人に出会ったのは、も...
【女偏漢字探し】「季」の中に紛れ込んだ漢字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
プライド高っ! マウントをとる女の闘志メラメラLINE3選。バッグの値段、婚活の人数、子どもの習いごと…
「あなたより私のほうがすごい」と相手より優位に立とうとする女。そんな“マウントをとる女”は、LINEでも闘志メラメラのよ...
無意識な「フキハラ&ちくちく言葉」で職場のモチベ下げていませんか?
 相手を遠回しに攻撃する人いますよね~。不機嫌な態度で周りを威圧する「フキハラ」に加えて、嫌味たっぷりの皮肉っぽい「ちく...
フジテレビ問題で物議…【弁護士解説】職場や取引先との飲み会、部下や後輩とトラブルにならない誘い方は?
 芸能界を引退した中居正広氏(52)の女性トラブルを巡って、幹部社員の関与が疑われているフジテレビ。トラブルが発生してい...
「寒い。めんどい。やる気でない」を打ち破れ! 40女が実践するランニング継続のコツ
 1月ももう終わり。2025年の抱負として「運動習慣を身につける」と掲げた方も多いのでは。  仕事前にちょっとひとっ走...
あわや一触即発と思いきや…お互いを褒めあう仲良し“たまたま”たち
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「金運を上げる玄関」って? お金持ち宅の“テクニック”も参考にした生花の選び方
「米の値段がまた上がる!」がSNS界隈でバズっております。ワタクシの唯一の癒しでもある大好物(甘いもの系)のサイズや数量...
圧強めのママ友、涙を飲んだ受験生にはどう返信する? お受験シーズンはLINE界隈もてんやわんや
 今年も受験シーズンが到来。自分の子供の人生を少しでも良くしようと必死の「お受験ママ」がいる一方で、不合格で落ち込む受験...
まさか痴漢に遭うとは…更年期真っ最中のおばさんの身に降りかかった「性的な危険」
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
経験値不足が招いた悲劇か? 恋人や家族の「仰天センス」にドン引きしたエピソード
 買い物をしている時やプレゼントをもらった時など「なんでそれを選んだの!?」と驚くような仰天センスの持ち主に出会うことが...
まるで物語のワンシーン! 静かに佇む美しきシルエットの“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
茜色の街に思うこと
 茜色の街はまるでスクリーンの中のようだ。  ほんの少し、立ち止まって、世界観に没入する幸せ。